【所要時間90分】GWに園城寺(三井寺)に行ってきました!見どころやモデルコース、混雑状況、アクセス・無料駐車場を徹底解説

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2022年5月4日(水)に滋賀県大津市園城寺町にある園城寺おんじょうじに行ってきました。園城寺おんじょうじは「三井寺みいでら」の名前で知られますが、これは境内に天智天皇・天武天皇・持統天皇の三帝の産湯に用いられた霊泉が湧出していることから「御井寺」と呼ばれ「三井寺」となりました。現在もこの霊泉は閼伽井屋あかいや重要文化財)と呼ばれる小堂の岩組から湧出しています。

映画『るろうに剣心』や『武士の献立』、『天地明察』の撮影も境内で行われました。

今回、実際に園城寺に参拝してきましたので見どころやモデルコース、混雑状況、アクセス・無料駐車場、映画の撮影スポット等をわかりやすくご紹介したいと思います。

園城寺の概要

園城寺創建朱鳥しゅちょう元年(686年)と伝わります。大海人皇子(天智天皇の弟で後の天武天皇)と大友皇子(天智天皇の子)が「壬申じんしんの乱」で皇位継承を巡り争い、敗れた大友皇子は25歳の若さで亡くなりました。大友皇子の子である大友与多王よたのおおきみは父を弔うため自分の「荘園城邑しょうえんじょうゆう」に寺を創建し、朱鳥しゅちょう元年(686年)に壬申の乱で敵対した天武天皇より「園城」という寺号を与えられたのが起源といわれます。

山号長等山ながらさん宗派天台寺門宗御本尊弥勒菩薩です。

貞観元年(859年)に唐への留学から帰国した智証大師円珍ちしょうだいしえんちんによって再興され、平安時代以降は白河上皇や関白・藤原道長源氏をはじめとした武家、室町幕府などから幅広い信仰を集めました。園城寺は隆盛を誇り、東大寺・興福寺・延暦寺と共に本朝四箇大寺しかたいじの一つに数えられました。

しかし10世紀頃から比叡山延暦寺と対立し抗争が激化しました。双方とも僧兵を抱え、園城寺は延暦寺から数十回に渡り焼き討ち攻撃をされたと伝わります。また文禄4年(1595年)には豊臣秀吉の怒りに触れ闕所けっしょ(堂宇や寺領の没収する処罰で事実上の廃寺)の命を受けます。

慶長3年(1598年)に秀吉から闕所けっしょが解除されると、北政所の寄進と園城寺長吏・道澄の復興事業により金堂の再建や堂宇が再建され現在に至っています。

園城寺へのアクセス・駐車場

交通機関を利用

◎京阪石山坂本線「三井寺駅」下車、園城寺まで600m、徒歩で約9分

自動車を利用

◎カーナビに園城寺の電話番号「077-522-2238」を入力、または園城寺の住所「滋賀県大津市園城寺町246」を入力し検索

駐車場

園城寺には普通自動車が350台駐車可能な無料駐車場があります。GWの午前8時に到着しましたが駐車場は混雑もなく空いていました。午前9時30分頃はほとんど駐車場の空きがありませんでしたので、GW期間中は朝一番(午前8時)からの拝観をおすすめします。
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園城寺の参拝と見どころ

仁王門(重要文化財)

園城寺の入口にある「仁王門(重要文化財)」は元は滋賀県湖南市の常楽寺の門でした。豊臣秀吉によって伏見城に移築され、慶長6年(1601年)に徳川家康によって現在地に移築されました。仁王門は室町時代の宝徳3年(1451年)に建立された三間一戸の入母屋造いりもやづくり檜皮葺ひわだぶきの楼門です。仁王門を潜り左に拝観受付があります。

拝観時間 午前8時~午後5時(最終受付は午後4時30分)
拝観料 大人600円、中学生300円、小学生200円

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釈迦堂(重要文化財)

仁王門を潜り右側の建物は室町時代に建立された「釈迦堂しゃかどう(重要文化財)」です。京都御所の清涼殿を元和7年(1621年)に移築したものと伝わり、御本尊に「清凉寺式釈迦如来」がお祀りされています。桁行七間、梁間四間、入母屋造、桧皮葺で、中央の格子狭間には精巧な唐草文様の透かし彫りが入っています。中世大寺院の「食堂じきどう」の古式を今に伝える建築物です。
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金堂(国宝)

仁王門を潜り参道を直進して石段を登ると「金堂(国宝)」が見えてきます。
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旧金堂は豊臣秀吉の闕所けっしょにより延暦寺西塔に移築され釈迦堂(重要文化財)とされました。現在の金堂は豊臣秀吉の正室の北政所が慶長4年(1599年)に寄進したものです。入母屋造・檜皮葺で、堂内は外陣・内陣・後陣に区切られています。御本尊には秘仏の弥勒菩薩がお祀りされています。金堂では特別拝観・百体観音(2022年4月23日~5月15日)が行われていましたので拝観料500円を納めて拝観していきました。
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堂前灯籠

金堂前にある灯籠は「堂前灯籠」です。中大兄皇子(後の天智天皇)が大化の改新で蘇我氏一族を滅ぼしましたが、その罪滅ぼしの為に天皇が自分の左薬指(無名指)を切りこの台座の下に収めたと伝わります。別名「園城寺金堂無名指灯籠」ともいわれています。
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閼伽井屋(重要文化財)

金堂の西に隣接しているのは「閼伽井屋あかいや(重要文化財)」と呼ばれる小堂です。慶長5年(1600年)に北政所が建立した檜皮葺の霊泉の履屋です。天智天皇・天武天皇・持統天皇の三帝が産湯に用いた霊泉三井寺みいでら」の名前の由来となりました。園城寺(三井寺)12

閼伽井屋あかいやの建物細部には桃山時代の優美な特色が見られ、正面上部の蟇股には伝説的な彫刻人である左甚五郎ひだりじんごろうの龍の彫刻が施されています。この龍は琵琶湖に毎日現れて暴れたので甚五郎が龍の目に五寸釘を打ち込んで鎮めたという伝説が残っています。
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日本最古の石庭「閼伽井屋石庭」

閼伽井屋あかいやに隣接する庭園は日本最古の蓬莱山の石庭「閼伽井屋石庭」です。中央より人、神佛、鶴、亀と配置されています。
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日本三名鐘の一つ「三井の晩鐘」

石段を登って左側、金堂の左手前には慶長7年(1602年)に再建された鐘楼があります。音色の良いことで知られる梵鐘が吊るされ「三井の晩鐘」として日本の音風景100選にも選出されています。また昔より「声(音)の園城寺」といわれ、「姿(形)の平等院鐘」、「勢の東大寺」と共に「天下の三名鐘」に数えられています。
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弁慶鐘(重要文化財)

金堂から西方に進むと霊鐘堂があり、弁慶鐘(重要文化財)と呼ばれる奈良時代の古鐘があります。この鐘は藤原秀郷が三上山の百足退治のお礼として竜宮(琵琶湖)の龍神から持ち帰った鐘を寄進したと伝わります。
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奈良時代の現存鐘では東大寺鐘に次ぐ大きさを誇り、鐘の表面には傷跡や割れ目が見られます。これは比叡山延暦寺との抗争で弁慶が鐘を奪い比叡山へ引き摺り上げて撞くと「イノー・イノー(帰りたい)」と響きました。怒った弁慶は鐘を谷底に投げ捨ててしまい、これらはその時に付いたものといわれます。

弁慶の汁鍋

弁慶鐘の傍には弁慶が所持していた大鍋「弁慶の汁鍋」も展示されています。鎌倉時代に造られた大鍋で、弁慶が鐘を奪い取った時に残していったものと伝わります。江戸時代の観光ガイドブック『近江名所図会会』にも弁慶の汁鍋として描かれています。
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一切経蔵(重要文化財)

弁慶鐘の近くの建物は室町時代初期に建立された一切経蔵(重要文化財)です。慶長7年(1602年)、毛利輝元によって山口県の国清寺(現在の洞春寺)から移築されました。
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内部には中心軸で回転する八角形の輪蔵があり、天井からは円空仏七体が発見されています。
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一切経蔵前は『るろうに剣心』『武士の献立』の撮影スポット

一切経蔵前では映画『るろうに剣心』や『武士の献立』の撮影が行われました。近くには石橋が掛かり、その先には三重塔や唐院があります。
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三重塔(重要文化財)

鎌倉時代末期から室町時代初期に建立された三重塔(重要文化財)は慶長6年(1601年)に徳川家康によって寄進されました。総高は25mで、元は奈良県の比蘇寺(現在の世尊寺)にありましたが豊臣秀吉が一度伏見城に移築し、その後現在地に移築しました。園城寺(三井寺)23

唐院

四脚門(重要文化財)

三重塔近くの一角は智証大師円珍が創建した唐院と呼ばれる場所です。四脚門(重要文化財)を正面として灌頂堂かんじょうどう(重要文化財)唐門(重要文化財)大師堂(重要文化財)長日護摩堂(滋賀県指定有形文化財)が並びます。四脚門は寛永元年(1624年)の再建されました。園城寺(三井寺)27

灌頂堂(重要文化財)、唐門(重要文化財)、大師堂(重要文化財

四脚門を潜ると正面に灌頂堂かんじょうどう(重要文化財)があり、その後方に唐門(重要文化財)大師堂(重要文化財)と並びます。唐門と大師堂は豊臣秀吉の闕所けっしょから一番早い慶長3年(1598年)に再建されました。灌頂堂かんじょうどう仁寿殿じじゅうでんが下賜されたものと伝わります。
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長日護摩堂(滋賀県指定有形文化財)

灌頂堂かんじょうどうの左側には長日護摩堂(滋賀県指定有形文化財)があります。長日護摩堂は寛文6年(1666年)に後水尾上皇の寄進で再建されました。
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唐院前参道は『天地明察』の撮影スポット

四脚門の石段を下ると唐院前の参道があります。こちらでは『天地明察』の撮影が行われ、主演の岡田准一さんが朝霧の中を疾走するシーンが撮られました。
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三井寺文化財収蔵庫

参道を進むと「三井寺文化財収蔵庫」があります。開館時間は午前8時30分~午後4時30分(午後4時受付終了)で入館料は300円です。こちらには狩野光信筆が描いた桃山絵画や仏像、仏画など重要文化財13件53点が展示・収蔵されています。
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観音堂(滋賀県指定有形文化財)

三井寺文化財収蔵庫から先に進み石段を登った高台に観音堂(滋賀県指定有形文化財)があります。元禄2年(1689年)に再建された観音堂は重層入母屋造・本瓦葺で、御本尊は如意輪観世音菩薩像(重要文化財)です。西国三十三所観音霊場の第14番札所としても知られています。
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観月舞台(滋賀県指定有形文化財)

観音堂の近くある観月舞台(滋賀県指定有形文化財)は嘉永2年(1849年)に建立されました。琵琶湖を望む高台にあり、琶湖疏水や大津市街、琵琶湖の絶景を楽しむことができます。
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観月舞台の床には一面アクリル板が敷き詰められています。桜の季節には床に反射した桜の景色を楽しむことができます。今回は若葉の緑が反射した景色を楽しむことが出来ました♪
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御朱印

御朱印は境内の寺務所で頂くことが可能です。

おわりに

園城寺所要時間ですが、ゆっくり参拝した場合で約90分でした。三井寺文化財収蔵庫も見学すると所要時間は3時間程度見積もった方が良いと思います。園城寺には国宝の金堂をはじめとして多くの重要文化財があります。三井寺の名前の由来で、天智天皇・天武天皇・持統天皇の三帝の産湯になった閼伽井屋あかいやの霊泉も現存しています。境内では映画の撮影が度々行われており、今回紹介した以外の映画でも園城寺が撮影に利用されています。園城寺は桜の名所としても有名で、春の観月舞台に反射する桜は神秘的です。見どころいっぱいの園城寺に是非一度参拝してみてはいかがでしょうか。

園城寺
住所 滋賀県大津市園城寺町246
電話番号 077-522-2238
営業時間 午前8時~午後5時(受付終了は午後4時30分)
定休日 年中無休
拝観料 無料
アクセス ■交通機関を利用
◎京阪石山坂本線「三井寺駅」下車、園城寺まで600m、徒歩で約9分
■自動車を利用
◎カーナビに園城寺の電話番号「077-522-2238」を入力、または園城寺の住所「滋賀県大津市園城寺町246」を入力し検索
駐車場 普通自動車が350台駐車可能な無料駐車場あり