所要時間20分・川端康成の『伊豆の踊子』で有名な「旧天城トンネル・天城山隧道（あまぎさんずいどう）」の見どころ・アクセス・駐車場等を詳細にご紹介！

2017年10月21日（土）に静岡県伊豆市湯ヶ島と静岡県賀茂郡河津町にある「天城山隧道（あまぎさんずいどう）」に行ってきました。
別名「旧天城トンネル」とも呼ばれ、こちらの名前をご存知の方が多いかと思いますが正式名称は天城山隧道になります。

天城山隧道は川端康成の小説『伊豆の踊子』や、松本清張の小説『天城越え』の舞台にもなった有名なトンネルです。
平成13年（2001年）に「天城山隧道」として道路のトンネルとして初めて国の重要文化財に指定され、日本の道100選にも選ばれています。

天城山隧道が開通したのは明治38年（1905年）で、総工費は10万3,016円（現在に換算するよ約66億円）の巨費が投じられました。
開通により、当時陸の孤島と言われた南伊豆と北伊豆の距離が短縮され、難所と言われた天城越えが解消しました。

天城山隧道は標高708m、全長446m、幅員4.1m（有効幅員3.5m）で、トンネルは大仁町の吉田石を使った切り石巻工法によって作られています。
日本最初の石造道路トンネルで、現存する石造道路トンネルで最大の長さを誇ります。

今回訪れてきましたので、アクセス方法や駐車場、所要時間等をご紹介したいと思います。

アクセス

公共交通機関を利用

・伊豆箱根鉄道「修善寺駅」下車し、駅前ロータリーのバス5番乗り場で東海バス「河津行」に約42分乗車後、「水生地下」下車後、2.0km・徒歩34分。

※バスは午前8時～午後4時の間ですと1時間に1～2本間隔で運行しています。
※バスの運賃は片道1,090円になります。
※バス停から天城山隧道まで距離がありますが、歩くと川端康成の『伊豆の踊子』の有名な書き出し部分「道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思うころ．．」を体験できますので歩くことをおすすめします。

自動車を利用・駐車場

天城山隧道には駐車場が2か所あります。

・水生地下駐車場（伊豆の踊子の世界を体感したい方におすすめ）
天城山隧道まで2.0km・徒歩34分かかりますが、広い無料駐車場で、駐車場からトンネルまでは川端康成の『伊豆の踊子』の書き出し部分を体験することができます。

・天城山隧道前駐車場（時間があまりない方におすすめ）
天城山隧道前の駐車場は無料駐車場で、駐車場は狭く、車は5台程度駐車可能です。

天城山隧道前にはトイレも完備されています。

天城山隧道見学開始

バス停「水生地下」から天城山隧道までは、2.0km・徒歩34分かかります。
道はつづら折りになっており、『伊豆の踊子』の世界を体感できます。
徒歩で訪れたことがあるので今回は車で天城山隧道前まで登ってきました。
途中の山道は舗装されていない道路で車もぎりぎり対向できる位の道幅で注意が必要です。
車の運転に自信がない方は徒歩で登ってきましょう。

トンネルの上部には「天城山隧道」の題字が読み取れます。

トンネルは現在も利用されており、時々車が通過していますがトンネル内での対向は幅が3.5mしかありませんので困難です。
トンネル内を歩いて見学することも可能ですので車に注意しながら奥へと進みます。
コンクリートのトンネルに比べ、石造のトンネルは堅牢さと歴史を感じます。

『伊豆の踊子』の一節「暗いトンネルに入ると、冷たい雫がぽたぽた落ちていた。南伊豆への出口が前方に小さく明るんでいた。」とあるようにトンネル内は雫が落ちており、トンネルを5分も歩けば南伊豆への出口が見えてきますので是非歩いてみましょう。
トンネル内の照明はガス灯を模したデザインで、明治・大正時代にタイムスリップした気持ちになります。

おわりに

今回は天城山隧道前駐車場に駐車し、ゆっくり見学して所要時間は約20分でした。
天城山隧道は「浄蓮の滝（じょうれんのたき）」から「河津七滝（かわづななだる）」まで歩く全長16.2kmのハイキングコース「踊子歩道」の途中にあります。
明治38年（1905年）に作られた最古で最大の石造りトンネルで、川端康成の『伊豆の踊子』の世界を現在も体感できる場所でした。
紅葉のスポットしても有名で、毎年11月に開催される「天城路もみじまつり」ではトンネル内提灯ウォークや、伊豆の踊り子さんとの写真撮影等が楽しめるので再訪したいと思います。