2019年3月21日(木)、2024年1月20日(土)に和歌山県伊都郡かつらぎ町にある丹生都比売神社に行ってきました。
紀伊国一之宮で「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素の一つとして世界文化遺産に登録されています。また全国に約180社ある丹生都比売大神を祀る神社の総本社です。
丹生都比売神社に参拝してきましたので見どころや御朱印、ご利益やアクセス、駐車場をわかりやすくご紹介したいと思います。
丹生都比売神社の概要
創建は不詳ですが、始まりは約1700年以上前と伝わります。
天平時代(729年~749年)に書かれた『丹生大明神祝詞』によると、ご祭神の丹生都比売大神が神代に紀ノ川流域に降臨され、紀州や大和を巡り農耕を広め、鎮座されたとあります。
また、奈良時代(710年~794年)の初期に編纂された『播磨国風土記』によれば、神功皇后が丹生都比売大神のお告げにより、衣服・武具・船を朱色に塗ったところ戦勝できたので、応神天皇が社殿と広大な土地を神領として寄進されたと記載されています。
丹生都比売大の御子である高野御子大神(狩場明神)は、真言密教の道場の活動の拠点を探していた弘法大師に紀伊国(現在の和歌山県と三重県南西部)にある霊地・高野山を教え、従えていた白と黒の2匹の犬に高野山まで案内させたと伝わります。その後、弘法大師は嵯峨天皇より高野山を下賜され、高野山金剛峯寺を開山しました。神と仏が共存する神仏習合はこの場所で形成されて行きました。
鎌倉時代には行勝上人により、福井県の気比神宮から大食都比売大神、広島県の厳島神社から市杵島比売大神が勧請され、北条政子により社殿が寄進され本殿は4殿となりました。
室町時代に建立された朱塗りと彫刻と彩色が見事な本殿と楼門は国の重要文化財に指定されています。
丹生都比売神社へのアクセス・駐車場
交通機関を利用
・JR線「妙寺駅」下車、丹生都比売神社まで約8.5km、タクシーで約15分
・JR線「笠田駅」下車、丹生都比売神社まで約10.3km、タクシーで約17分
・JR線「笠田駅」下車、かつらぎ町コミュニティバスに乗車し約30分(運賃200円)、「丹生都比売神社前」バス停下車徒歩すぐ
自動車を利用
・カーナビに丹生都比売神社の電話番号「0736-26-0102」を入力
駐車場
丹生都比売神社には普通自動車が合計約50台収容可能な無料駐車場があります。
参拝入口の外鳥居側にある第一駐車場です。
外鳥居を通って約50mほど進んだ所にある鏡池の隣に第二駐車場があり、トイレも用意されています。参拝に午後訪れた際は、駐車場にかなり空きがありました。
丹生都比売神社の参拝と見どころ
神仏習合の名残が残る両部鳥居
丹生都比売神社の入口の外鳥居を通って境内に進みます。
鳥居の形状は2本の本柱の前後に低い控え柱を設け、貫ぬきで連結した両部鳥居となっています。
両部鳥居は神仏習合が盛んだった神社に見られ、広島県の厳島神社の大鳥居も同様の形状です。
淀殿が寄進した輪橋
外鳥居から参道を通って境内に入ると輪橋と呼ばれる反り橋があります。
輪橋は神様が渡るための橋のことで、豊臣秀吉の側室・淀殿が寄進したと伝わります。
別名「太鼓橋」とも呼ばれ、参拝者も通行することが可能です。
鏡池
輪橋の側にある池は鏡池と呼ばれます。
人魚の肉を食べて不老長寿になった八百比丘尼という尼僧が池に自分の姿を映し、年をとっても姿が変わらない自分を嘆き、鏡を投げ入れたと伝わる池です。
手前の禊橋を渡ると両部鳥居の中鳥居があり、突き当りに楼門があります。
手水舎・社務所
中鳥居の右側にある手水舎で心身を清めて参拝へ進みます。
社務所は手水舎の後方にあります。
手水舎から楼門を見た景色です。参道沿いに石造灯籠が並び、正面に楼門、楼門左に神饌所、右に拝殿となります。
境内社・佐波神社
神饌所の横には境内社の佐波神社があります。明治時代に周辺地域にあった多くの神社を合祀して建立されました。
重要文化財・楼門
朱色が美しい楼門は室町時代の明応8年(1499年)に入母屋造檜皮葺で建立されました。
三間一戸の代表的な楼門形式で国の重要文化財に指定されています。
楼門から奥に鎮座されている本殿へしっかりと参拝します。
重要文化財・本殿四殿のご祭神とご利益
本殿も楼門と同様、国の重要文化財に指定されています。日本最大の大きさを誇る本殿四殿は、右側の第一殿から第四殿まで並んでおり、いずれも一間社春日造の檜皮葺で同形式・同規模です。
第一殿のご祭神・丹生都比売大神は厄除の女神で、悪縁を断ち、良縁を結ぶご利益で有名です。四殿を一覧でまとめましたのでご参照ください。
本殿 | 社殿建立年 | ご祭神 | ご利益 |
第一殿 | 正徳5年(1715年) | 丹生都比売大神 | 病気平癒・縁結び・縁切り |
第二殿 | 文明年間(1469年~1486年) | 高野御子大神 | 幸福への導き・諸願成就 |
第三殿 | 明治34年(1901年) | 大食都比売大神 | 食に関するご利益 |
第四殿 | 文明元年(1469年) | 市杵島比売大神 | 芸能上達・金運・財運 |
左端の建物は摂社の若宮で、鎌倉時代に第三殿・第四殿のご祭神を勧請した行勝上人が祀られています。
神仏習合の歴史を伝える石造史跡
境内の西側には多くの石造史跡があります。
右側の高い4基の石柱は「大峯修験者の碑」で、大峯修験者(山伏)が大峯入峯に際し建てた碑で県の文化財指定されています。
大きな板碑は寛文2年(1662年)に建立された「光明真言曼荼羅碑」です。時計の針の進む方向に梵字で光明真言が刻まれています。
左の石厨子は「脇ノ宿石厨子」と言い、葛城修験のご本尊「役の行者」の石像が祀られています。
お守り・おみくじ
おすすめのおみくじは弘法大師を高野山に導いたご祭神・高野御子大神ゆかりの「みちびき犬みくじ」です。犬が弘法大師を導いたとの逸話からかわいい犬の姿をしたおみくじで、幸福に導いてくれるおみくじです。
お守りのおすすめはご祭神・丹生都比売大神のご神徳が病気平癒ですので健康御守がおすすめです。
御朱印・オリジナル御朱印帳
御朱印は社務所で頂くことが可能で、①丹生都比売神社ご朱印②佐波神社ご朱印の2種類になります。初穂料は各500円で、季節毎に限定ご朱印もいただくことができます。
オリジナル御朱印帳も太鼓橋と楼門が描かれたものをはじめ複数取り扱っており、初穂料は1200円からになります。
紀伊國一之宮・丹生都比売神社、社殿と御朱印と御朱印帳 pic.twitter.com/QV2E1gx6xT
— YAJIRO (@YAJIRO55) November 20, 2016
おわりに
丹生都比売神社の所要時間ですが、ゆっくり参拝した場合で約30分でした。
境内には淀殿が寄進した輪橋、重要文化財の楼門、本殿は見ごたえがありました。
神仏習合が盛んだったことがわかる両部鳥居や石造史跡も必見です。
第一殿に祀られている丹生都比売大神は悪縁を断ち、良縁を結ぶご利益で有名です。
見どころいっぱいの丹生都比売神社に是非一度参拝してみてはいかがでしょうか。
丹生都比売神社 | |
住所 | 和歌山県伊都郡かつらぎ町上天野230 |
電話番号 | 0736-26-0102 |
営業時間 | 終日可能 社務所は午前8時45分~午後4時30分 |
定休日 | 年中無休 |
拝観料 | 無料 |
アクセス | ■交通機関を利用 ・JR線「妙寺駅」下車、丹生都比売神社まで約8.5km、タクシーで約15分 ・JR線「笠田駅」下車、丹生都比売神社まで約10.3km、タクシーで約17分 ・JR線「笠田駅」下車、かつらぎ町コミュニティバスに乗車し約30分(運賃200円)、「丹生都比売神社前」バス停下車徒歩すぐ ■自動車を利用 ・カーナビに丹生都比売神社の電話番号「0736-26-0102」を入力 |
駐車場 | 普通自動車が50台駐車可能な無料駐車場あり |