【和歌山県】枯山水と本堂の調和が見事な粉河寺!歴史や見どころ、所要時間・御朱印・アクセス・駐車場を徹底解説!

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2019年3月21日(木)に和歌山県紀の川市粉河にあるダイナミックな枯山水庭園と本堂の調和が見事粉河寺こかわでらに行ってきました。創建は奈良時代と伝わり、境内には重要文化財の本堂・千手堂・中門・大門をはじめ、貴重な建物を数多く見ることができます。

粉河寺に参拝してきましたので歴史や見どころ、所要時間・御朱印・アクセス・駐車場を徹底解説したいと思います。

粉河寺の概要

粉河寺は大伴孔子古おおとものくじこによって奈良時代の宝亀元年(770年)に創建され、その逸話は国宝の『粉河寺縁起絵巻こかわでらえんぎえまき』によって伝えられています。山号風猛山ふうもうざん宗派粉河観音宗こかわかんのんしゅうご本尊千手千眼観音菩薩せんじゅせんげんかんぜおんぼさつになります。

『粉河寺縁起絵巻』によると、紀伊国那賀郡に住む猟師であった大伴孔子古は山中で狩りをしていたところ光り輝く場所を見つけてそこに庵を建てました。しばらくすると一人の童行行者が庵を訪ね、一晩泊めてほしいと要望したので孔子古は泊めてあげました。童行行者はお礼に庵に仏像を安置したい孔子古の願いを叶える為、7日7夜かけて千手観音の像を刻み、8日目の朝に千手観音の像を置いて立ち去りました。その後、孔子古は殺生をやめて観音を信仰したと伝わります。

時は移り、河内国の長者であった佐太夫の娘は長い間重い病気で苦しんでいました。そこへ童行行者が現れ千手陀羅尼せんじゅだらにを唱えて祈祷すると娘の病は回復しました。喜んだ佐太夫はお礼に財宝を差し出しますが童行行者は受け取らず、代わりに娘から下げ緒付きの小刀と紅の袴だけを受け取り、「紀伊国那賀郡粉河にいます」と告げて立ち去りました。佐太夫一家が粉河を訪ねていきますが、童行行者を知っている人がいません。山の方を探すと川の水が白い粉を溶かしたような流れを発見し、川を遡ると庵を見つけました。扉を開けると安置されていた千手観音が娘が差し出した小刀と袴を持たれていたので童行行者は千手観音の化身であったことが分かったと伝わります。

平安時代に著された清少納言の『枕草子』や平安時代の歌謡集である『梁塵秘抄りょうじんひしょう』等で粉河寺について記載があり、平安時代から著名であったことがわかります。
鎌倉時代には七堂伽藍、550ヶ坊もの子院、東西南北角約4kmにも及ぶ広大な寺領を有していましたが、天正13年(1585年)の豊臣秀吉の紀州征伐によって全山焼失しました。
江戸時代に入ると紀州徳川家の庇護を受け、江戸時代中期から後期にかけて現存の諸堂が建立されました。

粉河寺へのアクセス・駐車場

交通機関を利用

・JR線「粉河駅」下車、粉河寺まで1.3km、徒歩で約16分

自動車を利用

・カーナビに粉河寺の電話番号「0736-73-4830」を入力

駐車場

粉河寺の大門周辺に普通自動車が合計100台駐車可能な有料駐車場(1回500円)があります。
お正月は混雑しますが、それ以外の時期は駐車場も広いので駐車にそれほど困ることもないと思います。
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粉河寺の参拝と見どころ

大門(重要文化財)

粉河寺の入口にある朱色が鮮やかな入母屋造、本瓦葺きの大門重要文化財)は、宝永4年(1707年)に建立されました。粉河寺は粉河観音宗の総本山で西国三十三ヶ所第三番札所に指定されています。
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安置されている2体の金剛力士像は仏師春日作と伝わります。

大門から本堂までは長屋川沿いに約200mの石畳の参道が続きます。
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童男堂(県指定文化財)・出現池

参道沿いには多くの堂塔伽藍が建立されています。
最初にご紹介するのが鮮やな朱色の童男堂(県指定文化財)で、延宝7年(1679年)に建立されました。粉河寺の創建に関わる千手観音の化身であった童行行者が祀られています。粉河寺7

童男堂の隣にある「出現池」は、この池より童行行者が柳の枝を手にして出現したと伝わります。
出現池の周りは土塀と格子によって囲われているため、格子越しに参拝します。
右に馬蹄岩(窓のすぐ下)、正面に童男大士石像、左に三角堂(千手観音を安置)となっています。
童行行者は創建時の逸話から病気平癒のご利益で有名で、祈願成就すればこの池に鯉を放流する風習があります。粉河寺9

仏足石

童男堂・出現池から参道を挟んで向かいには仏足石ぶっそくせきがあります。
文久3年(1863年)に造られたもので、釈迦の足跡が石に刻まれています。
石碑の文字は江戸時代の願海上人の筆が刻まれています。粉河寺8

念仏堂

出現池の隣に建つのは江戸時代後期に総欅造で建立された念仏堂です。
光明殿とも呼ばれ、阿弥陀如来が安置されています。
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阿弥陀如来座像(市指定文化財)

念仏堂の隣には通称「露座仏」と呼ばれる阿弥陀如来座像(市指定文化財)が鎮座しています。
文久2年(1862年)に紀州八代藩主・徳川重倫とくがわしげのり公によって寄進されました。
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太子堂

露座仏の隣に建っているのは太子堂で、聖徳太子が祀られています。
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太子堂から見える一際大きな楼門が中門です。左に見えるのが盥漱盤かんそうばんです。
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盥漱盤(市指定文化財)

盥漱盤(市指定文化財)は安永4年(1775年)に造られたもので、江戸時代に有名だった粉河鋳物の代表的作品です。
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中門(重要文化財)

盥漱盤の先に天保3年(1832年)に建立された入母屋造、本瓦葺きの中門重要文化財)があります。中門にかかる山号の風猛山ふうもうざんの扁額は紀州十代藩主・徳川治宝とくがわはるとみ公の直筆によるものです。
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中門の左右の間には四天王像が安置されています。

中門を過ぎると左に粉河寺庭園、正面に本堂、右に六角堂、地蔵堂、お食事処「あこ茶家」があります。「あこ茶家」の名物である風猛そば(680円)や、草もちセット(550円)で一休みもおすすめです♪
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粉河寺庭園(国指定名勝)

本堂前にある粉河寺庭園国指定名勝)は作庭の年代は不詳ですが、安土桃山時代の豪華で迫力ある特徴がみられる紀州石で造られた石庭です。雑賀崎の緑泥片岩を主とし、琴浦の紫石、竜門山の龍門石を含む巨石が崖地を巧みに利用してダイナミックに配置されています。
石庭にはビャクシン・シダレザクラ・ソテツなどの植栽も組み合わされ、枯れ滝・石橋・鶴亀の島が表現されています。左側に背が高い巨石が並び、右側は背の低い石の上に本堂が美しく調和した枯山水観賞式蓬莱庭園です。
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本堂(重要文化財)

享保5年(1720年)に建立された本堂重要文化財)は西国三十三所の寺院の中で最大級のお堂です。本堂は二重屋根の正堂と、礼拝のための一重屋根の礼堂を前後に並べた特殊な建築様式となっています。粉河寺19

礼堂は入母屋造単層、本瓦葺き、正堂は入母屋造重層、本瓦葺きとなっています。
御本尊の千手千眼観世音菩薩は、本堂下の地中に埋められており、創建以来一度も公開されたことがない絶対の秘仏となっています。
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本堂内陣は冥加料(400円)で拝観可能で、内部には『粉河寺縁起絵巻』の模本や、日光東照宮の「眠り猫」等で有名な伝説的な彫刻職人・左甚五郎ひだりじんごろう作の「野荒しの虎」があります。
「野荒しの虎」は徳川吉宗公によって寄進されました。
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本堂近くにある「踞木地のクスノキ」は樹齢300年以上と言われ、高さは20m以上、直径5~8mに達しています。おすすめのパワースポットです。
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千手堂(重要文化財)

本堂の左にある千手堂(重要文化財)は宝暦10年(1760年)に建立されました。
宝形造の建物で、正面に秘仏でご本尊の千手観音立像、両側に脇壇に紀州藩の歴代藩主とゆかりの人々の位牌が祀られています粉河寺33

丈六堂・子育地蔵堂

本堂近くにある丈六堂と子育地蔵堂です。
文化3年(1806年)建立された丈六堂の堂内には阿弥陀如来が安置され、子育地蔵堂には享保19年(1734年)に子供の無病息災を願って造られた子育て地蔵があります。

十禅律院(県指定文化財)・薬師堂

本堂から奥に進むと江戸時代末期に建立された十禅律院(県指定文化財)、諸病平癒のご利益がある薬師如来を安置している薬師堂があります。

粉河産土神社

本堂奥には地元で「たのもしのみや」と呼ばれ親しまれている粉河産土神社こかわうぶすなじんじゃがあります。
粉河産土神社の社殿は江戸時代中期に建立されたもので、朱色が鮮やかな華麗で見事な建造物です。
毎年7月に行われる粉河祭(県指定文化財)は紀州三大祭のひとつに数えられています。

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御朱印

御朱印は本堂で頂くことが可能で、御朱印料は300円となっています。

おわりに

粉河寺所要時間ですが、ゆっくり参拝した場合で約1時間でした。
境内に4か所ある重要文化財の大門・中門・本堂・千手堂は見ごたえがありました。
安土桃山時代の豪華でダイナミックな国指定名勝の粉河寺庭園も素晴らしかったです。
境内に多数ある諸堂や粉河産土神社も見どころです。
見どころいっぱいの粉河寺に是非一度参拝してみてはいかがでしょうか。

粉河寺
住所 和歌山県紀の川市粉河2787
電話番号 0736-73-4830
営業時間 午前8時~午後5時
定休日 年中無休
拝観料 拝観料は無料。ただし本堂の拝観は400円(税込)必要。
アクセス ■交通機関を利用
・JR線「粉河駅」下車、粉河寺まで1.3km、徒歩で約16分
■自動車を利用
・カーナビに粉河寺の電話番号「0736-73-4830」を入力
駐車場 ・普通自動車が合計100台収容駐車できる有料駐車場あり
・駐車場料金は1回500円

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