2022年10月10日(月)に宮城県仙台市青葉区霊屋下にある仙台藩祖・伊達政宗公の霊廟で豪華絢爛な桃山文化の遺風を伝える瑞鳳殿に行ってきました。
瑞鳳殿は江戸時代の寛永14年(1637年)、寛永13年(1636年)に70歳で亡くなった伊達政宗公の遺命によって現在地に造営されました。
瑞鳳殿は、本殿・拝殿・唐門・御供所・涅槃門から構成され、藩祖・伊達政宗公の霊屋である瑞鳳殿の他、2代藩主・伊達忠宗公の感仙殿、3代藩主・伊達綱宗公の善応殿があります。
昭和6年(1931年)に瑞鳳殿・感仙殿は国宝に指定されましたが、昭和20年(1945年)の戦災で消失し、昭和54年(1979年)に再建され現在に至ります。
今回、実際に瑞鳳殿に参拝してきましたので所要時間や見どころ、御朱印、入場料、アクセス・無料駐車場をわかりやすくご紹介したいと思います。
瑞鳳殿へのアクセス・駐車場
交通機関を利用
◎仙台市地下鉄東西線「大町西公園駅」下車、瑞鳳殿まで1.0km、徒歩で約16分
◎JR線「仙台駅」下車、西口バスターミナル16番乗り場より「るーぷる仙台」青葉山方面バスに約13分乗車、「瑞鳳殿前」バス停下車、瑞鳳殿まで270m、徒歩約5分
自動車を利用
◎カーナビに瑞鳳殿の電話番号「022-262-6250」を入力、または瑞鳳殿の住所「宮城県仙台市青葉区霊屋下23-2」を入力し検索
駐車場
瑞鳳殿には普通自動車が30台駐車可能な無料駐車場があります。祝日の午後に訪れた際、駐車場はほぼ満車でしたが駐車場の待ち行列は発生していませんでした。
瑞鳳殿の参拝と見どころ
瑞鳳殿の参拝開始
瑞鳳殿は広瀬川の挟んで仙台城の本丸跡と向かい合う経ヶ峯にありますので緩やかな坂道を上って観覧券売り場へ向かいます。左の石段が入口、右の石段が出口となっており、瑞鳳殿境内をぐるっとまわって参拝します。
観覧券売り場
瑞鳳殿の観覧券売り場で入館券を購入して入館します。左は売店となっていて、御朱印はこちらでのみ頒布されています。
瑞鳳殿入口
観覧券売り場の右が瑞鳳殿の入口で、「瑞鳳殿」の石碑が立っています
入口を通って参道の左に手水舎がありますのでこちらでしっかりと心身を清めて参拝へ進みます。
涅槃門
最初に見えてくる極彩色豊かな門は涅槃門です。涅槃門は昭和20年(1945年)に焼失しますが、昭和54年(1979年)に焼失前と同じ姿で再建されました。「麒麟」や「牡丹と唐獅子」など焼失前と同様に豪華で華美な彫刻が施されています。
涅槃門の門は封鎖されており、隣の小さな門から入って先に進みます。
涅槃門から石段を上ると拝殿があります。
拝殿
焼失前の拝殿は瑞鳳殿と床の高さが同じで、拝殿の正面扉を開けると橋廊下、唐門を通って伊達政宗公の尊像に礼拝することが出来ました。側面の回廊は現在休憩所となっていますが、かつては御供所に繋がっていました。
唐門
拝殿の先の石段を上ると唐門があり、唐門の先に瑞鳳殿があります。瑞鳳殿の混雑時は拝殿まで参拝待ちの行列が続くことがあります。
藩祖・伊達政宗公の霊屋「瑞鳳殿」(旧国宝)
瑞鳳殿は寛永13年(1636年)に亡くなった仙台藩祖・伊達政宗公の遺命によって造営された霊屋です。安土桃山時代の豪華絢爛な廟建築として、昭和6年(1931年)に国宝に指定されました。しかし昭和20年(1945年)に戦災で焼失し、現在の建物は昭和54年(1979年)に再建されました。
屋根を支える三手先斗栱は極彩色豊かで重厚で立体的な造りとなっており、建物に施された天女や鳳凰の彫刻が見事です。瑞鳳殿の扉はご開帳されており、内部には政宗公御木像がお祀りされています。
殉死者供養塔(宝篋印塔)
瑞鳳殿の周囲には「殉死者供養塔(宝篋印塔)」があります。伊達政宗公が生涯を閉じられてから後を追って殉死した直臣15人と陪臣5名を供養する為の石塔です。
瑞鳳殿資料館
瑞鳳殿近くにある「瑞鳳殿資料館」は焼失した御供所を資料館として再建したものです。発掘調査で見つかった遺骨や副葬品の展示やビデオ解説が行われており、中でも遺骨のレプリカを元に復元された3藩主の容貌像の展示は見どころとなっています。
満海上人供養碑
満海上人供養碑は伊達家の記録によると寛永13年(1636年)に伊達政宗公の遺命で墓所の工事を行っていた際に中世末期にこの地に葬られた湯殿山修験者・満海上人の墓が現れたと伝わります。昭和20年(1945年)の戦災と荒廃によって失われましたが、平成元年(1989年)に再建されました。
戊辰戦争弔魂碑
戊辰戦争弔魂碑は戊辰戦争(1868年~1869年)で殉職した仙台藩士及び旧幕臣・米沢藩の仙台応援隊士達を含む1,260名と民間で犠牲となった多くの方々の霊を弔う為に伊達家と旧仙台藩士によって明治10年(1877年)に建立されました。
戊辰戦争弔魂碑から石畳の道を道なりに歩くと善応殿と感仙殿があります。
石段を上り門を潜ると正面に感仙殿が見えます。
2代藩主・伊達忠宗公の霊屋「感仙殿」(旧国宝)
感仙殿は2代藩主・伊達忠宗公の霊屋で寛文4年(1664年)に建立されました。瑞鳳殿と同様に本殿・唐門・拝殿・御供所・廟門から構成されていましたが、明治時代の廃仏毀釈によって本殿のみとなりました。瑞鳳殿と共に国宝に指定されていましたが、昭和20年(1945年)の戦災で焼失し、昭和60年(1985年)に再建されました。感仙殿の周囲にある供養塔(宝篋印塔)は忠宗公が死去の際に殉死した直臣と陪臣を供養する為の石塔です。
3代藩主・伊達綱宗公の霊屋「善応殿」
感仙殿の左にある善応殿は3代藩主・伊達綱宗公の霊屋で享保元年(1716年)に建立されました。本殿・唐門・拝殿・廟門等から構成されていまししたが、感仙殿と同じく明治時代の廃仏毀釈によって本殿以外の建物が破却され、昭和20年(1945年)の戦災で焼失、昭和60年(1985年)に感仙殿と共に再建されました。
妙雲界廟
感仙殿の右には9代藩主・伊達周宗公と11代藩主・伊達斉義公夫妻の墓所があり、総称して妙雲界廟と呼ばれます。11代藩主・斉義公は伊達家の血筋である一関・田村家出身で、10代藩主・伊達斉宗公は世継ぎがいなかった為、文政2年(1819年)に婿養子として迎え入れられ11代藩主となりました。感仙殿の石段を下り、左の石段を進むと出口となります。
御朱印
御朱印は観覧券売り場に隣接する売り場でのみ頒布されていて、①瑞鳳殿特別御朱印(300円)②瑞鳳殿参拝記念御朱印(200円)の2種類になります。
おわりに
瑞鳳殿の所要時間ですが、ゆっくり参拝し資料館を見学した場合で約1時間でした。かつて国宝だった瑞鳳殿や感仙殿を含むすべての建物は昭和20年(1945年)の戦災で焼失しましたが現在は再建され、往時の極彩色豊かで精緻に施されてた彫刻を見ることが出来ます。資料館では発掘調査で見つかった遺骨のレプリカから伊達政宗公を含む3藩主の容貌像の展示が行われており必見です。瑞鳳殿を参拝すると見事な建造物群だけでなく、殉死者供養塔(宝篋印塔)や妙雲界廟から当時の思想や伊達家の歴史にふれることもできます。見どころいっぱいの瑞鳳殿に是非一度参拝してみてはいかがでしょうか。
瑞鳳殿(ずいほうでん) | |
住所 | 宮城県仙台市青葉区霊屋下23-2 |
電話番号 | 022-262-6250 |
営業時間 | ◎2月1日~11月30日:午前9時~午後4時50分(最終入館:午後4時30分) ◎12月1日~1月31日:午前9時~午後4時20分(最終入館:午後4時00分) |
休館日 | ◎12月31日(全館休館) ◎1月1日(瑞鳳殿のみ開館。感仙殿、善応殿、資料館は休館) |
入館料 | ◎一般・大学生:570円 ◎高校生:410円 ◎小・中学生:210円 |
アクセス | ■交通機関を利用 ◎仙台市地下鉄東西線「大町西公園駅」下車、瑞鳳殿まで1.0km、徒歩で約16分 ◎JR線「仙台駅」下車、西口バスターミナル16番乗り場より「るーぷる仙台」青葉山方面バスに約13分乗車、「瑞鳳殿前」バス停下車、瑞鳳殿まで270m、徒歩約5分 ■自動車を利用 ◎カーナビに瑞鳳殿の電話番号「022-262-6250」を入力、または瑞鳳殿の住所「宮城県仙台市青葉区霊屋下23-2」を入力し検索 |
駐車場 | 普通自動車が30台駐車可能な無料駐車場あり |