2019年5月2日(木)に大分県臼杵市にある平安時代後期から鎌倉時代に彫られたと推定され、国宝にも指定されている「臼杵石仏(うすきせきぶつ)」にいってきました。
臼杵石仏は、凝灰岩(ぎょうかいがん)に岩壁に彫刻された磨崖仏群(まがいぶつぐん)です。
磨崖仏として全国で初めて、そして彫刻としては九州で初めて国宝に指定されました。
石仏の数は60余体にもおよび、その内61体が国宝となっています。
石仏群は4群に分かれており、「ホキ石仏第1群(堂ヶ迫石仏)※」「ホキ石仏第2群※」「山王山石仏(さんのうざんせきぶつ)」「古園石仏(ふるぞのせきぶつ)」と名づけられています。
※ホキとは「がけ」という意味の地名のことです。
古園石仏の近くの岩壁には2体の彫刻された金剛力士像もあります。
今回臼杵石仏を拝観してきましたので歩き方や見どころや滞在時間、駐車場等の情報を詳しくご紹介します。
臼杵石仏の滞在時間ですが、ゆっくり参拝した場合で約60分でした。
臼杵石仏の見どころ
臼杵石仏は以下の4郡の石仏群が見どころとなっています。
1~4の歩き方で参拝します。
1.阿弥陀浄土を表現「ホキ石仏第2群」
2.20数体の磨崖仏の光景は壮観「ホキ石仏第1群」
3.大きく穏やかなお顔が特徴の如来座像がおられる「山王山石仏」
4.臼杵石仏群で一番有名な石仏群「古園石仏」
アクセス
車を利用
・大分空港から約90km、車で約1時間30分
・カーナビにMAPCODE「186 601 509*78」を入力
駐車場情報
臼杵石仏は写真の通り大きな無料駐車場があります。
広くて駐車しやすく、ゴールデンウィークでも待ち時間なく駐車可能でした。
臼杵石仏参拝開始
駐車場を出て川沿いに100mほど歩くと臼杵石仏参道入り口が見えてきます。
駐車場に観覧券の販売所がありますので購入し、半券をこちらで渡して進みます。
歩道の大半は舗装されていて歩きやすい参道となっています。
阿弥陀浄土を表現「ホキ石仏第2群」
歩き始めて最初に見えてくるのが「ホキ石仏第2群(堂ヶ迫石仏)」です。
ホキ石仏第2群は2龕(がん)※から構成され、阿弥陀浄土を表しています。
第1龕は阿弥陀三尊像(あみださんそんぞう)となっており、中央の中尊阿弥陀如来像は平安時代後期の作で毅然とした表情とどっしり構えた姿が特徴の石像です。
※龕とは仏像を納める厨子のことです。
第2龕は、小さめの阿弥陀如来像が9体刻まれています。
20数体の磨崖仏の光景は壮観「ホキ石仏第1群」
ホキ石仏第2群の次の「ホキ石仏第1群」はすぐに見えてきます。
ホキ石仏第1群は4龕から構成され、平安時代から鎌倉時代にかけて造られた磨崖仏が20数体並んでいます。
第1龕の如来三尊像(にょらいさんそんぞう)で中尊に釈迦如来が刻まれています。
平安末期の作で、如来像が並列して彫られた珍しい形で、釈迦如来のお顔は童顔で親しみやすさを感じる石仏です。
第2龕の如来三尊像は第1龕と異なりどっしりとした毅然とした表情が特徴で、こちらも如来像が並列して彫られた珍しい形となっています。
平安後期の作とされています。
第3龕の如来三尊像は中尊に金剛界大日如来(こんごうかいだいにちにょらい)がおられ、隣に釈迦如来、阿弥陀如来が並んでいます。
台座に願文(がんもん)や経巻(きょうかん)を納めたと思われる円や四角の穴が見て取れます。
第4龕は地蔵十王像(じぞうじゅうおうぞう)です。
中尊に地蔵菩薩がおられ、周囲に地獄の裁判官である十王が彫られています。
鎌倉期の作といわれています。
ホキ石仏第1群側の山道を約5分登ると平安時代に造られた重要文化財の「五輪塔」があります。
時間があればこちらの見学もおすすめしますが、山道は歩きづらいので歩きやすい靴をおすすめします。
大きく穏やかなお顔が特徴の如来座像がおられる「山王山石仏」
ホキ石仏第1群の次は「山王山石仏」を拝観します。
山王山石仏は中尊にひときわ大きな如来座像、その両隣に如来座像がおられます。
釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来といわれています。
大きな如来座像の顔がとても穏やかで癒されます。
山王山石仏の近くには「日吉社」と平安時代末期から鎌倉時代初期頃と推定される県指定有形文化財の「石造五輪塔」があります。
時間があればこちらの見学もおすすめしますが、道がよくないので歩きやすい靴を推奨します。
こちらが石造五輪塔です。
臼杵石仏群で一番有名な石仏群「古園石仏」
山王山石仏の次は「古園石仏」を参拝します。
古園石仏手前には平成7年に国宝に追加指定された「金剛力士立像(こんごうりきしりゅうぞう)」があります。
金剛力士立像は古園石仏と同時期の平安時代後期の作と推定され、参道の山門の仁王として造られたと考えられています。
古園石仏は大日如来像を中心として曼荼羅を構成した石仏群です。
臼杵石仏群で一番有名な石仏群で、平安時代後期の作といわれています。
修復される前は仏頭が台座前に安置されており、こちらの姿で親しまれていました。
国宝指定の条件として仏頭を元の場所に戻すことが当時の文部省から提示された為、平成5年(1993年)に現在の姿に修復されました。
中尊の大日如来像は切れ長の目に引き締まった口元が特徴の石仏です。
毅然としたお姿に加え気品も感じる表情をしています。
臼杵石仏のポスターやパンフレットは大体こちらの大日如来像の写真で紹介されています。
臼杵石仏から歩いて行ける訪れたい史跡
美人になるといわれている「化粧の井戸」です。
伝説によると玉津姫というお姫様の顔に醜いあざがありましたが、この井戸で顔を洗うとあざが取れて美人になったことからそのように伝わっています。
臼杵石仏近くにある「満月寺(まんがつじ)」の参拝もおすすめです。
満月寺入り口には膝から下が土に埋もれたユニークな「仁王像」の石像があります。
入口から右奥に進むと、左が石仏を作成したと伝わる「蓮城法師像(れんじょうほうしぞう)」、右が石仏の制作を指示したと伝わる「真名野長者夫婦石像(まなのちょうざふさいぞう)」があります。
室町時代に造られたと伝わっています。
境内には鎌倉時代後期に造られた「宝篋印塔(ほうきょういんとう)」もあります。
人懐っこい猫もいました♪
おみやげには「臼杵煎餅」がおすすめ
参拝後は駐車場近くに有名な臼杵煎餅のお店「後藤製菓」があります。
創業は大正8年のお店で、直売の他、工場見学・体験もできるようです。
参拝日は暑かったので「臼杵せんべいソフト」をいただきました♪
おわりに
臼杵石仏を参拝してみて4石仏群はそれぞれ特色があり大変見ごたえがありました。
岩壁に刻まれた真崖仏群からは迫力や美しさを間近で感じることができました。
また平安時代から現在までこの地の石壁に現存していることに感動を覚えます。
参拝も駐車場は広く参道も舗装されておりとても参拝しやすかったです。
平安から鎌倉の信仰や彫刻美術が感じられる臼杵石仏に是非一度参拝してみてはいかがでしょうか。
臼杵石仏(うすきせきぶつ) | |
場所 | 大分県臼杵市深田804-1 |
電話 | 0972-65-3300 |
休日 | 年中無休 |
拝観料 | 大人:540円 小人:260円 |
参拝時間 | 4月~9月:午前6時00分~午後7時00分 10月~3月:午前6時00分~午後6時00分 |
駐車場 | 無料駐車場あり |
交通 | ・大分空港から約90km、車で約1時間30分 ・カーナビにMAPCODE「186 601 509*78」を入力 |