2017年11月18日(土)に滋賀県東近江市百済寺にある湖東三山(西明寺・金剛輪寺・百済寺)のひとつで近江最古級の古刹「百済寺(ひゃくさいじ)」にいってきました。
百済寺は紅葉の名所として有名で、境内にある池泉廻遊式庭園「本坊喜見院(ほんぼうきけんいん)の庭園」の紅葉は大変見ごたえがあります。
喜見院の庭園は遠望台からの眺望も見事で、別称「天下遠望の名園」とも呼ばれています。
百済寺を参拝した所要時間ですが、ゆっくり参拝した場合で約1時間でした。
百済寺の概要
百済寺の創建は推古14年(606年)に聖徳太子によって創建されたと伝わっています。
山号は釈迦山(しゃかさん)で宗派は天台宗になります。
百済寺の始まりは、聖徳太子が高句麗の僧「恵慈(えじ)」と近江に滞在している時に山中から不思議な光を見たところから始まります。
光を元に山中に進むと幹の上半分がなくなっている霊木の杉が見つかりました。
太子が恵慈に幹の上半分を尋ねたところ、朝鮮半島にある「百済国(はくさいこく)」の「龍雲寺(ヨンウンサ)」に運ばれて御本尊「十一面観世音菩薩像(じゅういちめんかんぜおんぼさつぞう)」になっているとの答えでした。
それを聞いた太子は、霊木の杉に根がついたままの状態で「十一面観音菩薩像」を作り、像を囲むようにお堂を建立し百済寺が創建されたと伝わります。
平安時代に入ると最澄や空海によって伝来された密教が広まり、最澄が建立した比叡山延暦寺の発展と勢力拡大により、百済寺は寺領と共に勢力下に入り、延暦寺の末寺となりました。
この時に奈良仏教から天台宗へ改宗しました。
平安時代から中世までは天台別院と呼ばれるほど大きな寺院でしたが、明応7年(1498年)の火災、文亀3年(1503年)の兵火、天正元年(1573年)の織田信長の焼き討ちにより全て焼失しました。
イエズス会の宣教師として来日していた「ルイス・フロイス」は百済寺を訪れており、信長の焼き討ち前の姿を「百済寺と称する大学には、相互に独立した多数の僧院、座敷、池泉(ちせん)と庭園を備えた坊舎1000坊が立ち並び、まさに“地上の天国”」と表現し、焼失を惜しんだとの記録が残っています。
織田信長が本能寺の変で没した後、天正12年(1584年)に豊臣家家臣「堀秀政」の寄進により仮本堂が建立されます。
その後、慶長17年(1612年)に徳川家康により寺領・諸役免除が安堵され、以降歴代徳川将軍より寺領安堵の朱印状が下ります。
また現在の本堂をはじめ境内の建造物は、彦根藩・井伊家等の援助を受けて再建されました。
百済寺の見どころ
百済寺の見どころは以下の通りとなっています。
・池泉廻遊式の庭園「本坊庭園」は紅葉の名所
・遠望台からの風景は「天下遠望の名園」
・最後の山城「百済寺城」の石垣
・吊り下げられた大草鞋は健康長寿のご利益「仁王門」
・重要文化財指定の「本堂」
・樹齢推定1000年の「千年菩提樹」
拝観料・拝観時間
拝観料は大人600円、小中学生200円です。
拝観時間は午前8時~午後5時までです。
寺宝拝観は予約が必要です。
アクセス
交通機関を利用
・近江鉄道「八日市駅」下車、タクシーで約10分
車を利用
・名神高速道路「八日市IC」から約12分。
駐車場情報
百済寺には、約220台駐車可能な無料駐車場があります。
駐車場は複数個所に分かれています。
午前9時30分に百済寺に一番近い駐車場に行きましたが、写真の通り空きがあり余裕で駐車可能でした。
百済寺参拝開始
駐車場から石段を登ると通用門があり、百済寺の拝観受付に行くことが出来ます。
南庭と呼ばれる憩いの場で、紅葉が美しく色づいていますね♪
奥に進み拝観受付を済ませて本坊へと進みます。
受付を過ぎると「本坊喜見院(ほんぼうきけんいん)」が見えてきます。
本坊喜見院の側の参道を進むと本坊庭園が眼前に広がります。
池泉廻遊式の庭園「本坊庭園」は紅葉の名所
こちらが「本坊庭園」です。
本坊側の道を進むと一気に眼前が開け、素晴らしい庭園が広がるのでとても感動します!
大きな池を中心とした池泉廻遊式の庭園で、巨石を巧みに配置して変化に富んだ庭園となっています。
喜見院には靴を脱いで上がることが可能です。
人もそれほどおらずゆっくりできますので是非軒下から庭園を観賞しましょう♪
喜見院に腰を降ろし、しばらく時を忘れて庭園を楽しみます。
紅葉は見頃を迎え、庭園全体が見事に色づいており、とても贅沢な時間が過ごせました。
喜見院から東の山を見たところです。
庭園の巨石は県内最大級で、大きな池と山を借景に巨石群からは躍動感を感じます。
木々は緑や黄、赤と色鮮やかで、参拝時には霧も出ており幻想的な風景となっていました。
池泉廻遊式庭園なので、歩きながら景色の移り変わりを楽しみます♪
庭園の巨石群は旧本坊庭園と百済寺山内の谷川から集められて作庭されました。
池を挟んで本坊を見たところです。
真っ赤な紅葉が美しいですね。
池泉を廻ると庭園から傾斜を登る道へと入り、高台の「遠望台」へ向かうことになります。
道中の苔や木々の緑や鮮やかな色合いが見事ですね♪
遠望台からの風景は「天下遠望の名園」
遠望台からの風景は「天下遠望の名園」と呼ばれています。
本坊庭園の西方眼下には、湖東平野と琵琶湖が広がり、55km先にある比叡山を借景に広大な展望を望める名園となっています。
訪れた時は霧が深くて展望は望めませんでしたが、幻想的な光景が広がっていました。
遠望台を過ぎて石段の参道を仁王門に向かって進みます。