2023年9月20日(水)に大阪府茨木市元町にある茨木神社に行ってきました。
茨木神社の創建は平安時代の大同2年(807年)、坂上田村麻呂が荊切の里(現在の宮元町付近)に「天石門別神社」(現在の奥宮)を創建したのが始まりと伝わります。平安時代の延長5年(927年)に編纂された『延喜式神名帳』にも記載が見られます。
鎌倉時代末期から南北朝時代に活躍した楠木正成(1294年~1336年)が茨木城を築城する際に現在地に遷座したと伝わります。
戦国時代になると高槻城主の高山右近がキリスト教を保護し、神社仏閣を破壊・焼却していました。その際、織田信長公より「天照大御神・春日大神(天児屋根命)・八幡大神(八幡大神)・牛頭天王(素盞嗚大神)を祀る諸社は焼いてはならない」という命令が出されたので「天石門別神社」という社名を隠し、牛頭天王を祀る「牛頭天王社」として焼き討ちを逃れたといわれます。
江戸時代の元和8年(1622年)、牛頭天王(素盞嗚大神)・春日大神(天児屋根命)・八幡大神(八幡大神)をお祀りする社殿を新築して本殿とし、天石門別神社を奥宮として現在に至ります。
今回、実際に茨木神社に参拝してきましたので見どころや御朱印、ご利益、アクセス・無料駐車場をわかりやすくご紹介したいと思います。
茨木神社へのアクセス・駐車場
交通機関を利用
◎JR京都線「茨木駅」下車、茨木神社まで950m、徒歩で約13分
◎阪急京都線「茨木市駅」下車、茨木神社まで550m、徒歩で約7分
自動車を利用
◎カーナビに茨木神社の電話番号「072-624-5474」を入力、茨木神社の住所「大阪府茨木市元町4番3号」を入力し検索
駐車場
茨木神社には境内に普通自動車が約10台駐車可能な参拝者専用の無料駐車場があります。駐車場は東参道の鳥居と東門を潜り境内に入り、儀式殿・参集殿前のスペースに駐車することが可能です(ただし、お正月・十日戎・夏祭などの混雑期は利用不可になりますので近くにある茨木市営中央公園駐車場等を利用します)。水曜日の午前中に訪れましたが駐車場は混雑もなく空いていました。
茨木神社の参拝と見どころ
茨木神社の参拝開始
茨木神社の入口のには昭和55年(1980年)に造立された社号碑が建っています。社号碑の後方に石灯籠と大鳥居が並び、境内へは石段を下りて進みます。
大鳥居
大鳥居は明治35年(1902年)に造立されたものです。かつてこの場所には約330年前に造立された東参道の鳥居がありましたが移築され現在の構成になっています。大鳥居には「茨木神社 天石門別神社」と書かれた扁額が掛かっています。茨木神社は明治5年(1872年)、天石門別神社は明治12年(1879年)にそれぞれ郷社に列せられ、一境内に二社の郷社がある全国でも珍しい神社となりました。
大鳥居を潜ると阿吽の大きな狛犬が神域を清浄に保っています。大鳥居や狛犬の周辺には多くの石灯籠や常夜灯がありますが、江戸時代の正徳・享保・宝暦・安永・文化の銘が見られ、時代を超えて篤い崇敬と信仰を集めていることが感じられます。狛犬の近くには儀式殿や参集殿があります。
茨木城の搦手門を移築した東門
参集殿の隣にある東門は茨木城の搦手門を移築したものと伝わります。茨木城は楠木正成が建武年間(1334年~1336年)に築城したお城で、中川清秀や片桐且元が城主を務めたことで知られています。境内の駐車場へ侵入する際はこちらの門を潜って進みます。
恵美須神社(末社)
東門の向かいに鎮座するのは恵美須神社です。ご祭神は事代主命・大国主命で、金運財運向上・商売繁盛などのご利益で知られています。明治12年(1879年)に現在地に遷座され、現在の建物は昭和38年(1963年)に建立されました。
厳島神社(末社)
恵美須神社の右隣りには厳島神社が鎮座しています。ご祭神は市杵島姫命で、商売繁盛・諸芸上達等のご利益で知られています。
末社の天満宮・主原神社・多賀神社
厳島神社から参道を社殿に向かって進むと右側に「天満宮」「主原神社」「多賀神社」「事平神社」が合祀された合祀殿があります。天満宮はご祭神に菅原道真公、主原神社は天児屋根命・応神天皇、多賀神社は伊射那岐命、事平神社は大物主神・崇徳天皇・金山彦命をそれぞれお祀りしています。
皇太神社(末社)
合祀殿の左には明治41年(1908年)に合祀された皇太神社が鎮座しています。ご祭神は天照大御神で、現在の社殿は昭和59年(1984年)に建立されました。
皇太神社の向かいには立派な手水舎があります。こちらでしっかり心身を清めて参拝へ進みます。
社殿(拝殿・幣殿・本殿)、御祭神、ご利益
拝殿・幣殿は老朽化により解体され、令和4年(2022年)に再建されました。まだ新築の木の香りが感じられるような温かみを感じる木造建築で、周囲は豊かな緑で囲まれています。
拝殿の前にはギョロ目とユニークな表情が可愛い阿吽狛犬が社殿を清浄に保っていました。
本殿は江戸時代の元和8年(1622年)に建立され、令和4年(2022年)に修復されました。拝殿・幣殿は新築で再建されたので現在は木の色が異なりますが、歴史を重ねると本殿と同色になり美しい姿になると想像します。御祭神は主祭神に建速素盞嗚尊、誉田別命と天児屋根命が配祀されています。ご利益は厄除開運・勝運向上・子孫繁栄・学業成就・諸願成就で知られています。
天石門別神社(奥宮)
茨木神社の社殿後方には奥宮の「天石門別神社」が鎮座しています。茨木神社の元宮で、現在の神明造の社殿は昭和49年(1974年)に建立されました。
天石門別神社の御祭神は主祭神が天手力男命、天宇受売命・豊国神・東照神が配祀されています。天石門別神社と茨木神社は共に郷社で、一境内に2社の郷社がある全国にも珍しい神社となっています。郷社が一列に並ぶこの辺りは茨木市屈指のパワースポットとなっています。
愛宕神社(末社)
天石門別神社の左には末社の愛宕神社が鎮座しています。御祭神は火産霊神で、ご利益は防火・防災・交通安全・開運招福などで知られています。
皇大神宮(末社)
天石門別神社の後方には末社が2社鎮座しています。白色の神明鳥居の後方の社殿は皇大神宮です。御祭神は天照大御神で、国土安泰・開運招福・五穀豊穣などのご利益で知られています。
稲荷神社(末社)
皇大神宮の左に鎮座するのは稲荷神社で、御祭神には宇迦御魂神・猿田彦命がお祀りされています。ご利益は宇迦御魂神が五穀豊穣・商売繁盛、猿田彦命が方位除け・災難除け・事業発展などの御神徳で知られています。
豊臣秀吉の茶の湯でも利用された「黒井の清水」
稲荷神社の左隣奥には「黒井の清水」と呼ばれる名水があります。豊臣秀吉の茶の湯でも利用された清水で、「赤井の清水」「青井の清水」と共に古来より嶋下郡三名水と呼ばれてきました。
御朱印
御朱印は境内の参集殿で頂くことが可能です。
摂津國 天石門別神社
大阪府茨木市元町鎮座807年に坂上田村麻呂が
荊切の里をつくりしとき
創建されたと伝わる楠木正成が茨木城を
築いて以降に現在地へ奉遷織田信長からの
破却を免れる際に
牛頭天王社と号して
後に新たに本殿を築き
茨木神社の奥宮となる宮元町の空は静謐だった… pic.twitter.com/YSbZD8TkxK
— 続まーねこ神名帳🐾🌿✨ (@kutushitanekoR) October 29, 2019
おわりに
茨木神社の所要時間ですが、ゆっくり参拝した場合で約30分でした。茨木神社は平安時代に編纂された『延喜式神名帳』にも記載された古社で、境内は綺麗に整備・維持されており清浄で厳かな雰囲気でした。拝殿・幣殿は令和4年(2022年)に新築再建されたものですが、美しい木造建築で歴史を経ると本殿と美しく調和すると思いました。茨木神社と元宮で奥宮の天石門別神社が並ぶラインは茨木市屈指のパワースポットです。見どころいっぱいの茨木神社に是非一度参拝してみてはいかがでしょうか。
茨木神社(いばらきじんじゃ) | |
住所 | 大阪府茨木市元町4番3号 |
電話番号 | 072-624-5474 |
営業時間 | 終日可能 |
定休日 | 年中無休 |
拝観料 | 無料 |
アクセス | ■交通機関を利用 ◎JR京都線「茨木駅」下車、茨木神社まで950m、徒歩で約13分 ◎阪急京都線「茨木市駅」下車、茨木神社まで550m、徒歩で約7分 ■自動車を利用 ◎カーナビに茨木神社の電話番号「072-624-5474」を入力、茨木神社の住所「大阪府茨木市元町4番3号」を入力し検索 |
駐車場 | 普通自動車が約10台駐車可能な無料駐車場あり |