2017年11月17日(金)に京都府京都市左京区にある「永観堂 禅林寺(えいかんどう ぜんりんじ)」にいってきました。
通称「永観堂」の名前で呼ばれています。
永観堂は境内に約3000本もの紅葉が並ぶ京都屈指の紅葉の名所で、古今和歌集でも「秋はもみじの永観堂」と言われるほど有名なお寺です。
またご本尊で首を左にかしげ振り向いておられる「みかえり阿弥陀」も広く知られています。
今回紅葉の時期に永観堂に行ってきましたので紅葉の見どころ、混雑状況、混雑を回避する方法をご紹介します。
永観堂をゆっくり拝観した場合の所要時間ですが、約60分でした。
滞在時間は午前9時~午前10時になります。
永観堂の歴史・概要
永観堂の創建は平安時代の仁寿3年(853年)、弘法大師(空海)の高弟である「真紹僧都(しんじょうそうず)」が貴族・文人であった「藤原関雄(ふじわらのせきお)」の旧居を買い取り寺院としたのが始まりです。
貞観5年(863年)、清和天皇から都における寺院建立の許可と「禅林寺」という名を賜り公認の寺院となりました。
山号は「聖衆来迎山(しょうじゅらいごうさん)」で宗派は浄土宗西山禅林寺派になります。
平安時代の7代住職「永観(ようかん)律師」(1033年~1111年)は、境内に施療院を建立したりして恵まれない人や病人救済の慈善事業を盛んに行い、永観律師は人々に慕われました。
この時代に禅林寺が大きく発展し、禅林寺は永観堂と呼ばれるようになりました。
鎌倉時代の12代住職「静遍僧都(じょうへんそうず)」(1166年~1224年)は、元は真言宗の僧で、お念仏だけで救われるという「法然上人」を反発を覚えていましたが、法然上人の著書を読み反発は消え、その後法然に帰依しました。
静遍僧都は次の住職を法然の弟子「証空(しょうくう)上人」に指名し、証空上人は念仏の大切さを説いて人々に広めました。
その後、禅林寺は法然上人を宗祖に、証空上人を派祖とし、浄土宗西山禅林派の総本山になりました。
ご本尊の「阿弥陀如来立像」は別名「みかえり阿弥陀」で有名です。
永保2年(1082年)2月15日の早朝、永観律師が阿弥陀堂で日課の念仏を唱えながら、阿弥陀如来の周りで修行(行動)をしていると律師の前に誰かがいました。
律師が阿弥陀如来だと気付き驚いて足を止めると、阿弥陀如来は左に振り返って律師の目を見て「永観、遅し」と告げたと伝わります。
それ以来、阿弥陀如来が左に振り返った姿のまま元に戻らず、今もその姿のままのであることから「みかえり阿弥陀」と呼ばれています。
永観堂の紅葉シーズンの見どころ
永観堂の紅葉シーズンは11月上旬~12月上旬になります。
見どころは以下の通りとなっています。
・特別寺宝展は貴重な重要文化財多数展示
・永観律師ゆかりの「悲田梅」
・法然上人が祀られている「御影堂」
・京都屈指の音色「水琴窟」
・山の斜面を走る「臥龍廊」
・みかえり阿弥陀がご本尊「阿弥陀堂」
・放生池から見る「多宝塔」は絶景の紅葉スポット
・「多宝塔」から永観堂と京都を一望
拝観料・拝観時間
拝観料は以下の通りとなっています。
・通常拝観(秋季特別拝観以外):大人600円、高校生・中学生・小学生400円です。
・秋季特別拝観:大人1000円、高校生・中学生・小学生600円です。
・紅葉ライトアップ:大人・高校生・中学生600円、小学生以下無料です。
拝観時間は以下の通りとなっています。
・通常拝観:午前9時~午後5時(午後4時受付終了)
・秋季特別拝観:午前9時~午後5時(午後4時受付終了)
・紅葉ライトアップ:午後5時30分~午後9時(午後8時30分受付終了)
アクセス
公共機関を利用
・地下鉄東西線「蹴上駅」下車、徒歩約1.1km・14分
・JR「京都駅」下車、烏丸口前バスターミナルで「市バス5系統(A1乗り場)」から約30分乗車「南禅寺・永観堂道」下車、徒歩約500m・約6分
・JR「京都駅」下車、烏丸口前バスターミナルで「市バス100系統(D1乗り場)」から約35分乗車「東天王町」下車、徒歩約700m・約8分
駐車場
永観堂には総門を入って約50m直進し、左手に車が約20台駐車可能な無料駐車場がありますが紅葉の時期は駐車不可になります。
紅葉の時期は、有料駐車場になりますが、約500台駐車可能な岡崎公園駐車場をおすすめします。
料金は最初の1時間500円、30分毎に200円、最大1300円になり、営業時間は午前7時30分~午後10時30分までとなります。
混雑を回避する方法
混雑を回避するには以下の方法がおすすめです。
1.秋季特別拝観が開始される9時前に並ぶ(10分位前で大丈夫です)
2.土日祝を避け、平日に拝観する
3.公共交通機関を利用
3つの中でも1が一番重要で、開始少し前に並ぶと拝観受付後、人がまばらな境内で紅葉をゆっくり楽しむことが出来ます。
9時30分頃には境内は人で大変な混雑になるのでできれば拝観開始少し前に拝観受付に並んでいるようにしましょう。
永観堂紅葉見学開始
永観堂の「総門」です。
外からでも境内の紅葉が見えて拝観が楽しみになります♪
永観堂に到着したのは拝観受付前の午前8時50分です。
総門をくぐると目の前に真っ赤な景色が広がります。
直進し左に曲がると駐車場がありますが、秋季特別拝観中は利用できませんのでご注意下さい。
午前9時の拝観待ち行列の状態です。
奥の拝観受付まで約20m程の長さになっていますが、拝観受付開始後約10分で入ることができました。
受付後、中門を通りまず目に入るのは放生池の紅葉の美しさです。
「夢庵」という庵から放生池を一望できるのでおすすめの撮影スポットです。
秋季特別拝観期間中は夢庵は見学の待ち行列ができるのですが、朝一で入っているので待つことなく絶景を楽しむことができます。
特別寺宝展は貴重な重要文化財多数展示
放生池の紅葉を楽しんだ後、大玄関で受付を済まし、特別寺宝展を見学します。
御朱印はこちらで頂けますよ♪
寺宝展では、重要文化財に指定されている「絹本金彩阿弥陀二十五菩薩来迎図」「紙本淡彩釈迦三尊像」「當麻曼荼羅縁起」等の貴重な文化財を見ることが出来ます。
9時10分頃ですが、人もそれほどおらずすぐに入ることが可能です。
こちらは大玄関の9時50分の景色です。
かなり人も増え、拝観受付や拝観が大変混雑しているのがわかります。
天皇の勅使が出入りする為に使用された「唐門」です。
釈迦堂と唐門の間には盛り砂があり、勅使はこの盛り砂を踏んで身を清めました。
永観律師ゆかりの「悲田梅」
唐門の近くには「悲田梅(ひでんばい)」があります。
永観律師が貧しい病人に梅を施したと伝わる梅の木で今も実をつけるそうです。
悲田梅の近くには美しい石庭もありますよ♪