水天宮(久留米)参拝ガイド|安産祈願・水難除け・御朱印・歴史散策【福岡県久留米市】

参拝日:2026年3月10日
安産祈願で知られる水天宮。その全国水天宮の総本宮が福岡県久留米市にあることをご存じでしょうか。
創建は建久初年(1190年頃)と伝えられ、平家ゆかりの按察使局伊勢が安徳天皇らの御霊を慰めるために祀ったことが始まりとされています。現在は安産祈願・子授け・水難除けの神として広く信仰を集め、福岡・久留米を代表する神社として全国から多くの参拝者が訪れます。
本記事では、初めての参拝でも分かりやすいように歴史的背景や文化的見どころを丁寧に解説します。境内の参拝所要時間は約30〜50分ほどで、安産祈願などのご祈祷を受ける場合は、さらに30分〜1時間ほど見ておくと安心です。
この記事で分かること
- 水天宮の創建伝承と平家ゆかりの歴史
- 拝殿・本殿の建築様式と境内文化財
- 真木神社・千代松神社など境内社の見どころ
- 御朱印情報
- アクセス・駐車場・参拝所要時間
水天宮(久留米)とは?|歴史と由緒
水天宮は、壇ノ浦の戦いで入水した安徳天皇をはじめとする平家一門の御霊を慰めるために創建されたと伝わる神社です。創建に関わったとされる按察使局伊勢は、安徳天皇の母・高倉平中宮に仕えた侍女です。筑後川のほとりに御霊を祀ったことが始まりと伝えられています。主祭神は天之御中主神、安徳天皇、高倉平中宮、二位の尼で、水徳・生命誕生・母子守護の神徳が重ねられています。
江戸時代には久留米藩主・有馬氏の篤い崇敬を受け、慶安3年(1650年)に現在の社殿が整えられました。筑後川という大河の水運とともに発展したこの地において、水神信仰と平家慰霊の思想が融合し、独自の信仰圏を形成してきた点が水天宮の大きな特徴です。
全国に鎮座する水天宮の本社として、格式高い総本宮の地位を保持し、江戸の水天宮(日本橋)をはじめ各地へ御分霊が勧請されました。久留米の地はその源流にあたります。こうした歴史を今に伝える水天宮(久留米)は、全国水天宮信仰の原点といえる存在です。
水天宮総本宮と東京・日本橋水天宮の違い
水天宮の総本宮は、ここ福岡県久留米市に鎮座する社です。創建は建久初年(1190年頃)と伝わり、平家一門の慰霊を起源としています。
一方、東京・日本橋に鎮座する水天宮は、久留米から御分霊を勧請して創建された神社です。江戸時代、久留米藩主・有馬家の江戸屋敷内に祀られたのが始まりとされ、後に現在の地へ遷座しました。
久留米が信仰の源流である総本宮であるのに対し、日本橋は江戸で信仰を広めた分霊社にあたります。
御祭神は共通していますが、久留米は筑後川のほとりに広がる落ち着いた社地で、創建の歴史を今に伝える雰囲気が色濃く残ります。対して日本橋は都市型神社として全国的に知られ、安産祈願の名社として多くの参拝者を集めています。
ご利益とパワースポット
水天宮は水神信仰を基盤とし、母子守護の神徳が重ねられたことから、次のようなご利益で知られています。
- 安産祈願・子授け
- 水難除け・交通安全
- 家内安全・子どもの健やかな成長
安産祈願の祈祷案内
水天宮は安産祈願で特に知られる神社で、戌の日には多くの参拝者が訪れます。妊娠五か月目の戌の日に腹帯を巻いて参拝する風習は、犬が多産でありながら安産であることにちなむものです。
祈祷の流れ
- 授与所・受付にて申込
- 初穂料を納める
- 拝殿にてご祈祷(所要約15~20分)
祝詞が奏上され、母子の健康と無事出産が祈願されます。
初穂料の目安
安産祈願の初穂料は一般的に5,000円〜10,000円程度が目安とされています(最新の受付時間や初穂料は変更される場合がありますので、参拝前に公式サイトをご確認ください)。
戌の日の混雑について
戌の日は午前中を中心に混雑する傾向があります。時間に余裕を持った参拝がおすすめです。平日は比較的落ち着いており、静かな環境で祈祷を受けることができます。予約の有無や受付時間は変更される場合がありますので、事前に公式案内を確認しておくと安心です。
参拝ルート順に見どころ紹介
① 一の鳥居と参道|筑後川のほとりに立つ荘厳な入口

筑後川に近い位置に建つ石造の一の鳥居は、水天宮参拝の起点です。久留米藩の格式を今に伝える堂々たる構えで、駅から徒歩圏内という利便性も魅力です。鳥居をくぐると、緑豊かな参道が続き、心字池や神橋が現れます。水面に映る社殿の景色は、水神信仰の象徴ともいえる情景です。平家の家紋である揚羽蝶や椿を思わせる意匠も随所に見られ、歴史を感じながら歩を進めることができます。
② 真木神社と銅像|幕末を駆け抜けた宮司の精神

参道中央に鎮座する真木神社は、第22代宮司・真木和泉守を祀る社です。尊皇攘夷思想を掲げ、明治維新前夜に志半ばで命を落とした人物として知られます。

境内には銅像が建ち、その凛とした姿は訪れる人に強い印象を与えます。隣には藩政改革の拠点となった「山梔窩」の復元家屋もあり、神社でありながら近代史の一端に触れられる貴重な空間となっています。
③ 水天宮本殿・拝殿|有馬氏が整えた江戸期社殿

神橋を渡った先に建つ拝殿は唐破風を備えた入母屋造で、荘厳な佇まいが印象的です。本殿は神明造の様式を基調とし、江戸初期の社殿建築の特徴を伝えています。慶安3年(1650年)に有馬忠頼公が寄進したとされ、藩主の庇護のもとで信仰が広がった歴史がうかがえます。安産祈願のご家族連れが多く、祈祷の時間には祝詞が境内に響き渡ります。厳かな祝詞が響くひとときは、家族の新たな門出を実感させてくれる時間でもあります。
④ 千代松神社|創建者を祀る静かな社

本殿右奥に鎮座する千代松神社は、創建者と伝わる按察使局伊勢命を祀ります。墓所に松が生えた伝承にちなみ、この名が付けられました。専用の手水舎を備えた小さな社ですが、水天宮の原点にあたる重要な存在です。
⑤ 秋葉神社|大国主神の御子を祀る静かな境内社

千代松神社の隣には秋葉神社が祀られています。御祭神は大国主神の御子で、御母を多紀理毘売命とする農耕・文芸の神、阿遅鉏高日子根命です。火伏せ神として知られる秋葉信仰とは異なり、農耕や文芸を司る神を祀る点が、水天宮独自の特徴といえます。
⑥ 水神社|肥前狛犬が守る水徳の社

本殿裏手に鎮座する水神社は、水徳を司る彌都波能売神と安産神を祀ります。ここには安土桃山期と伝わる肥前狛犬が残され、素朴ながら力強い造形が特徴です。河童伝説とも結びつく水神信仰の源流を感じられる場所であり、水難除けを願う参拝者が静かに手を合わせています。
御朱印情報
御朱印は拝殿横の授与所でいただけます。初穂料は500円程度です。総本宮らしい端正な墨書が特徴で、本殿の御朱印に加え、真木神社の御朱印も授与されています。安産祈願で参拝された方が記念に受けられることも多く、全国水天宮の本社の御朱印として人気があります。
参拝の所要時間
目安:30〜50分(祈祷を受ける場合は+30分程度)
アクセス・駐車場
- 住所:福岡県久留米市瀬下町265-1
- 最寄駅:JR久留米駅 徒歩約10分
- 駐車場:あり(無料)
まとめ|水天宮は命と水を見守る総本宮
水天宮(久留米)は、全国水天宮の総本宮として、安産祈願や水難除けで広く信仰を集める神社です。久留米の地に息づく平家ゆかりの歴史と筑後川の水神信仰が融合した境内には、江戸期の社殿や幕末の志士を祀る真木神社、創建者を祀る千代松神社など、多層的な歴史的見どころがあります。静かな水辺で手を合わせれば、時代を超えて受け継がれてきた祈りの重みを実感できます。御朱印も人気の久留米水天宮で、安産祈願や水難除けの祈りを体験しながら、歴史散策も楽しんでみてください。
