千栗八幡宮参拝ガイド|肥前国一宮の歴史・ご利益・御朱印・アクセス完全解説【佐賀県みやき町】

千栗八幡宮参拝ガイド|ご利益・見どころ・御朱印・アクセス完全解説【佐賀県三養基郡みやき町】

千栗八幡宮 拝殿全景

参拝日:2025年3月6日

千栗八幡宮ちくりはちまんぐうは、佐賀県三養基郡みやき町に鎮座する肥前国一宮として名高い古社です。神亀元年(724年)に養父郡司・壬生春成が八幡神の神託を受け創建され、応神天皇・仲哀天皇・神功皇后を主祭神として祀ります。中世以降は肥前国の総鎮守としての役割を果たし、江戸期には鍋島直茂による石鳥居寄進など藩主の支援を受けて現在に至ります。国家守護や武運長久、日常生活の安全などのご利益で知られ、多くの参拝者が訪れる神社です。
初めて参拝される方でも安心して巡れるルートを、所要時間の目安と共に詳しく紹介します。筑後川を見下ろす石段の先に、1300年続く祈りの社があります。

この記事で分かること

  • 千栗八幡宮の歴史・由緒
  • 本殿・拝殿、石鳥居、狛犬など文化財の見どころ
  • 境内の摂末社や信仰の意味
  • 御朱印情報
  • アクセス・駐車場・参拝所要時間

千栗八幡宮とは?|歴史と由緒

千栗八幡宮は、肥前・筑後の国境に位置し、古来より軍事・国家守護の要衝として八幡信仰の中心地でした。神亀元年(724年)、養父郡司の壬生春成が八幡神の神託を受けて創建し、以降、応神天皇・仲哀天皇・神功皇后を祀る神社として地域の崇敬を集めます。平安後期には肥前国一宮として一宮論争を勝ち抜き、慶長14年(1609年)には後陽成天皇から「肥前国総廟一宮鎮守千栗八幡大菩薩」の勅額を賜りました。

境内の西側には千栗城跡が広がり、戦国期の防衛拠点としての歴史を物語ります。また、狛馬や狛犬が武神性を象徴しており、八幡神の守護力を感じさせる景観が広がります。中世から江戸期にかけて藩主の支援を受けて整備された社殿や石鳥居は、歴史的価値と地域文化の深いつながりを示す文化財です。

ご利益

  • 武運長久・国家守護
  • 交通安全・家内安全
  • 厄除け・健康長寿

参拝ルート順に見どころ紹介

一の鳥居|慶長14年建立の肥前鳥居

千栗八幡宮 一の鳥居(慶長14年建立)

慶長14年(1609年)、鍋島直茂が奉納した鳥居で、三本継ぎの笠木・島木・柱貫を用い、台輪や生け込みなど肥前鳥居特有の意匠を備えています。県内に残る石造肥前鳥居の中でも古い部類に入り、江戸期を通じて鍋島家の崇敬を受けました。

本坂石段|約146段の急勾配参道

千栗八幡宮 本坂石段(栄光への石段)

本殿へ続く約146段の石段は急勾配で知られ、地元出身の五輪金メダリストが少年時代に鍛えた場所でもあります。「栄光への石段」の碑が立ち、筑後川を望みながら登る参拝路として親しまれています。実際に石段を登ると想像以上の急勾配で、息が上がるほどでした。

肥前狛犬二基|町指定有形文化財の名品

石段を上りきった拝殿前には、印象的な二基の狛犬が参拝者を迎えます。かつて境内には、みやき町指定有形文化財に登録されている石造狛犬一対が据えられていましたが、現在は保存のため拝殿内へ移されています。砂岩製で、阿像約57cm、吽像約50cmと比較的大ぶりながら保存状態は良好で、台座を設けず地面に直接据える構造や簡潔な造形など、肥前狛犬草創期の特色をよく伝えています。銘文の内容からは安土桃山時代の制作と考えられ、地域の石造文化を知るうえでも貴重な存在です。

拝殿・本殿|入母屋造の伝統社殿

千栗八幡宮 拝殿

拝殿内には肥前狛犬が安置され、神事の際にはお祓いや神饌の奉納が執り行われます。現在も「お粥だめし」や「放生会」などの主要な祭礼の舞台となっており、社の信仰を支える中心的な空間となっています。

千栗八幡宮 本殿

本殿には、応神天皇・仲哀天皇・神功皇后が祀られています。入母屋造の木造建築で、約21.5坪(約71㎡)の規模を有し、隣には御饌殿が配されています。本殿左側には御神木がそびえ、社殿を見守るように荘厳な雰囲気を漂わせています。

創建は神亀元年(724年)と伝えられ、その後は戦乱による焼失と再建を繰り返してきました。天正11年(1583年)には龍造寺政家が再興し、さらに鍋島氏の支援も受けたとされます。現在の社殿は建立年こそ明らかではありませんが、重厚な佇まいに往時の格式を今に伝えています。

のこぎり型町並みと千栗城跡|戦国期の防衛遺構

千栗城跡 のこぎり型町並み

本殿横から西を見ると、千栗城跡の「のこぎり型町並み」が見えます。戦国期に築かれたジグザグの街並みは侵入防止策として機能しており、石垣跡や狛犬の姿と重ねることで、地域の軍事・信仰の歴史を肌で感じられます。参拝の合間に散策することで、城郭文化と八幡信仰の融合を実感できます。

御朱印情報|肥前一宮の格式を感じる一枚

千栗八幡宮の御朱印は、肥前一宮の格式を感じさせる意匠が特徴で、社務所(9:00〜17:00)で授与されています(初穂料500円)。

半紙に社名が墨書され、「肥前一宮」や社紋、「千栗山」の印が押される端正な構成で、地には勝栗文様、白鳩のモチーフが配されるなど、神社の伝承を表したデザインとなっています。墨書は丁寧で力強く、格式ある一宮の印象を感じさせます。

参拝の所要時間

  • 境内をゆっくり巡る場合:約30〜50分

アクセス・駐車場

  • 住所:佐賀県三養基郡みやき町大字白壁
  • 最寄駅:JR基山駅から車で約15分
  • 駐車場:一の鳥居前および社殿付近にあり(無料)

まとめ|石段の先に息づく千栗八幡宮の歴史

千栗八幡宮は、肥前国一宮としての格式を今に伝える古社です。創建以来およそ1300年、戦国の動乱や藩主の庇護を経ながら、地域の信仰の中心であり続けてきました。

急な石段を上り、石鳥居や肥前狛犬、拝殿・本殿へと歩みを進める時間は、単なる観光ではなく、歴史の積み重なりを体感するひとときです。城跡や町並みに残る戦国の面影もあわせて巡れば、この地が担ってきた軍事・信仰両面の役割がより立体的に見えてきます。

御朱印を受け、静かな境内で手を合わせることで、古代から続く祈りの流れに自らも加わる感覚を味わえるでしょう。歴史、建築、信仰が調和する千栗八幡宮は、佐賀を代表する名社として、じっくりと訪れたい一社です。