長門國一宮住吉神社参拝ガイド|国宝本殿とご利益を徹底解説【山口県下関市】

参拝日:2023年11月24日
長門國一宮住吉神社は、山口県下関市に鎮座する長門国一宮であり、日本三大住吉の一つに数えられる由緒正しい古社です。創建は神功皇后の時代にさかのぼると伝わり、海上守護の神として古くから篤い信仰を集めてきました。現在も航海安全や交通安全、厄除け開運などのご利益で知られ、地元の方はもちろん、全国から参拝者が訪れます。初めての方でも迷わず巡れるよう、歴史的背景と文化財の見どころを交えながら分かりやすく解説いたします。
この記事で分かること
- 長門國一宮住吉神社の歴史と由緒
- 国宝本殿をはじめとする建築文化財の見どころ
- 境内に鎮座する摂社・末社の信仰背景
- 御朱印情報
- アクセス・駐車場・参拝所要時間
長門國一宮住吉神社とは?|歴史と由緒
長門國一宮住吉神社の創建は、神功皇后が三韓征伐の帰途に戦勝を感謝して創祀したことに始まると伝えられています。『日本書紀』にもその伝承が見られ、古代から国家的祭祀に関わる重要な神社であったことがうかがえます。平安時代に編纂された延喜式神名帳には名神大社として記載され、朝廷からも特別な扱いを受けていました。
住吉信仰の中心といえば大阪の住吉大社が広く知られていますが、こちらの住吉神社は荒魂を祀る点が大きな特徴です。荒魂とは、神の力強く躍動的な側面を表す御霊で、特に航海や外洋を守護する神格としての性格を色濃く持っています。古代より瀬戸内海から日本海へと続く海上交通の要衝であった長門国において、その存在は極めて重要でした。
中世に入ると、室町時代の守護大名であった大内氏の庇護を受け、応安3年(1370年)には大内弘世によって本殿が造営されます。さらに戦国時代には毛利氏からも厚い崇敬を受け、地域の精神的支柱としての地位を確立しました。こうした歴史的背景が、現在に伝わる壮麗な社殿群を形づくっています。
ご利益とパワースポット
- 航海安全・海上守護
- 交通安全・旅行安全
- 厄除開運・勝運向上
住吉三神は古来より海を司る神として信仰されてきました。そのため、現代においても航海関係者だけでなく、ドライバーや旅行者など移動に関わるすべての人々から篤い信仰を集めています。また、荒魂を祀ることから、困難を切り開く力や勝運向上のご利益もあるとされています。
境内の中でも特に神秘的な雰囲気を放っているのが、武内宿禰命ゆかりと伝わる大楠です。長い年月を経てなお力強く枝葉を広げるその姿は、生命力と再生の象徴ともいえます。訪れた際にはぜひ静かに手を合わせ、その空気を感じてみてください。
参拝ルート順に見どころ紹介
① 神橋|参道の象徴となる赤橋

駐車場を出て鳥居をくぐると、正面に鮮やかな朱色の神橋が現れます。この橋は、かつて広がっていた神池の面影を今に伝えるもので、聖域への入り口を示す存在です。ゆるやかに反り上がる橋を一歩ずつ進むうちに、普段の空気から離れ、神聖な空間へと気持ちが整っていくのを感じられます。
② 楼門と拝殿|荘厳な朱塗り建築

石段を上ると、朱塗りの楼門が現れます。明治期に再建された入母屋造の門で、天井には十二支の方位盤が掲げられています。楼門をくぐった瞬間、空気が一段と引き締まるように感じられます。

その先に建つ拝殿は天文8年(1539年)に毛利元就が寄進したもので、国の重要文化財に指定されています。檜皮葺の屋根が美しく、室町期の建築様式を今に伝えています。参拝の際は、まずこちらで心を込めて拝礼しましょう。
③ 国宝本殿|九間社流造の傑作

拝殿の奥に鎮座する本殿は、室町時代初期の姿を今に伝える貴重な建造物で、昭和28年(1953年)に国宝に指定されました。応安3年(1370年)、大内弘世によって造営されたと伝えられています。
形式は全国的にも珍しい九間社流造で、一間社五棟を横に並べ、相の間でつないだ横長の構造が特徴です。全長は約23メートルに及び、檜皮葺きの屋根に連なる千鳥破風が優美な印象を与えます。
中央には住吉三神を祀り、神功皇后や建御名方命もあわせて祀られています。大内氏の庇護のもと建立されたこの社殿は、室町初期の木造建築技術をよく残す、歴史的価値の高い建築です。
④ 末社群と厳島社|古層信仰の面影

本殿に向かって右手には、伊勢神宮をはじめとする諸社の御分霊を祀る七社が並び、その周囲に蛭子社、若宮社、田尻社、高元社が鎮座しています。海上安全を祈る社、健康や人生の指針を願う社、学業成就を祈る社、さらには病気平癒や縁結びを願う社と、それぞれに異なるご神徳があり、多様な願いに応える信仰の空間が広がっています。

神橋のそばに広がる池の小島には厳島社が鎮座し、市杵島姫命をお祀りしています。水に囲まれた社殿はどこか幻想的で、境内の景観に静かな奥行きを与えています。市杵島姫命は芸事上達や財運向上、縁結びの神として信仰されており、水辺の清らかな気配の中で手を合わせると、心が穏やかに整っていくのを感じられます。
⑤ 大楠と宝物殿|歴史を体感する空間

境内の奥には、武内宿禰命ゆかりと伝えられる大楠が堂々と立っています。武内宿禰命は『古事記』や『日本書紀』に名が見える伝説上の忠臣で、五代の天皇に仕えたとされる人物です。長門國一宮住吉神社では国宝本殿の第三殿に祀られています。
武内宿禰命がお手植えしたと伝わるこの楠は、しめ縄と小鳥居に守られ、神聖な空気をまとっています。幹には大きな空洞が生じているものの、枝葉は今も青々と茂り、そのたくましい姿は訪れる人の心を打ちます。尽きることのない生命力から、長寿や健康を願う象徴として多くの参拝者に敬われています。

宝物殿は、昭和27年(1952年)に開設された文化財展示施設で、境内の一角にあります。開館時間は9時から16時まで、入館料は大人300円・小人150円です(祭礼期間や年末年始は休館)。
館内には約1,000点の資料が収められ、重要文化財の新羅時代の銅鐘(高さ約147センチ)をはじめ、室町時代の金銅牡丹唐草透唐鞍、法楽百首和歌短冊、後陽成天皇の宸翰などが展示されています。宝物殿を訪れることで、住吉信仰の歴史と神社の格式をより深く知ることができます。
御朱印情報

御朱印は授与所でいただけます。初穂料は500円です。春・夏・秋・冬に特別御朱印が頒布されており、初穂料は1,000円です。
参拝の所要時間
境内のみ:約30分~60分
宝物殿を見学する場合:約60〜90分
宝物殿を見学する場合は、さらに時間に余裕を持つことをおすすめします。
アクセス・駐車場
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- 住所:山口県下関市一の宮住吉1丁目11-1
- 最寄駅:JR新下関駅 徒歩約15分
- 駐車場:あり(無料)
まとめ|長門國一宮住吉神社は海と歴史を結ぶ祈りの聖地
長門國一宮住吉神社は、古代から続く海上守護の信仰と、中世武家社会の崇敬を受けて発展してきた格式高い神社です。国宝本殿をはじめとする建築群は、日本建築史を語るうえでも貴重な存在であり、境内を歩くだけで歴史の重みを感じられます。歴史と文化財、そして神聖な空気を同時に味わえるこの神社を、ぜひ実際に訪れて体感してみてください。下関観光の際にはぜひ立ち寄りたい名社です。

