【山形県遊佐町】鳥海山大物忌神社 吹浦口之宮|境内を歩いて参拝する日本海側の古社
鳥海山大物忌神社 吹浦口之宮 概要
- 鎮座地:山形県飽海郡遊佐町吹浦布倉
- 御祭神:大物忌大神(鳥海山の神)
- 創建:欽明天皇25年(564年)と伝わる
- 歴史:平安時代の延喜式神名帳に記載される式内社
- 構成:山頂本社・吹浦口之宮・蕨岡口之宮
吹浦口之宮とは|鳥海山信仰の「入口」にあたる社
吹浦口之宮は、日本海に面した吹浦地区に鎮座する里宮で、
古くから「鳥海山へ向かうための入口(口之宮)」として機能してきました。
山に登る前にここで身を清め、祈りを捧げてから鳥海山へ向かう形式は、古代の山岳信仰の姿を今に伝えるものです。
海と山の信仰が交差する点が、この神社の大きな特徴といえます。
境内を歩く|参拝の流れに沿って見どころを紹介
一の鳥居

鳥海山大物忌神社 吹浦口之宮の入口には、木造の明神鳥居が建ち、その手前に「国幣中社 大物忌神社」と刻まれた社号標が立てられています。
この社号標は、明治4年(1871年)5月に鳥海山大物忌神社が国幣中社に列せられたことを今に伝えるものです。
参道へ進む前に、かつて国の崇敬を受けた由緒ある神社であることを感じます。
二の鳥居と参道

二の鳥居は、木造の両部鳥居です。
これをくぐると、視界が少し開けた空間に出ます。
鳥居を抜けて左手には参拝者用の無料駐車場、右手には手水舎が配置され、
右前方には社務所と下拝殿が静かに佇んでいます。
境内全体は落ち着いた空気に包まれており、
ここから先が神域であることを、自然と意識させられる場所です。
下拝殿

二の鳥居を抜け、参道をまっすぐ進むと、前方におよそ100段の石段が現れます。

その右手に建つ大きな社殿が下拝殿です。下拝殿は、桁行七間(約16.8m)・梁間五間(約9.4m)という規模を持ち、里宮の拝殿としてはひときわ存在感のある、堂々とした建物です。
三の鳥居と拝殿

石段を上りきると、三の鳥居が立ち、その先に拝殿が姿を現します。
拝殿は質素ながらも端正な造りで、長く地域の信仰を支えてきた歴史が感じられます。
華美な装飾はなく、静かな境内の中で、
自然と向き合いながら落ち着いて手を合わせるのにふさわしい空間です。
この拝殿の奥には、本殿が鎮座しています。
本殿

拝殿の奥には、二棟の本殿が並んで鎮座しています。
写真手前(西側)が摂社・月山神社本殿、奥(東側)が鳥海山大物忌神社 吹浦口之宮本殿です。
いずれの本殿も国登録有形文化財に指定されています。現在の社殿は、宝永3年(1706年)正月の火災で焼失した後、宝永8年(1711年)に庄内藩主・酒井家によって再建されたものと伝えられています。
本殿の後ろの斜面には石段が残されており、鳥海山詣りの際にはこの石段を使って山へ向かったと伝わります。
並び立つ二棟の本殿からは、江戸時代以降もこの地の信仰が大切に守り続けられてきたことが感じられます。
境内末社

そのほか、境内には末社・雷電神社、末社・風神社、白山姫神社など、複数の末社が祀られています。これらからは、地域の人々の生活や篤い信仰が今もなお受け継がれていることが感じられます。
アクセス方法
| 手段 | アクセス内容 |
|---|---|
| 電車 | JR羽越本線「吹浦駅」から徒歩約20分 |
| 車 | 日本海東北自動車道「遊佐比子IC」から約15分 |
駐車場情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 駐車場 | あり(無料) |
| 台数 | 普通車 数台分 |
| 場所 | 境内入口付近(写真参照) |
| 注意点 | 冬季は積雪・凍結に注意 |

駐車場は無料で、二の鳥居横の通路から境内に入って駐車できます。平日の午後に参拝した際には、駐車場は空いていました。
まとめ|境内を歩いて感じる鳥海山信仰
鳥海山大物忌神社 吹浦口之宮は、山頂の神を里から敬う古い信仰のかたちを今に伝える神社です。参道を歩き、下拝殿や拝殿、本殿、さらには摂社や末社に目を向けることで、この地に根付いてきた鳥海山信仰の流れを自然と感じ取ることができます。
境内は静かで落ち着いた雰囲気に包まれており、歴史ある建物や石段を歩くたびに、古来より続く地域の信仰と人々の暮らしが伝わってきます。ゆっくりと神域を巡りながら心を整えたい方にも、ぜひ訪れてほしい場所です。
