【東京都新宿区】西向き社殿が名前の由来となった西向天神社(東大久保富士)!見どころや御朱印、アクセス・駐車場をご紹介

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2023年7月27日(木)に東京都新宿区新宿にある西向き社殿が名前の由来となった西向天神社にしむきてんじんしゃに行ってきました。

西向天神社創建は鎌倉時代の安貞2年(1229年)、明恵上人が北野天満宮から勧請してお祀りしたのが始まりと伝わります。

戦国時代の天正年間(1573年~1593年)に兵火によって社殿を焼失し、村民によって祠が建てられ維持されました。

寛永年間(1624年~1645年)、鷹狩で訪れた徳川3代将軍・徳川家光公が荒廃していた西向天神社を見て黄金のなつめを下し再興を促したと伝わります。その後、道晃法親王どうこうほっしんのうの命により僧侶・元信によって社殿等が再建されました。天保13年(1842年)には富士塚が造られました。

古くは地名から「大窪天満宮おおくぼてんまんぐう」と呼ばれ、徳川家光公の逸話から「棗天神なつめてんじん」、社殿が西向きに建っていることから「西向天神」と称されました。

御祭神主祭神菅原道真公で、稲荷大神・秋葉大神・厳島大神もお祀りされています。

今回、実際に西向天神社に参拝してきましたので見どころや御朱印、ご利益、アクセス・駐車場をわかりやすくご紹介したいと思います。

西向天神社へのアクセス・駐車場

交通機関を利用

◎東京メトロ副都心線・都営地下鉄大江戸線「東新宿駅」下車、西向天神社まで350m、徒歩で約5分

自動車を利用

◎カーナビに西向天神社の電話番号「03-3351-5875」を入力、またはカーナビに西向天神社の住所「東京都新宿区新宿6-21-1」を入力し検索

駐車場

西向天神社に駐車場はありません、近隣のパーキングを利用します。

西向天神社の参拝と見どころ

一の鳥居と狛犬

東新宿駅から徒歩約5分歩くと西向天神社の入口が見えてきます。神社名の通り、西向きの参道石段を上った先に社殿があります。一の鳥居は神明鳥居で「西向天神社」の社号碑が立っています。御神灯には御祭神が菅原道真公ですので梅鉢紋がデザインされています。
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石段の途中には弘化3年(1846年)に奉納された阿吽狛犬があります。阿形が子持ち、吽形が玉持ちとなっています。

二の鳥居と狛犬

石段を上ると明神鳥居の二の鳥居があります。鳥居を潜り左に手水舎がありますのでしっかりと心身を清めて参拝へ進みます。
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社殿の前には宝暦12年(1762年)に奉納された阿吽狛犬が社殿を悪い気から守っています。

拝殿・本殿・御祭神・ご利益

拝殿は昭和20年(1945年)の戦災で焼失し、木造で再建されました。社殿の周りには樹木が生い茂り静寂で新宿であることを忘れます。
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社殿は社号「西向天神社」の通り西向きに建ち、拝殿は戦災で焼失しましたが本殿は焼失を免れて現存しています。御祭神主祭神に学問の神様である菅原道真公がお祀りされ、学業成就・合格祈願のご利益で信仰を集めています。社殿の左は紅葉林として整備され、秋になると社殿を赤に彩ります。
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藤圭子の歌碑・不動明王の石像

紅葉林の近くには「藤圭子の歌碑」があり、デビュー曲『新宿の女』の歌詞が刻まれています。その近くには神仏習合を残す苔むした不動明王の石像が大切に保護されてました。

大聖院

社殿の左奥へ進むと別当時の「大聖院だいしょういん」があります。大聖院に伝来する「大聖院文書」(新宿区登録有形文化財)には宝暦元年(1751年)から明治4年(1871年)にかけて記録された資料が2巻5冊1葉で残っています。
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太田道灌の「山吹の里伝説」に登場する少女「紅皿」の墓

大聖院から更に左に進むと太田道灌の「山吹の里伝説」に登場する少女「紅皿べにざら」のお墓があります。お墓には、15世紀後半と推測される板碑(1枚)、「宇田かん弥」と刻まれた燈籠(2基)、芝居役者の名が書かれた水鉢(1基)と花立(2基)が残っています。

「山吹の里伝説」とは
伝説によると道灌が高田の里へ鷹狩へ行ったところにわか雨に降られ、近くの農家に雨具(みの)を借りに行きました。すると一人の少女・紅皿が出てきて一枝の山吹を差し出し「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞ悲しき」(後拾遺和歌集ごしゅういわかしゅう兼明親王かねあきらしんのう)と伝えました。道灌は怒って帰りましたが家臣から「山吹」の意を告げられ「蓑」が「実の」にかかり「お貸し出来る雨具がございません」と詫びていたことを知ります。その後、道灌は和歌の道に精進するようになり紅皿を城に招いて歌の友としました。道灌の死後、紅皿は尼となり大久保の地に庵を建て、死後その場所に葬られました。

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社務所

社殿右には社務所があり御朱印やお守りが頒布されています。
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社務所から右を見た景色です。
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神楽殿

社務所から少し右に進んだところにある神楽殿は昭和20年(1945年)の戦災の焼失を免れた貴重な建造物です。周囲には古い石碑があります。
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富士塚(東大久保富士)

神楽殿近くにある富士塚は天保13年(1842年)に築造されたもので、かつては「東大久保富士」と呼ばれました。明治時代に一時撤去され、大正14年(1925年)に再建され現在に至ります。現在はフェンスで囲まれており登頂することができませんが、周囲から立派な造りを見学することが可能です。
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神輿庫

更に奥に進むと立派な神輿庫があります。
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かつての社殿を流用しており、精緻な龍や木鼻には獅子の彫刻が見られます。
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御朱印

御朱印は境内の社務所で頂くことが可能で、厳嶋神社(抜弁天)の御朱印もこちらで頂くことができます。

おわりに

西向天神社所要時間ですが、ゆっくり参拝した場合で約30分でした。東新宿駅近くに鎮座し、周囲は高層ビルに囲まれていますが緑豊かで心落ち着く静寂な境内でした。参拝中、サラリーマンや地元の方と思われる参拝者が途切れることなく訪れており、地域で篤い信仰と崇敬を集めていると感じました。境内には江戸時代に造られた狛犬2対、「東大久保富士」と呼ばれる富士塚、太田道灌の「山吹の里伝説」に登場する「紅皿」のお墓が残っています。本殿や神楽殿は戦災の焼失を免れた貴重な建造物です。見どころいっぱいの西向天神社に是非一度参拝してみてはいかがでしょうか。

西向天神社(にしむきてんじんしゃ)
住所 東京都新宿区新宿6-21-1
電話番号 03-3351-5875
営業時間 終日可能
定休日 年中無休
拝観料 無料
アクセス ■交通機関を利用
◎東京メトロ副都心線・都営地下鉄大江戸線「東新宿駅」下車、西向天神社まで350m、徒歩で約5分
■自動車を利用
◎カーナビに西向天神社の電話番号「03-3351-5875」を入力、またはカーナビに西向天神社の住所「東京都新宿区新宿6-21-1」を入力し検索
駐車場 駐車場なし、近隣のパーキングを利用

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