城野松尾神社を徹底解説|酒造守護の古社・本殿拝殿・境内社・御朱印・アクセス【熊本県山鹿市】

城野松尾神社を徹底解説|酒造守護の古社・本殿拝殿・境内社・御朱印・アクセス【熊本県山鹿市】

城野松尾神社 境内全景

参拝日:2023年11月26日

城野松尾神社きのまつおじんじゃは、熊本県山鹿市城野に鎮座する古社で、酒造りと五穀豊穣を守護する神として信仰を集めてきました。大同2年(807年)、京都・松尾大社の御祭神を勧請したことに始まると伝えられ、地域では「小さな松尾大社」とも称される存在です。現在も地元の人々に大切に守られ、25年ごとの式年遷宮祭をはじめ、伝統行事が受け継がれています。初めて訪れる方にも分かりやすいよう、歴史背景から見どころまで詳しくご紹介します。

この記事で分かること

  • 城野松尾神社の歴史と戦国期の変遷
  • 本殿・拝殿など社殿の建立年代と建築様式
  • 4つの境内社の特徴と信仰
  • 御朱印情報
  • アクセス・駐車場・参拝所要時間

城野松尾神社とは?|歴史と由緒

創建は大同2年(807年)。第52代・平城天皇の御代に、京都市西京区に鎮座する松尾大社から大山咋神おおやまくいのかみを勧請し、岩熊山(輿掛松)に祀ったのが始まりと伝わります。配祀神は胸形中津大神むなかたなかつのおおかみ(市杵島姫命)です。大山咋神は古来より酒神としても篤く信仰されてきました。

中世には大友氏から社領の寄進を受け隆盛しましたが、天正16年(1588年)の肥後国衆一揆で社殿は破壊され、神体は山中へ避難しました。のちに加藤清正の入国後、還座が叶います。江戸時代には細川氏の庇護を受け、寛永14年(1637年)に再興し、元禄5年(1692年)には拝殿・幣殿・玉垣が新築されました。

社殿は寛政14年(1802年)造営と伝わり、現在の社殿は大正10年(1921年)に改築され、屋根は銅板葺へと改められています。

文化財指定こそありませんが、地域史を語るうえで欠かせない存在です。

ご利益とパワースポット

  • 酒造守護・醸造繁栄
  • 五穀豊穣・農業守護
  • 商売繁盛・家内安全

特に酒造守護の信仰は厚く、地元の酒造家からの奉納灯籠が今も境内に残されています。
城野松尾神社 御神木のクスノキ
境内中央に立つ樹齢700年超と伝わるクスノキは特に神聖視されるパワースポットです。昭和58年(1983年)には「ふるさと熊本の樹木」に登録され、神域の象徴となっています。

参拝ルート順に見どころ紹介

① 一の鳥居・参道|復興の象徴

城野松尾神社 一の鳥居と参道
一の鳥居は寛永14年(1637年)再興と伝わります。戦乱からの復興を象徴する存在で、石灯籠群とともに歴史の重みを感じさせます。

② 本殿・拝殿|江戸期再建の社殿

城野松尾神社 本殿と拝殿
現在の本殿は寛政14年(1802年)造営と伝わる一間社流造。向拝や組物装飾は控えめで、地方神社らしい堅実な造りが印象的です。拝殿・幣殿は元禄5年(1692年)に整備され、後に改修を重ね現在に至ります。

③ 境内社巡り|四社それぞれの信仰

境内には4つの末社があります。

  • 阿蘇神社:火伏せ・豊作祈願。
  • 八柱神社:八百万の神を祀り、厄除け・家内安全。
  • 事代主神殿:商売繁盛・福徳守護。
  • 若宮神社:子孫繁栄・家族守護。

本殿を中心に右回りで巡ると約10分ほどで参拝できます。

④ 石灯籠と力神像|江戸の奉納文化

城野松尾神社 石灯籠と力神像
境内には寛政4年(1792年)や文化2年(1805年)奉納の石灯籠が並び、いずれも酒造家による寄進と伝わります。また、石工・仁平作の力神像(二体)は江戸期の作とされ、地域の信仰と力仕事文化を今に伝えます。

御朱印情報

御朱印は社務所にて対応して頂けます(※常駐ではない場合あり)。初穂料は500円でした。

参拝の所要時間

境内をゆっくり巡る場合:約15〜25分

アクセス・駐車場

  • 住所:〒861-0533 熊本県山鹿市城野
  • 最寄駅:JR鹿児島本線「玉名駅」から車で約40分
  • 駐車場:境内付近に無料駐車スペースあり

まとめ|城野松尾神社は“肥後に息づく酒神信仰の古社”

城野松尾神社は、戦国の動乱を乗り越え、細川氏の庇護のもとで再興された歴史を持つ神社です。酒造守護の神としての信仰、江戸期の奉納灯籠や力神像、そして樹齢数百年の御神木が織りなす境内は、地域の歩みそのものを映し出しています。静かな境内に立てば、肥後の歴史と信仰の積み重ねを肌で感じることができるでしょう。山鹿を訪れた際には、ぜひ足を延ばしてほしい一社です。