2023年9月19日(火)に大阪府堺市堺区甲斐町東にある開口神社に行ってきました。
開口神社の創建は不詳ですが、社伝によると神功皇后が韓征征伐の帰路にこの地に塩土老翁神をお祀りしたのが起源と伝わります。
平安時代の延長5年(927年)に編纂された『延喜式神名帳』には「開口=あきくち」と記載され、それが訛って現在の「あぐち」となりました。
天平18年(746年)に行基によって境内に念仏寺が建立され、大同元年(806年)には空海が宝塔を立てたことから「大寺さん」の名前で親しまれています。その後、明治時代の神仏分離令により念仏寺は廃寺となりました。
昭和20年(1945年)の大阪大空襲によって社殿や三重塔など境内の建造物を焼失しますが、土佐光起筆の『大寺縁起絵巻』や『伏見天皇宸翰御歌集』、『短刀銘吉光』は焼失を免れ重要文化財に指定されています。
御祭神は「塩土老翁神」「素盞嗚神」「生国魂神」で、安産・開運・厄除のご利益で有名です。
今回、実際に開口神社に参拝してきましたので見どころや御朱印、ご利益、アクセス・無料駐車場をわかりやすくご紹介したいと思います。
開口神社へのアクセス・駐車場
交通機関を利用
◎阪堺電気軌道阪堺線「大小路駅」下車、開口神社まで350m、徒歩で約4分
◎南海本線「堺駅」下車、開口神社まで850m、徒歩で約13分
◎南海高野線「堺東駅」下車、開口神社まで1.2km、徒歩で約17分
自動車を利用
◎カーナビに開口神社の電話番号「072-221-0171」を入力、または開口神社の住所「大阪府堺市堺区甲斐町東2丁1-29」を入力し検索
駐車場
開口神社には普通自動車が約10台駐車可能な参拝者専用の無料駐車場があります。
開口神社の参拝と見どころ
西門から参拝開始
開口神社の入口は①西門②東門③北門④南門の4か所あります。今回は①西門から参拝しました。西門入口には明治35年(1902年)に府社に列したことから「府社開口神社」と書かれた社号碑があります。石造の明神鳥居には「開口神社」の扁額が掛かっています。
海会寺金龍井
西門の右にあるのは「海会寺金龍井」と呼ばれる井戸で、名称は海会寺と呼ばれる寺院がこの地にある頃に井戸が掘られたこと、干ばつの際に龍神が井戸を掘る場所を教えたことに由来しています。室町時代には「泉南第一の井戸」と記録に残り、江戸時代には「茶の湯」に適した名水といわれました。
江戸時代奉納の狛犬
鳥居を潜ると江戸時代の文久3年(1863年)に奉納された大きな阿吽狛犬が鎮座しています。阿形が子持ち、吽形は玉持ちで前足をあげた珍しい形状をしています。巻き毛の彫刻も精緻に施された見事な狛犬です。
手水舎
狛犬を過ぎると左に手水舎があります。昭和20年(1945年)の戦災でほとんど焼失しますが、唯一戦災を免れました。江戸時代の宝永7年(1710年)に奉納された水盤には錨型十字紋が施されています。建物も同時期に建立されたと推測され、木鼻・絵様肘木・花肘木が当時の建築様式を伝えます。
社殿・御祭神・ご利益
手水舎で心身を清め参道を左に曲がると社殿(拝殿・本殿)があります。昭和20年(1945年)の戦災で焼失し、現在の社殿は昭和36年(1961年)に再建されました。拝殿の前には狛犬が鎮座し、拝殿には大注連縄と御神灯が掛かっています。
御祭神には「塩土老翁神」「素盞嗚神」「生国魂神」がお祀りされ、安産・開運・厄除のご利益で知られています。本殿の周囲は樹木に包まれており、厳かで清々しい神域となっています。
東門
西門の参道を直進すると東門があります。東門の入口には昭和岡崎型の狛犬が鎮座し、その後方には昭和57年(1982年)に建立された朱塗りの明神鳥居が建っています。
豊竹稲荷神社
東門鳥居の近くには伏見稲荷大社を連想させる朱塗りの鳥居が並んでいます。こちらには「豊竹稲荷神社」が鎮座しており、御祭神に倉稲魂命がお祀りされています。ご利益は五穀豊穣・商売繁盛で有名ですが、こちらでは産業全般のご神徳でも知られています。
三宝荒神社・歌塚・影向石・扇塚・白一龍神社
東門を潜り右には「三宝荒神社(竈神社)」「歌塚」「影向石」「扇塚」「白一龍神社」と並んでいます。
三宝荒神社(竈神社)・歌塚
三宝荒神社(竈神社)には台所の神様である庭津日命がお祀りされており、左の石碑が「歌塚」です。
影向石
歌塚の左には御祭神の塩土老翁神が腰を掛けて行基上人や弘法大師と法談したと伝わる「影向石」があります。影向石とは神仏が姿を現した時に座られる石の事です。
扇塚・白一龍神社
影向石の左には「扇塚」と「白一龍神社」の石碑が立っています。白一龍神社は全国でも珍しい歯のご利益で知られています。
「菅原神社・岩室神社」「舳松神社・松風神社」「白髭神社・塞神社」
白一龍神社の隣には写真左から「菅原神社・岩室神社」「舳松神社・松風神社」「白髭神社・塞神社」がお祀りされています。
与謝野晶子歌碑
与謝野晶子の生家は開口神社の近くにあり、子供の頃によくここで遊んだそうです。その縁から「与謝野晶子歌碑」が平成28年(2016年)に建立されました。歌碑には「少女たち開口の神の樟の若枝さすごと伸びて行けかし」と刻まれています。
薬師社と2社の合祀社
本殿後方には薬師社があり、念仏寺のご本尊で行基作と伝わる薬師如来がお祀りされています。北門の隣には合祀社が2社並び、写真左の合祀社には「産霊神社・北辰神社・大国魂神社・恵比須神社・少彦名神社・舟玉神社・楠本神社」、右の合祀社には「熊野神社・厳島神社・兜神社・三宅八幡神社・琴平神社・神明神社・豊受神社」がお祀りされています。
御朱印
御朱印は社殿近くにある社務所で頂くことが可能です。
おはようございます。
大阪府 堺市
開口神社さま⛩境内は広くいろいろな神様がお祀りされていますので、順番にお詣りします。✨🙏
御朱印の端に折り紙つけてくださいます。可愛い💕
#御朱印#大阪#堺市 pic.twitter.com/8SpogvEwRd— eriko/ (@Eri358Uchi) October 11, 2022
おわりに
開口神社の所要時間ですが、ゆっくり参拝した場合で約15分でした。開口神社は堺の街中に鎮座していますが、境内は広く緑豊かで清々しい神域でした。社殿は戦災で焼失しますが再建され、境内には行基作と伝わる薬師如来が祀られた薬師社や境内社、合祀社が並んでいます。与謝野晶子が子供の頃に遊んだ縁から歌が刻まれた歌碑もありました。見どころいっぱいの開口神社に是非一度参拝してみてはいかがでしょうか。
開口神社(あぐちじんじゃ) | |
住所 | 大阪府堺市堺区甲斐町東2丁1-29 |
電話番号 | 072-221-0171 |
営業時間 | 終日可能 |
定休日 | 年中無休 |
拝観料 | 無料 |
アクセス | ■交通機関を利用 ◎阪堺電気軌道阪堺線「大小路駅」下車、開口神社まで350m、徒歩で約4分 ◎南海本線「堺駅」下車、開口神社まで850m、徒歩で約13分 ◎南海高野線「堺東駅」下車、開口神社まで1.2km、徒歩で約17分 ■自動車を利用 ◎カーナビに開口神社の電話番号「072-221-0171」を入力、または開口神社の住所「大阪府堺市堺区甲斐町東2丁1-29」を入力し検索 |
駐車場 | 普通自動車が約10台駐車可能な無料駐車場あり |