2019年1月26日(土)に山形県緑町にある最上義光の愛娘「駒姫」の為に移建した菩提寺として有名な「専称寺(せんしょうじ)」にいってきました。
専称寺の本堂は東北地方最大級の木造建築物で、本堂(市指定)・鐘楼(県指定)共にの有形文化財となっています。
また境内にある大イチョウも市指定天然記念物となっています。
専称寺の創建は文明15年(1483年)で、願正上人が現在の天童市高擶に開山したのが始まりです。
創建当時は「願行寺」と称していましたが、天文6年(1537年)頃に専称寺に改称しました。
山号は最上山で宗派は浄土真宗大谷派になります。
専称寺は山形城主・最上義光によって薄幸な愛娘駒姫の菩提寺として慶長4年(1596年)に現在地に移建され、末寺96寺を支配する一大寺町が形成されました。
駒姫は東北随一の美少女として有名で、15歳の時にうわさを聞いた豊臣秀次の要望により嫁ぎますが、その豊臣秀次は謀反の疑いで時の権力者・豊臣秀吉から高野山で切腹させられます。
そして駒姫も京都の三条河原で処刑され、とても駒姫をかわいがっていた義光は大きく嘆き悲しんだと伝わります。
最上義光が関ケ原の合戦の際、東軍の徳川家康についた大きな原因と言われています。
今回専称寺に参拝してきましたのでご紹介したいと思います。
専称寺の滞在時間ですが、ゆっくり参拝した場合で約15分でした。
専称寺の見どころ
・駒姫のお墓に参拝
・雪降銀杏とも称される大イチョウ
・本堂は東北地方最大の木像建築物
・桃山時代の建築様式を伝える梵鐘・鐘楼
アクセス
交通機関を利用
・JR線「北山形駅」下車、山形駅東口より2.2km、徒歩約29分
・JR線「山形駅」下車、山形駅東口より2.5km、徒歩約32分
車を利用
・カーナビにMAPCODE「273 596 779*37」を入力。
駐車場情報
専称寺には無料駐車場があります。
広くて空きがありとても駐車しやすいです。
専称寺参拝開始
正面入口の山門です。
山門をくぐると左側に鐘楼、正面に本堂、右側に大イチョウがあります。
また右側の道を矢印に沿って進むと駒姫のお墓につきます。
観光する際は立ち入り可能な場所にご注意下さい。
駒姫のお墓は本堂右側になります。
駒姫のお墓に参拝
駒姫のお墓までは写真の通り案内板がありますので迷うことはないと思います。
寺院の東側の墓地の中を通り過ぎた先に駒姫のお墓はあります。
駒姫のお墓は一基のみ境内の奥に静かにひっそりとありました。
15歳の若さで「罪なき身も世の曇りにさへられて友に冥途に赴かば五常のつみもほろびなんと思ひて」と無罪を訴える辞世の句を詠んだ駒姫と、父義光の後悔や悲しみや怒りを思うと切なくなります。
雪降銀杏とも称される大イチョウ
市指定天然記念物の大イチョウで、高さ30m、幹回りは6.7mにもなります。
「雪降銀杏」とも称され、このイチョウの葉が散ると根雪になるとされ、冬支度の目安にもされました。
本堂は東北地方最大の木像建築物
市指定有形文化財の本堂です。
現在の本堂は元禄16年(1703年)に再建されたもので、東西30m、南北27mの規模を誇る東北地方最大の木像建築物です。
本堂の屋根の四隅には名工・左甚五郎によって作られた「夜鳴力士像」が鎮座しています。
夜鳴力士像の名前の由来は、力士像が夜な夜な泣きながら重い屋根を支えていたことから名付けられました。
昼間は静かですが、夜になると夜泣きし騒がしいので寺の住職が猟師に頼んで銃を撃ったところ夜泣きが収まったと伝わります。
とても頑張って重い屋根を支えていますね!
桃山時代の建築様式を伝える梵鐘・鐘楼
県指定有形文化財に指定されている鐘楼・梵鐘です。
豊臣秀吉から天下一の称号を授けられた名工・西村道仁により、慶長11年(1606年)に梵鐘が製作されました。
鐘楼もその当時に建立されたもので桃山時代の建築様式を今に伝えています。
おわりに
最上義光の愛娘・駒姫の菩提寺の専称寺に参拝してみて、東北地方最大級の木造建築物の本堂や、桃山時代の様式が見られる鐘楼・梵鐘は見ごたえがありました。
山門を入ってすぐの大イチョウも見ごたえがありました。
境内奥の駒姫のお墓は歴史に翻弄された最上義光と15歳でこの世を去った駒姫の悲しさが伝わってくる場所でした。
専称寺の近くを訪れた際は是非参拝してみてはいかがでしょうか。
専称寺(せんしょうじ) | |
場所 | 山形県山形市緑町3丁目7-67 |
電話 | 023-622-5981 |
休日 | 無休 |
拝観料 | 無料 |
交通 | ・JR線「北山形駅」下車、山形駅東口より2.2km、徒歩約29分 ・JR線「山形駅」下車、山形駅東口より2.5km、徒歩約32分 |