2016年8月17日(水)に京都市上京区にある蘆山寺(ろざんじ)にいってきました。
蘆山寺の創建は、天慶元年(938年)で、宗派は天台宗系圓浄宗です。
開基は比叡山延暦寺の良源です。
蘆山寺は、応仁の兵火や、元亀3年(1571年)の織田信長の比叡山焼き討ちにも遭遇しますが幸いにも免れ、現在の紫式部邸宅地址へは、豊臣秀吉の寺町建設によって天正年間に移ってきました。
紫式部は蘆山寺がある場所に建っていた邸宅で、藤原宣孝と結婚生活を送り、一人娘の賢子(かたこ)を育て、源氏物語を執筆しました。
蘆山寺はその邸宅跡地に建っていることから紫式部にゆかりがあり、源氏物語執筆地として有名なお寺です。
現在の本堂は、宝永5年(1708年)、天明8年(1788年)に焼失し、寛政6年(1794年)に光格天皇が仙洞御所の一部を移築して改装されたものになります。
蘆山寺の庭園「源氏庭」も有名で、白砂砂と苔の庭に6月末から9月初め頃まで花が開く桔梗の調和がとても美しい庭があります。
蘆山寺の所要時間ですが、ゆっくり参詣した場合で約40分でした。
蘆山寺の見どころ
蘆山寺は見どころは、
1.「源氏物語」をはじめ、紫式部がほとんどが蘆山寺の場所で執筆
2.白砂砂と苔の庭と桔梗が美しい「源氏庭(げんじのにわ)」
3.本堂内にあり、平安時代作の「阿弥陀三尊座像」
が特に見どころとなっています。
蘆山寺へのアクセス
電車・バスの場合
・京阪鴨東線 「神宮丸太町駅」徒歩約5分、
・JR京都駅正面口 市バスA2乗り場から、4系統・17系統・205系統で約20分
「府立医大病院前」下車、徒歩約3分
蘆山寺の駐車場
蘆山寺には無料駐車場がありますので、車でのアクセスもしやすいです。
蘆山寺の参拝入り口と駐車場の入り口は同じ場所から入ります。
写真の右が入り口です。
入り口です、立派な門があり、この門をくぐって無料駐車場へ向かいます。
最初は車で通るような道に見えず、門をくぐってよいのか少し悩みました。。
門をくぐると元三大師堂(がんざんだいしどう)が正面に見えます。
建立は天明大火後の天保6年(1835年)で、元三大師・良源が祀られています。
元三大師堂の右手が無料の駐車場となっており、車が5台程度駐車することができます。
蘆山寺参拝
駐車場すぐ側に参拝入り口があります。
参拝時間は午前9時から午後4時までで、大人500円、小中学生400円です。
御朱印だけいただく事も可能で、正面拝観入り口の左の入り口で御朱印をお願いすれば
御朱印をその場で書いていただけます。
参拝入り口では、冷たいお茶を頂けまして、真夏日に訪れましたのでとてもお心遣いがうれしかったです。
参拝入り口付近には、「紫式部」と、娘の「大弐三位」の歌碑がありました。
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半(よは)の月かな 紫式部
現代語訳は、思いがけず出会ったのに、その姿を見定める暇さえ与えず、
すぐに雲に隠れてしまう月のように、あなたはもう帰ってしまうんですね。
有馬(ありま)山 猪名(ゐな)の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする 大弐三位
現代語訳は、有馬山の近くにある猪名(いな)にある、笹原に生える笹の葉は風がふくとそよそよとなびかずにはいられない。全く同じことで、音信があればどうして私があなたのことを忘ることなどありましょうか。
源氏庭を観賞
「源氏庭」は白川砂と苔の庭で、とても美しく見ごたえがあります。
白川砂とは、京都・白川上流で採取された上質の白砂のことで、京都のお寺の庭園や神社でよく使われています。
白川砂が庭に敷き詰められており、所々に苔が島のように多い、そこに桔梗が美しくさいていました。縁側に腰かけて鑑賞できますので、ゆっくり鑑賞することが出来ます。
人も少なく、とても静かですのでとても気持ちが落ち着きますよ♪
6月から9月にかけては桔梗が見どころを迎えており、8月の参拝では美しく咲き誇っていました。源氏物語にでてくる朝顔の花は桔梗のことで、「源氏庭」には紫の桔梗がとてもよく調和していました。
「源氏庭」には、「紫式部邸宅址」と彫られた石碑がありました。
昔、紫式部がこの地で「源氏物語」を執筆したり、生活していたのだろうなぁと思いをはせながらしばらく庭を観賞していました。
「源氏物語」中の花散里の巻にでてくる屋敷はこの辺りにあったであろうといわれています。
秋には紅葉、冬の雪景色も大変美しい姿へ変わるので、再訪したいと思いました。
「源氏庭」とは逆の方向には、平安時代作の「阿弥陀三尊座像」が祀られています。
動きのある容姿と、風の表現を意図した造形が見どころの像となっています。
源氏物語にも出てくる朝顔=桔梗の花です。
少し控えめな、静かな美しさのある花ですね。
まとめ
蘆山寺を訪れてみて白川砂と苔、桔梗がとても美しい庭園「源氏庭」があるお寺でした。
京都の庭園をいくつか見てきましたが、京都の中心部にありながら人も少なく、とてもゆったりと鑑賞できる庭園でおすすめです。
紫式部ゆかりのお寺は、滋賀県の「石山寺」が有名ですが、「源氏物語」をはじめ紫式部の執筆はほとんど紫式部邸宅があった蘆山寺の辺りで執筆されました。
「源氏物語」の舞台にもなった場所でもありますし、紫式部や「源氏物語」に思いをはせながら一度是非参拝してみてはいかがでしょうか。
場所 |
京都府京都市上京区北之辺町397
|
拝観料 | 無料 |
拝観時間 | 午前9時から午後4時まで |
拝観日 | 1月1日・2月1日~2月9日・12月31日休み |
交通 | ・京阪鴨東線 「神宮丸太町駅」徒歩約5分、 ・JR京都駅正面口 市バスA2乗り場から、 4系統・17系統・205系統で約20分 「府立医大病院前」下車、徒歩約3分 |
駐車場 | 車5台程度駐車できる無料駐車場有。 |
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