善水寺(ぜんすいじ)は、奈良時代に国家鎮護の為に建立されたお寺で、桓武天皇の病気を治した霊水が有名です。
善水寺は湖南三山のひとつで、湖南三山とは、国宝 長寿寺、国宝 常楽寺、国宝 善水寺を指します。
善水寺の見どころは、国宝に指定されている本堂や、本堂で拝見できる平安から鎌倉時代にかけて造られた諸像が見どころです。
善水寺は、JR草津線甲西駅から湖南市巡回バス下田行き方面バスに乗車し、岩根下車徒歩約10分で到着します。
車では、名神竜王I.C.から約8キロの距離で、約15分で到着します。
善水寺には普通車が約50台まで無料で駐車できる駐車場がありますので車で行くことをおすすめします。
今回ゆっくり見学して、所要時間は約60分でした。
善水寺の概要
善水寺は、奈良時代の和同年間(708年~715年)に建立された為、当初は和同寺と呼ばれました。
平安時代初期に最澄が比叡山の堂社建立の用材の材木を甲賀で切り出し、野洲川から比叡山の麓まで流す時に日照りになり、川の水位が不足し材木を送ることができませんでした。
請水祈祷の場所を最澄が探していたところ、善水寺の場所に導かれ、薬師仏を本尊として祈祷すると雨が降り続き、材木を無事送ることができました。
更に、京の都で桓武天皇が病気になった時に最澄は善水寺の水を病気回復の祈祷をした後、桓武天皇に献上したところ、桓武天皇の病気が回復しました。
このような霊水の所縁から善水寺の寺号を賜りました。
善水寺へのアクセス
善水寺の駐車場は、普通車が約50台まで無料で駐車できる駐車場があります。
電車の場合、JR草津線甲西駅から湖南市巡回バス下田行き方面バスに乗車し、岩根下車徒歩約10分とアクセスが容易ではないので車でのアクセスをおすすめします。
善水寺入山受付
駐車場の隣に善水寺の入山受付があり、拝観料は500円でこちらで支払います。
ご住職はひとりで切り盛りされているのか、入口にいらっしゃらない場合があります。
その場合は、インターホンを押して連絡します。
御朱印もこちらで頂くことができます。
元三大師堂です。
1713年、江戸時代に再建されたものになります。
本尊元三慈恵大師良源大僧正の等身大尊像が安置されています。
1633年に建立された鐘楼です。
善水寺が岩根山の中腹にあり、眼下に町を一望できますので、人々に時間を知らせてきた大切な鐘楼だと思いました。
国宝の本堂の隣には美しい石庭があり、ベンチも置いてあるので、しばし時間をわすれて鑑賞しました♪
国宝の本堂です、1366年の南北朝時代に再建されました。
天台密教仏殿で、とても緻密で美しい木造建築です。
こちらで履物や脱帽、リュックサックなどをおろして本堂内部へと向かいます。
本堂正面です。
扉があいていますので、こちらから本堂内部に入り、参拝します。
拝観料を入口で払えなかった場合はこちらで支払います。
本堂内部には、平安時代から鎌倉時代にかけて造られた、数多くの諸像が安置されており、間近で拝見することができます。
諸像は、明治時代には国宝に指定されていましたが、基準がかわり、今は重要文化財となっていますが大変貴重なものです。
ご住職が善水寺の由来や歴史、仏像について詳しく説明してくださるので理解が深まりましたが特に印象に残ったお話を2つほどご紹介します。
1.薬師如来座像の胎内からみつかった稲籾と993年と記載された文書
本尊薬師如来座像が、明治39年に修理された時に、胎内より多量の稲籾と993年と記された文書が見つかったお話はとても興味がひかれました。
科学的な検証でも年代は正しいことが証明されているそうです。
稲籾は本堂内部で見ることができますが、とても綺麗に残っており、1000年以上前のものとは思えませんでした!!
2.仁王門と金剛力士像
仁王門と金剛力士像のお話も興味深かったです。
仁王門が古くなっていたので、修理のため仁王像を本堂に移したところ、そのすぐ後の昭和28年に大雨で仁王門は流出したが、間一髪で金剛力士像は難を逃れたそうで、不思議な力を感じました。
この角度から見た本堂が一番私的には美しいと思います♪
正面に向拝※(こうはい)を持たない為、美しい屋根の曲線が確認できます。
善水寺の湧き水がくめるポイントからの写真です♪
※向拝とは仏堂や社殿の屋根の中央が前方に張り出した部分のことです。
善水寺の霊水がくめるポイントです。
こんこんと善水という霊水が流れています。
本堂参拝の後、本堂でペットボトル用意されていますので、ペットボトルを受け取ってくんで持って帰ることができます。
ペットボトルの蓋は圧着式になっています。
霊水をペットボトルに入れた後、ボトルキャップをつけ、用意されているハンマーでたたいて圧着します。
はじめて圧着式のボトルキャップがついているペットボトルを使用しましたが、お店で売られているようなお水のペットボトルが完成して感動しました!
本堂から少し山を登ると、伊勢、春日、八幡、賀茂、熱田、鹿島、の六所の神様が一箇所におられる、六所権現社です。
こちらは是非参拝しておきましょう!
行者堂です。
行者堂の前には護摩壇がありました。
善水寺は山の中腹にあり、少し境内から登ると全景が見えます。
左が元三大師堂(がんざんだいしどう)、その奥に鐘楼、真ん中が百伝池、右が本堂になります。
上から見る本堂も美しいですね♪
こちらは本堂と同じ高さの場所からみたところです。
元三大師堂と本堂が写っています、紅葉が美しいことでも善水寺は有名ですのでこの辺りからの風景はきれいだろうと想像されます♪
善水寺が山の上にあると実感します、絶景のビューポイントです。
鐘楼の辺りからの風景で、遠方の山々や田んぼ、町が見渡せます。
しばらく時間を忘れて眺めていました♪
善水寺まとめ
善水寺の国宝の本堂は1366年に再建された、南北朝時代のもので天台密教仏殿です。
本堂は正面に向拝を持たない為、美しい屋根の曲線を描いた、美しい木造建築でした。
本堂内部には大変貴重な、平安時代や鎌倉時代につくられた諸像がたくさんならんでおり、間近で見ることができます!
桓武天皇の病気を治した霊水で善水寺の名の由来になった、善水もペットボトルにくんでいただくことができます。
善水寺からの風景も絶景で、紅葉の名所としても有名ですので、次回は秋に再訪したいと思います♪
場所 | 滋賀県湖南市岩根3518 |
電話番号 | 0748-72-3730 |
拝観料 | 500 |
拝観時間 | 午前9:00〜午後4:00 |
拝観日 | 無休 |
交通 | ・JR草津線甲西駅から湖南市巡回バス 下田行き方面バスに乗車、岩根下車徒歩約10分 ・名神竜王I.C.から約15分 |
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