【続日本百名城 第131番】村上城を歩く|石垣が今に残る越後北部の要衝

2024年11月23日(土)、新潟県村上市にある村上城を訪ねました。村上城は続日本百名城 第131番に選定されている城跡で、臥牛山(標高約135m)一帯が国指定史跡として保存されています。今回は自動車で村上城跡の登山口へ向かい、山道をたどりながら城内を巡りました。
村上城とは|臥牛山に築かれた越後屈指の城郭
村上城は、かつて本庄氏の本拠地として本庄城と呼ばれた城で、新潟県村上市の東端にある臥牛山の急峻な地形を活かした平山城です。本丸を山頂に据え、二の丸・三の丸を段状に配置した梯郭式構造を持ち、山麓部には城主の居館跡も近年の発掘調査で確認されています。
城の築城時期は明確ではありませんが、永正4年(1507年)の落城記録から、16世紀初頭には本庄氏によって中世山城として成立していたことがわかります。本庄氏は越後北部の有力勢力である揚北衆の一員として上杉氏と抗争を重ねました。中でも本庄繁長は、上杉謙信に仕えつつも武田信玄と内通し、半年に及ぶ籠城戦を展開したことで知られ、「越後の名城」と称される礎を築きました。
その後、慶長3年(1598年)、上杉景勝の会津移封に伴って本庄氏が去ると、堀秀治の家臣である村上頼勝が9万石で入封し、城名を「村上城」と改めました。これにより城名の由来となった村上氏が入城し、西国風の石垣や堀の改修が本格的に進められます。以後、堀氏・松平氏・内藤氏らの治世を経て、三層天守や高石垣を備えた近世城郭へと発展しました。
現在は天守などの建造物は残っていませんが、中世の竪堀や土塁と、江戸期に築かれた石垣が一体となって残る点が大きな魅力です。これらの歴史的価値が評価され、平成5年(1993年)に国指定史跡となりました。城全体を歩いて回ることで、戦国期の防御性と近世大名の城づくりの粋を同時に体感できます。
城内散策レポート|登山道を進み本丸へ

村上城跡を見学する為、駐車場からすぐの場所にある臥牛山の登山口へ向かいます。ここから本丸までは、整備された山道を登って約20分が目安です。クマの出没情報の看板が出ていましたのでご注意ください。
本丸へ向かう道中には案内板が設置されており、二の丸・三の丸が連なり、尾根や斜面には竪堀や土塁、虎口や帯曲輪群といった戦国期の防御遺構の配置を意識しながら歩くことができます。

山頂の本丸跡に到着すると、視界に飛び込んでくるのが天守台を含む壮観な石垣群です。切石を用いた石垣は保存状態が良く、江戸期に行われた本格的な城郭整備の様子を今に伝えています。


天守は現存していませんが、天守台からの眺めは素晴らしく、村上市街地の向こうに日本海を望むことができます。石垣中心の近世城郭と、土の遺構が残る中世山城、その両方を同時に体感できる点こそが、村上城最大の見どころだと思います。
続日本百名城スタンプ

スタンプは、村上市郷土資料館(おしゃぎり会館)(9:00~16:30)、東北電力村上電力センター(24時間押印可)、村上城跡保存育英会事務所(9:00~12:00)の3か所で押印できます。

今回は村上市郷土資料館でスタンプを押印しました。
若林家住宅(重要文化財)

今回、村上市郷土資料館(おしゃぎり会館)から歩いてすぐの場所にある、村上藩の武家屋敷「若林家住宅」を村上城跡と共に見学してきました。こちらは19世紀に建てられた中級武士の住まいで、現在は国の重要文化財に指定されている貴重な建物です。若林家住宅のみの見学であれば200円、隣接する村上市郷土資料館(おしゃぎり会館)、村上歴史文化会館とあわせた3施設共通券は500円となります。

若林家は村上藩に仕えた中級武士の家柄で、この住宅も時代の流れの中で幾度か手が加えられてきました。現在公開されている建物は、一般公開にあたり江戸時代当初の姿へ復原されたものです。訪れた日は軒先に村上名物の塩引き鮭が吊るされており、その先に手入れの行き届いた庭園が広がっていました。
村上城の御城印は藤基神社
村上城の三の丸跡にあたる場所には現在藤基神社が鎮座しています。藤基神社は村上城跡の構成要素として国史跡に含まれており、参拝とあわせて御城印を受けられるのが魅力です。御城印は神職による手書きで、一枚ずつ丁寧に奉製されています。授与時間は概ね日中となるため、時間に余裕をもって訪れると安心です。
村上城の歴史を振り返る
村上城の歩みを、主な出来事ごとに簡単に整理します。
- 16世紀初頭:本庄氏が臥牛山に本庄城(後の村上城)を築き、越後北部の拠点とする。
- 永正4年(1507年):本庄城落城の記録が残され、中世山城としての存在が史料から確認される。
- 戦国時代:本庄繁長が城主として上杉氏と関わりながら城を守り、堅城として名を高める。
- 慶長3年(1598年):上杉景勝の会津移封に伴い本庄氏が退去し、堀秀治の家臣・村上頼勝が9万石で入封。城名を「村上城」と改める。
- 安土桃山〜江戸初期:村上氏をはじめ、堀氏・松平氏・内藤氏らによって石垣や堀が整備され、近世城郭へと発展する。
- 明治期:廃城令により天守などの建造物は失われるが、石垣や土塁などの遺構は山上に残される。
- 平成5年(1993年):中世から近世にかけての城郭遺構が評価され、国指定史跡となる。
また、城跡を歩くことで、石垣や土の遺構から時代ごとに積み重ねられてきた防御思想の変遷を読み取ることができます。
訪問のポイントとアクセス
| 所在地 | 新潟県村上市(国指定史跡「村上城跡」・臥牛山一帯) |
|---|---|
| アクセス | JR羽越本線「村上駅」から徒歩約30分で登山口、さらに山道を登って本丸まで約20分。 |
| 見学順路(例) | 登山口 → 二の丸・三の丸 → 出櫓跡 → 本丸 → 天守櫓 → 下山 |
| 所要時間 | 城跡散策のみで約1〜1.5時間。資料館や城下町を含めると半日程度。 |
| スタンプ | 村上市郷土資料館ほか複数箇所に設置。 |
駐車場

村上城跡の登城口近くには整備された駐車場があります。土曜に訪れましたが混雑もなく利用しやすかったです。
服装
山城で高低差があるため、歩きやすい靴と季節に応じた服装、水分の携行を忘れないようにしましょう。
まとめ|村上城は石垣と眺望が魅力の続日本百名城
村上城は、続日本百名城 第131番に選ばれた越後北部を代表する城跡で、中世山城の防御遺構と江戸時代の石垣が同時に残る点が大きな見どころです。臥牛山の地形を活かした縄張りや、本丸跡に残る高石垣からは、戦国期から近世にかけての城郭の変遷を体感できます。
本丸からは村上市街地や日本海を一望でき、城跡散策と絶景を同時に楽しめるのも村上城ならではの魅力です。登山道は整備されており、初めての山城巡りでも比較的歩きやすい環境が整っています。
続日本百名城スタンプの押印に加え、村上市郷土資料館(おしゃぎり会館)や若林家住宅をあわせて巡ることで、村上藩と城下町の歴史をより深く理解できます。観光・歴史探訪・軽いハイキングを兼ねた城跡巡りを楽しみたい方におすすめのスポットです。


