【続日本100名城 第185番】唐津城の見どころ完全ガイド|海城と天守を歩く散策レポート

【続日本100名城 第185番】唐津城の見どころ完全ガイド|海城と天守を歩く散策レポート

唐津城 天守外観と本丸広場

2023年11月27日、佐賀県唐津市にある唐津城からつじょうを訪れました。唐津城は続日本100名城 第185番に選定されており、現在は舞鶴公園として整備されています。

この城の最大の特徴は、玄界灘に突き出した海城としての立地です。石垣や天守、櫓の遺構を通じて、当時の防御や港町としての役割を体感できる貴重な史跡で、周辺の唐津市街や虹の松原観光とあわせて訪れる人も多い人気スポットです。

唐津城の歴史|築城から現在まで

  • 築城と初期の歴史
    唐津城は、豊臣秀吉の家臣であった寺沢広高てらざわ ひろたかによって、慶長7年(1602年)から築城が始まり、約7年かけて完成したと伝わります。当初は名護屋城(慶長5年築、1600年頃廃城)の石材を一部転用したと伝えられ、玄界灘に面した唐津湾の防衛拠点として整備されました。海上交通の要所であった唐津の港を守るため、城郭の配置や堀の設計には特に工夫が見られます。
  • 城の構造と防御設備
    唐津城は本丸、二の丸、三の丸の三重構造で構成され、石垣・堀・櫓による防御施設が巧みに配置され、海上警備の役割を果たしました。また、堀には潮の干満を利用した水堀が取り入れられ、敵の侵入を防ぐ工夫がなされています。
  • 江戸時代の藩主と城の発展
    江戸時代には、元和2年(1616年)に大久保氏が入封し、その後松平氏(寛永5年〜正保2年:1628〜1645年)、土井氏(寛文6年〜延宝4年:1666〜1676年)、水野氏(天和2年〜元禄5年:1682〜1692年)、小笠原氏(元禄7年〜明治4年:1694〜1871年)と五家が藩主を務めました。各藩主は城の修築や城下町の整備を進め、政治・経済の拠点としての唐津城の役割を強化しました。※史料により前後あります。
  • 廃城と現在の唐津城公園
    明治4年(1871年)の廃藩置県に伴い唐津城も廃城となりましたが、本丸跡は唐津城公園として保存され、石垣や堀の一部が現存しています。近年では発掘調査や復元整備が進められ、天守台や櫓の復元も行われており、歴史的価値の高い城跡として観光客に親しまれています。

唐津城散策レポート|登城から城下町まで

東城内駐車場からの登城道

唐津城 登城道 石段と土塁

唐津城への登城は、東城内の市営駐車場から歩き始めます。駐車場から城内へ向かう道には、緩やかなスロープと石段が交互に続き、丘の上に築かれた本丸へと導かれます。

唐津城 総締門跡と石垣

途中には、かつての正門であった総締門跡があります。門そのものは現存していませんが、礎石や復元された遺構が往時の城の入口としての存在感を伝えています。

唐津城 登城道の石段と土塁
石段の両脇には、江戸時代の城郭を守った石垣の跡が残っており、登るにつれて往時の防御構造を肌で感じられます。

大手門と石垣の見どころ

唐津城 藤棚

石段を上りきって広場に出ると、登城道に沿って美しい藤棚が目に入ります。藤は舞鶴公園を代表する花で、例年4月下旬から5月上旬にかけて、薄紫色の房状の花が風に揺れながら咲き誇ります。芳しい香りが春の訪れを感じさせ、歴史ある石段や城郭の景観と見事に調和しています。中には樹齢100年以上の老木もあり、登城する人々を優雅に迎えてくれます。

唐津城 大手門外観

藤棚を潜ると、城の正面入口である大手門が姿を現します。まず目を引くのが大手門周辺の石垣です。江戸時代、この門は城下町と本丸を結ぶ重要な出入口として機能しており、礎石や周囲の石積みから当時の構造をうかがい知ることができます。

本丸と天守閣の外観

唐津城 本丸と天守外観

大手門を潜ると、目の前に広がる本丸広場が訪問者を迎えます。本丸は城の中心的な郭で、かつては天守台を取り囲むように複数の櫓が建ち並び、石垣や櫓台が堅固な防御の役割を果たしていました。本丸の南側には少し低く設けられた二ノ曲輪が続き、北西方向には搦手の出口が設けられていたとされています。周囲の松原が鶴の翼のように見えることから、江戸時代中期の絵図には、周囲の松原が鶴の翼のように弧を描く様子から『舞鶴城』と記され、城の美しい景観が称えられていました。

本丸の象徴となる天守閣は、昭和41年(1966年)に歴史資料館や展望施設として新しく建てられたものです。当時の江戸時代の文書には実際の天守の存在が明確に記録されていませんが、現在の五層構造の建物は白漆喰の外観と優雅な屋根が特徴の模擬天守で、玄界灘の風景とよく調和しています。

天守閣内観と展望台

唐津城の天守閣に入るには、大人500円、子ども(小・中学生)は250円で、未就学児は無料で入館できます。開館は午前9時から午後5時までで、最終入館は午後4時40分まで。年末の12月29日から31日は休館となっています。

館内は郷土資料館として整備され、唐津藩に関する歴史資料や武具・甲冑の複製、地元の伝統工芸である唐津焼などが展示されています。城や地域の文化を身近に感じながら学べる内容です。なお、続日本100名城のスタンプ(185番)は1階の売店近くに設置されており、入館中に押印することができます。

唐津城 天守最上階展望

下山と城下町散策

唐津城 城下町散策

唐津城の周辺では、城下町の歴史を体感できる復元施設がいくつか整備されています。平成元年(1989年)には市役所前に肥後堀と石垣が復元され、城の外郭の雰囲気を感じられるようになりました。さらに平成4年(1992年)には、二の丸跡に、当時の城内で時を告げていた太鼓が再現され、江戸時代の生活を垣間見ることができます。翌平成5年(1993年)には、市役所付近に三の丸辰巳櫓が復元され、かつての城郭構造や櫓の姿を学びながら散策できるスポットとして整えられています。

アクセス・駐車場・基本情報

所在地 佐賀県唐津市東城内
最寄駅 JR唐津駅から徒歩約25分、昭和バス「からワンライン」唐津城入口下車(徒歩7分)
入場料 大人500円
開館時間 9:00〜17:00
休館日 12/29〜12/31
駐車場 舞鶴公園東城内 有料駐車場あり

まとめ|唐津城の見どころとおすすめポイント

唐津城は、玄界灘に突き出した海城としての特徴を持ち、江戸時代の港町・唐津の歴史を感じられる貴重な史跡です。白漆喰の天守閣や本丸・二の丸・三の丸の石垣、櫓の構造を歩きながら見ることで、海城ならではの防御や城郭設計の工夫を実感できます。

天守閣内の郷土資料館では、唐津藩ゆかりの資料や武具、唐津焼などの展示を通して地域文化を学べるほか、1階には続日本100名城スタンプも設置され、城巡りの楽しみも味わえます。最上階の展望スペースからは唐津湾や虹の松原、松浦川の流れ、晴れた日には遠くの島々まで見渡せ、城の立地の魅力を存分に感じられます。

また、城下には肥後堀や二の丸の太鼓、三の丸辰巳櫓といった復元建造物もあり、登城後の散策でも、江戸時代の城下町の雰囲気を楽しめます。歴史に詳しくない方でも、景色や展示、散策を通して唐津の歴史を直感的に体験できるため、家族連れや観光客、続100名城を巡る城好きの方まで幅広くおすすめできるスポットです。