【続日本100名城 第196番】佐土原城を徹底解説|伊東氏と島津氏が刻んだ日向の名城

2024年9月と2025年11月に、宮崎県宮崎市にある佐土原城を訪れました。佐土原城は続日本100名城 第196番に選定されている城跡で、現在は佐土原歴史資料館とあわせて史跡公園として整備されています。
この城の最大の特徴は、戦国大名・伊東氏の本拠として栄えた中世山城であることです。そしてのちに、島津氏が治める近世城郭へと姿を変えていった点です。山全体を城として利用した大規模な縄張りは、現在も曲輪や土塁の痕跡として残り、地形そのものが防御施設だったことを体感できます。
今回は「佐土原歴史資料館 → 続日本100名城スタンプ押印 → 登城 → 島津家久・豊久公墓」の順で歩きながら、佐土原城と佐土原藩の歴史をたどってきました。
佐土原城とは|歴史と築城背景
佐土原城は、宮崎市佐土原町上田島の丘陵地に築かれた山城です。中世には田島城や鶴松城とも呼ばれ、日向国をめぐる勢力争いの中心となった城でした。
築城の始まりは14世紀半ば頃とされ、伊東一族の田島休助がこの地に田島城を築いたことが起源と伝えられています。その後、本家筋の伊東氏が田島氏を滅ぼして入城し、城は伊東氏の重要拠点となりました。
16世紀に入ると、城は戦国時代の動乱に巻き込まれます。1536年には火災で焼失しますが、1543年頃に再建され、当主・伊東義祐の時代に勢力は最盛期を迎えました。佐土原城を中心に「伊東四十八城」と呼ばれる支城網を築き、日向一帯に大きな影響力を持つ戦国大名へ成長します。
しかし伊東氏は南九州で勢力を伸ばす島津氏と対立し、次第に劣勢に。関ヶ原の戦い前後には伊東氏・島津氏・幕府直轄領など、支配者が目まぐるしく変わります。
1603年、島津以久が3万石で入封し、佐土原藩が成立しました。以久は城下町の整備を進め、佐土原城は近世城郭としての機能を持つようになります。ただし山城の性格が強く、次第に平地の居館が政治の中心となり、城は歴史の表舞台から静かに退いていきました。
現在は建物こそ残っていませんが、曲輪跡や土塁、地形の高低差などが当時の姿を伝えます。山そのものが城だったことを実感できる、貴重な中世山城跡です。
城内散策レポート|資料館から歴史散歩へ
① 佐土原歴史資料館からスタート

佐土原城跡の見学は、まず二の丸跡に建つ佐土原歴史資料館から始めました。城の全体像をつかんでから山道へ向かうと、地形と歴史が自然につながり、散策がぐっと面白くなります。
展示では、伊東氏・島津氏に関する資料や、山上に段々と配置された曲輪の復元模型が見どころです。これから歩く城跡の構造を立体的に理解できます。
特に印象的だったのは、島津家久と嫡男・豊久に関するコーナーです。家久が九州平定後に佐土原に入った経緯や、関ヶ原で討ち死にした豊久との親子の物語に触れることで、墓所への関心も高まります。
資料館は土日祝日開館で入館無料です。散策前に立ち寄ると歴史の理解がより深まります。
② 続日本100名城スタンプ押印

スタンプは鶴松館の受付で押印可能(土日祝日)です。資料館が休館日でも、道路向かいの「宮崎市城の駅 佐土原いろは館」(年中無休※1月1~3日除く)で押せます。訪問日程に合わせて押印場所を選べるのも嬉しいポイントで、スタンプ目的の方でも安心して訪問できます。
③ 山城としての佐土原城跡

登城口は資料館脇にあります。木立の中の山道を進むと、深い切通し状の道が現れ、防御の工夫が感じられます。尾根に沿って登る途中の平坦地で曲輪を想像しながら歩くと、本丸跡までは20〜30分ほどです。
本丸跡は静かな平地ですが、城の中心だったことが実感できます。周囲を木々に囲まれた静かな空間で、かつての城の中心とは思えないほど穏やかな時間が流れていました。風の音と鳥の声だけが響き、山城ならではの静けさを肌で感じられました。
所要時間は、往復で約40〜50分、資料館見学を含め1時間半〜2時間が目安です。
④ 島津家久・豊久公墓(天昌寺跡)

資料館から集落の道を抜け、静かな山裾を進むと、天昌寺跡に整備された島津家久・豊久公墓に到着します。中央に家久と豊久の墓が並び、その周囲を家族や家臣の墓が囲みます。静寂の中で、歴史上の人物の息遣いを感じられる場所です。
アクセス・駐車場・基本情報
| 所在地 | 宮崎県宮崎市佐土原町上田島 |
|---|---|
| 最寄バス停 | 「交流センター前」下車 徒歩数分 |
| 入館料(資料館) | 無料 |
| 開館時間 | 9:00〜17:00(土日祝日) |
| 休館日 | 平日 |
| 駐車場 | 資料館前にあり |
公共交通では宮崎駅前から西都方面行きのバスで「交流センター前」下車。車は国道10号から佐土原市街方面へ、資料館の案内板を目印に。
まとめ|佐土原城はこんな人におすすめ
佐土原城は、戦国山城と江戸藩政の歴史が重なる物語性の強い城跡です。地形と歴史背景を重ねて歩くことで、この地が果たしてきた役割を深く実感できます。
資料館で予習→スタンプ押印→登城→墓所で手を合わせる流れで巡ると、単なる城跡見学を超えた「歴史散歩」になります。
続日本100名城スタンプを集めている方や、九州の戦国史・島津氏の歴史に興味のある方に特におすすめ。週末の宮崎観光や九州旅行の合間に立ち寄るのにも最適です。宮崎市内からもアクセスしやすいので、歴史散策が好きな方はぜひ一度、続日本100名城・佐土原城跡を歩いてみてください。
