【続日本100名城 第108番】八代城跡を徹底解説|白鷺城の名を持つ熊本八代の平山城

【続日本100名城 第108番】八代城跡を徹底解説|白鷺城の名を持つ熊本八代の平山城

八代城跡 白石垣と本丸

2024年9月27日、熊本県八代市の八代城跡やつしろじょうあとを訪れました。八代城跡は続日本100名城 第108番に選ばれており、現在は城跡群として散策ルートが整えられています。

城の特徴は、白い石垣と壮麗な本丸跡です。石垣・堀・天守台などの遺構から、江戸時代初期の築城技術を間近で感じられる貴重な史跡で、八代駅からも徒歩圏内にあり、観光や歴史散策と街歩きを同時に楽しめるスポットです。

八代城跡とは|熊本八代の白鷺城の歴史と築城背景

八代城跡やつしろじょうあとは、元和5年(1619年)の地震で旧城・麦島城が崩壊したことを契機に築かれました。

加藤忠広の命を受け、家老・加藤正方かとう まさかたが元和6年から8年(1620~1622年)にかけて新城を築いたのが始まりです。白い石垣の美しさから「白鷺城」とも呼ばれ、一国二城体制が特例として認められた歴史的背景もあります。

寛永9年(1632年)に細川氏が入封し、正保3年(1646年)から明治3年(1870年)の廃城まで、松井氏11代が八代藩3万石を治めました。落雷による大天守焼失後も、本丸や二の丸は地域の政治・文化の中心として機能し、明治13年(1880年)には八代宮が本丸に建立されました。

城内は本丸・二の丸・三の丸などの曲輪が配置され、白石垣や堀、礎石による多層防御が施されていました。現在も縄張りや石垣の配置が良好に残っており、江戸初期の平山城の特徴を学ぶことができます。

八代城跡の城内・城外散策レポート|見どころ順路とポイント解説

① 三階櫓跡|八代城の江戸初期築城技術を体感

八代城 三階櫓跡の石垣

三階櫓跡はかつて三層三階の櫓が建っていた場所で、城の防御や監視の要として機能していました。櫓自体は現存していませんが、石垣の高さや角度から江戸初期の築城技術や防御の工夫が感じられます。白石の石垣と水堀の景観は、八代城の特徴を象徴しています。

② 八代市役所付近の橋から城内へ|二の丸・三の丸跡を歩く

八代城 市役所付近の橋

三階櫓跡を見学した後、かつて二の丸が置かれていたエリアを歩きながら、八代市役所付近の橋を渡って城内へ進みました。本丸の周囲はかつて、二の丸三の丸があり、当時の曲輪配置や防御の工夫を想像しながら散策することができます。

③ 城内見学|八代城跡本丸跡(八代宮)と井戸跡

八代城 本丸跡 八代宮

八代城の本丸跡は、現在八代宮の境内として整備されており、城時代の遺構である井戸跡も保存されています。本丸はかつて大天守や本丸御殿が並ぶ城の中心部で、政治・防衛の拠点として機能していましたが、廃城後の明治16年(1883年)に八代宮の社殿が建てられ、現在は城跡と神社が一体となった落ち着いた空間となっています。

八代城 本丸跡の井戸

八代城本丸跡に残る井戸は、江戸時代に城内の生活用水として使われていた遺構で、現在は八代宮境内の一角に保存されています。

八代城 本丸跡の井戸構造

発掘調査によって確認された井戸は、本丸内の庭園跡付近に位置し、石灰岩を円形に積み上げた構造が特徴です。当時の城郭での日常生活や自給体制をうかがわせる貴重な遺物です。廃城後は長らく地中に埋もれていましたが、平成9年(1997年)の発掘調査で発見され、公開保存されるようになりました。

④ 月見櫓|八代城本丸南西の眺望櫓

八代城 月見櫓跡

八代城本丸跡から堀を渡ると、月見櫓跡の石垣を見ることができます。本丸の南西隅に位置していたこの櫓は、内堀の外側、堀越の要所に築かれ、本丸西側の石垣端に接していました。大天守や小天守を守る防御ラインの一角として機能しつつ、平時には眺望を楽しむ場所としても使われていたと伝えられます。

月見櫓は二階建てで、初層には唐破風付きの石落としを備え、防御機能が施されていました。城の西側を固めながら、南西方向の景色を生かす設計がなされ、戦略性と趣を兼ね備えた櫓だったことがうかがえます。

⑤ 城外の小天守・大天守跡の石垣見学|江戸初期築城の威容

八代城 小天守・大天守跡の石垣

月見櫓跡を見学した後、北へ進むと小天守跡が目に入ります。ここにはかつて二層三階の小天守が建ち、大天守とは渡櫓で結ばれていました。現在は高さ約9.7mの石垣基壇が残るのみですが、連結天守としての工夫や、西側防御の重要性をうかがわせます。石垣の積み方や配置からは、江戸初期の城郭建築技術の高さを実感できます。

小天守跡の隣には大天守跡がそびえています。本丸北西隅に位置し、かつて四層五階の堂々たる天守が建っていました。基壇の高さは約11mに達し、V字階段や野面積みの石垣の名残が、築城当時の防御思想と技術力を今に伝えています。寛文12年(1672年)の落雷で焼失後は再建されませんでしたが、現在も石垣の迫力や構造の巧みさから、当時の城の威容を感じ取ることができるスポットです。

⑥ 廊下橋門跡から再入城|大天守跡・小天守跡の石垣見学

八代城 廊下橋門跡

廊下橋門跡から再入城し、小天守台の石垣に登ると、当時の城内の構造を見下ろすことができます。石垣の高さと堅牢さを肌で感じながら、本丸や二の丸、堀の配置を一望できるのは格別です。連結天守として大天守とつながっていた位置関係や、防御の工夫も実感でき、江戸初期の築城技術の巧みさを間近に体感できます。

八代城 大天守台からの眺望

続いて大天守台の石垣に上ると、城の象徴だった四層五階の天守がかつてそびえていた高さと威厳を想像できます。基壇からの眺めは八代市街や球磨川の景色まで広がり、戦略的に選ばれた立地の重要性を直感的に理解できます。

⑦ 続日本100名城スタンプ設置|八代市民俗伝統芸能伝承館

八代城 続日本100名城スタンプ設置場所

八代城の続日本100名城スタンプは、八代市民俗伝統芸能伝承館(お祭りでんでん館)に設置されています。城跡の駐車場からはやや距離があるため、まずこちらの施設を訪れてスタンプを押してから、八代城跡の散策を始めるルートが便利です。

八代城跡へのアクセス・駐車場・基本情報

所在地 熊本県八代市松江城町
最寄駅 JR八代駅から徒歩約15分
入場料 無料
開館時間 9:00〜17:00(八代市民俗伝統芸能伝承館)
休館日 月曜・年末年始(八代市民俗伝統芸能伝承館)
駐車場 あり(無料、三階櫓跡付近)

まとめ|八代城跡の魅力と見どころを巡る城巡りガイド

八代城跡は、熊本県八代市にある続日本100名城 第108番の史跡です。
白い石垣や本丸・二の丸・三の丸跡など、江戸初期の平山城の特徴を間近で体感できるスポットです。城内には大天守・小天守跡や三階櫓跡、月見櫓などの防御構造が残り、石垣や堀の配置から当時の築城技術の巧みさを学ぶことができます。

本丸跡には八代宮が建立され、井戸跡や城の歴史的遺構も見学可能です。廊下橋門跡や石垣の上からは、城内全体の構造や八代市街、球磨川の景色を一望でき、戦略的な立地の重要性を実感できます。八代城跡の散策は、歴史ファンだけでなく、城巡り初心者にもおすすめです。

さらに、八代市民俗伝統芸能伝承館では続日本100名城のスタンプを押せるため、城巡りの記録としても最適です。八代駅から徒歩圏内でアクセス可能なため、熊本八代の歴史散策や街歩きと合わせて楽しむことができる、おすすめの観光スポットです。