【続日本100名城 第200番】勝連城跡を徹底解説|阿麻和利が治めた世界遺産の絶景グスク

2023年12月14日、沖縄県うるま市にある勝連城跡を訪れました。
勝連城跡は続日本100名城 第200番に選定されており、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の構成資産として世界遺産にも登録されている名城です。
最大の見どころは、丘陵の地形を大胆に活かした立体的な縄張りと、波打つような曲線美を描く石垣群です。城の高所からは金武湾や太平洋を一望できるほか、かつて海上交通を押さえた要衝であったことを実感できます。
勝連城跡の歴史|築城の成り立ちと阿麻和利の時代
勝連城跡は、およそ13〜14世紀ごろに築かれたと考えられる沖縄の代表的なグスク(城郭)です。勝連半島の根元に近い独立した丘陵の上に造られ、城は段状に配置された複数の郭からなる大規模な縄張りが特徴です。この段々の曲輪配置は、地形を最大限に生かした防御性の高い構造として知られています。
15世紀の中ごろには、按司(地方の有力領主)であった阿麻和利がこの城を本拠としました。彼は海上交易を基盤に勢力を広げ、勝連地域を商業と軍事の拠点へ発展させたことで名を残しています。しかし一方で、政治的な対立から当時の中央勢力である首里王府との関係が悪化し、長禄2年(1458年)に王府軍に敗れたことで阿麻和利の支配は終焉を迎え、勝連城も歴史の表舞台から姿を消しました。
現在の勝連城跡は、曲輪や石垣が良好に残されており、琉球時代の城郭構造を学ぶ上で貴重な史跡として保存・整備が進んでいます。世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一部としても評価され、歴史散策の場として多くの人々が訪れています。
勝連城跡の見学ルート|あまわりパークから主郭まで歩く
①あまわりパーク見学|勝連城の予習とスタンプ押印

勝連城跡の麓には、城跡に隣接して整備された歴史文化施設の「あまわりパーク」があります。最初にここを訪れ、勝連城の背景や関連資料をじっくり見学しました。あまわりパークは、出土品の展示や歴史解説パネルが充実しており、城跡訪問前に地域の歴史・文化を学ぶのに最適な拠点になっています。

館内の展示では、勝連城跡の成り立ちや、城が築かれた時代背景について分かりやすく紹介されていました。発掘調査の成果をもとにした解説が多く、城内から出土した陶磁器や生活道具の資料を見ることで、ここが単なる軍事拠点ではなく、人々の暮らしが営まれていた場だったことが実感できます。

また、グスク特有の石垣構造や地形を活かした縄張りについての解説もあり、これから実際に城跡を歩く前の予習として非常に役立ちました。展示で見た曲線石垣の特徴や曲輪の配置を頭に入れておくことで、登城時に「ここがあの解説の場所か」と現地と知識が結びつき、見学の楽しさがいっそう深まります。スタンプはこの施設内に設置されていて、続日本100名城 第200番のスタンプを押印しました。
② 登城口から四の曲輪へ|EVカートと徒歩ルート

あまわりパークを出て城跡へ向かう道に差し掛かると、入口から四の曲輪付近まで運行している無料の電動カート(EVカート)があります。あまわりパーク来場者向けのサービスで、体力に自信がない方や暑い日でも無理なく城跡へアクセスできる便利な移動手段です。
今回は徒歩で進むことにしましたが、歩いて登る場合、最初はゆるやかな舗装路が続きます。やがて丘陵の自然地形に沿って設けられた石段や坂道が増え、足元には自然石を組んだ見学路が現れます。
③ 四の曲輪・三の曲輪|城の基盤を支えた下段エリア

四の曲輪は、勝連城跡の中で最も低い位置にある広い平坦地です。丘陵の裾に広がるこのスペースは生活や物資の拠点として使われたと考えられ、複数の井戸跡や平坦面の痕跡が残っています。城下からこの曲輪へ続く通路や石垣の造りからも、初期の居住・活動エリアとしての性格がうかがえます。段差状の石垣越しに、城全体の構造もつかみやすい場所です。

三の曲輪は、そのすぐ上の中腹にあるテラス状の区画です。ここは二の曲輪へ向かう途中にあり、四本柱の建物跡とみられる礎石が発掘されていることから、かつて門や建物が置かれた可能性が高い場所とされています。石垣と石段が連続するこのエリアは、城内の動線と防御ラインをつなぐ役割を果たしていました。三の曲輪から上方を見ると、二の曲輪や一の曲輪へ続く石垣が層状に重なっており、勝連城の段階的な防御構造を感じられます。
④ 二の曲輪|防御と生活機能を担った中枢部

二の曲輪は、三の曲輪を上がった先にある中腹よりやや高い位置の平坦地です。ここは城の防御と生活空間の両方の性格を持つエリアで、周囲を囲む石垣が高さと厚みを増し、攻撃に備えた構造になっています。発掘調査では礎石跡や建物跡が確認されており、詰めの拠点や兵の詰所などがこの付近にあった可能性が指摘されています。石垣の積み方は下段の曲輪に比べて目が細かく、城内でも重要な区画だったことがうかがえます。二の曲輪から見下ろす城下や海側の眺めも開けており、戦略的な位置にあることを実感できる場所です。
⑤ 一の曲輪(主郭)|勝連城最高所から望む大パノラマ

一の曲輪は、勝連城跡で最も標高の高い主郭エリアです。この曲輪は城全体の中心的な拠点であり、かつて城主や重臣の居館が置かれていたと考えられています。現在も周囲を囲む石垣は大規模で、城の防御の要としての役割が伝わってきます。内部は広い平坦地になっており、往時には建物や広場が設けられていた可能性が高いです。
一の曲輪からの眺望は壮観で、東側には太平洋、北側には金武湾と周辺の山並みが見渡せます。ここからの大パノラマは、勝連城が海上交通を見張る要衝として機能したことを強く想起させるポイントであり、城跡見学のハイライトともいえる場所です。訪れる人は、城の高低差と石垣の連なりを眼前にしながら、歴史の重みを実感できます。

一の曲輪からの眺望を楽しんだ後、ゆっくりと下りながら各曲輪の石垣や平坦地を改めて眺めました。勝連城跡はただの石垣の遺構ではなく、海や山々を見渡す丘陵全体が一つの防御体系になっていたことが歩くだけで伝わってきます。特に石垣の積み方の違いや段々状の構造は、観光としても、歴史散策としても満足度の高い城跡です。
アクセス・駐車場・見学情報まとめ
| 所在地 | 沖縄県うるま市勝連南風原 |
|---|---|
| アクセス(車) | 那覇市内から約1時間〜1時間半 |
| アクセス(バス) | 「勝連城跡前」バス停から徒歩約5分 |
| 入場料 | 無料 |
| 見学時間 | 城跡は自由見学(あまわりパークは開館時間あり) |
| 駐車場 | あり(無料) |
| スタンプ設置場所 | 勝連城跡休憩所 |
まとめ|世界遺産・勝連城跡を歩いて感じた魅力
勝連城跡は、地形を大胆に活かした立体的な城づくりと、波打つような曲線石垣が織りなす景観美が魅力の世界遺産グスクです。麓の歴史文化施設「あまわりパーク」で展示や出土資料を見学してから登城すると、曲輪が段階的に配置された構造や防御の工夫をより深く実感でき、見学の満足度がいっそう高まります。あまわりパークの見学と、四の曲輪から一の曲輪までゆっくり巡る場合、全体の所要時間はおよそ2時間半〜3時間ほどが目安です。展示の見学時間や各曲輪で景色を楽しむ時間も含めた想定です。
四の曲輪から一の曲輪へ登るにつれて視界は広がり、最後にたどり着く主郭からの大パノラマは圧巻です。東に太平洋、北に金武湾や周囲の山並みが見渡せる景色は、勝連城が海上交通を見張る要衝だったことを今に伝えています。
歴史ロマン、建築美、そして絶景が一体となった勝連城跡は、沖縄の城跡巡りの中でも特に印象に残る存在です。中城城跡や海中道路ドライブと組み合わせれば、沖縄ならではの歴史と自然を同時に満喫できる充実した一日になるでしょう。
