2023年3月21日(火)に千葉県船橋市宮本にある船橋地方最古最大の神社で徳川家康ゆかりの意富比神社に行ってきました。通称「船橋大神宮」と呼ばれ親しまれています。
意富比神社の創建は景行天皇40年(110年)、日本武尊が東征の途中に東国平定の成就と日照りに苦しんでいた住民を救うために天照皇大御神をお祀りして祈願したのが起源と伝わります。平安時代に編纂された『延喜式』神名帳にも小社に列している古社です。
平安時代の保延4年(1138年)、夏見(現在の船橋市南部から中央部の地域)を中心とする一帯が伊勢神宮の荘園「夏見御厨」となり伊勢神宮が分祀され天照皇大御神を祀る「神明社」ができました。しばらくするとの意富比神社と伊勢神宮は同じ太陽神で同化し「船橋神明」と呼ばれるようになり幕末まで「船橋大神宮」と称するようになりました。
明治5年(1872年)に県社に列格し、『延喜式』神名帳に記載されている意富比神社の名に復しました。
今回実際に意富比神社に参拝してきましたので見どころや御朱印、ご利益、アクセス・駐車場をわかりやすくご紹介したいと思います。
意富比神社へのアクセス・駐車場
交通機関を利用
・京成本線「大神宮下駅」下車、意富比神社まで180m、徒歩で約2分
・JR総武本線「船橋駅」下車、意富比神社まで1.0km、徒歩で約12分
自動車を利用
・カーナビに意富比神社の電話番号「047-424-2333」を入力、またはカーナビに意富比神社の住所「千葉県船橋市宮本5丁目2-1」を入力し検索
駐車場
意富比神社には普通自動車が約40台駐車可能な無料駐車場があります。祝日の午後に参拝に訪れましたが半分ほどの空きがありました。ただし大晦日から三が日の間は駐車不可となりますのでご注意下さい。
意富比神社の参拝と見どころ
表参道一の鳥居
意富比神社の表参道入口から参拝に進みます。入口には一の鳥居である神明鳥居がたち、かつてこの辺りまで海が広がっていました。鳥居の前の道路を右前方に進むと無料駐車場があります。
鳥居の側には「延喜式内 意富比神社」と施された社号碑がたっています。意富比神社は平安時代に編纂された『延喜式』神名帳で小社に列しています。
綺麗に整備・維持されている参道を直進します。参道沿いには石燈籠や石碑が並び篤い崇敬を集めていることが分かります。
二の鳥居
参道をしばらく歩くと二の鳥居が見え、その側には「船橋大神宮」と書かれた社号碑があります。
二の鳥居の側には明治14年(1881年)に奉納された江戸流れ狛犬一対が鎮座しています。江戸狛犬の特徴である楕円形の目、控えめな獅子鼻、尾は凝ったデザインとなっており、どちらも子持ち狛犬となっています。
更に参道を直進すると拝殿の近くに手水舎があります。こちらでしっかりと心身を清めて参拝へ進みます。
神門・拝殿・本殿、御祭神、ご利益
手水舎の近くに神門があり、こちらから拝殿・本殿を参拝する形になります。拝殿・本殿は慶応4年(1868年)の戊辰戦争で幕府方脱走兵の一拠点となったため官軍方の砲撃で焼失しますが本殿は明治6年(1873年)、拝殿は明治22年(1889年)に再建されました。
御祭神に女神である天照皇大御神をお祀りしているので本殿の千木は内削ぎで鰹木は偶数本になっています。最高神ですのであらゆる福徳・招福があるとされ、国土安泰・子孫繁栄・五穀豊穣・開運等のご利益で知られています。
社務所とお水取り
神門の近くには社務所がありお水取りができる場所もあります。
西参道の摂末社
神門・拝殿・本殿の左側の西参道沿いには数多くの摂末社が並び鎮座しています。
左から水天宮、稲荷神社、秋葉神社・古峯神社が鎮座しています。
その隣に左から八坂神社(神輿庫)、八劔神社(神輿庫)と並びます。
八劔神社の隣に左から八幡神社、竈神社、龍神社、道祖神社、客人神社・多賀神社と並んでいます。
多賀神社の隣に左から岩島神社・住吉神社、祓所神社・春日神社、香取神社・鹿島神社、玉前神社・安房神社、天満宮・天神社と並びます。
参道の向かいには左から粟島神社・根神社、阿夫利神社・大山祇神社、事代主神社・大國主神社、水神神社・産霊神社と並び、猿田比古神社石碑を挟んで右に三峯神社が鎮座しています。
鳥居の近くに鎮座するのは船玉神社で船魂を祀っています。社殿は船を模して造営されており他では見られないユニークな形となっています。
船玉神社近くの西鳥居付近は度々浮世絵の題材にもなった場所で歌川広重の『諸国名所百景』で描かれました。
酉の市が開催される大鳥神社
神門から右に進むと大鳥神社が鎮座しており、御祭神に日本武尊がお祀りされています。「船橋のお酉様」として親しまれ、12月の酉の日では酉の市が夜遅くまで開かれます。
灯明台(千葉県有形民俗文化財)
大鳥神社近くには明治13年(1880年)に建設された灯明台(千葉県有形民俗文化財)があります。かつての海岸線は神社近くにあり、船橋沿岸を航行する船はこちらの灯明台を利用していました。和洋折衷の「擬洋風建築」で高さは12m、3階建てで1階・2階は和風、3階の灯室は西洋式灯台の意匠を取り入れた六角形となっています。正月三が日のみ一般公開されます。
徳川家康公が御祭神で絢爛豪華な常磐神社
大鳥神社から拝殿・本殿沿いの参道を奥に進むと御祭神に日本武尊・徳川家康・秀忠がお祀りされている常磐神社があります。
常盤神社は平成27年(2015年)に造営されました。摂社ですがかなり大きく本社と同じ位の規模を誇ります。
日光東照宮のような絢爛豪華な造りで、至る所に徳川将軍家の家紋「丸に三つ葉葵」が施されています。
天之御柱宮・豊受姫神社(外宮)・八雲神社
大鳥神社と駐車場の間に鎮座するのは天之御柱宮で、日清日露や大東亜戦争で亡くなられた英霊がお祀りされています。
天之御柱宮の右隣には豊受姫神社(外宮)が鎮座し五穀豊穣と衣食住の守り神である豊受大神がお祀りされています。その隣には八雲神社が鎮座し、須佐之男命がお祀りされています。
豊受姫神社(外宮)は平成27年(2015年)、「伊勢神宮」遷宮の古材を用いて造営されました。
豊受姫神社(外宮)の境内には子供のお食い初めに使う「歯固め石」が用意されています。利用する際は良く洗い、使用後はこちらに返却します。
神楽殿
豊受姫神社(外宮)近くには神楽殿があります。意富比神社(船橋大神宮)の神楽は船橋市指定無形民俗文化財となっており、正月や節分などで神楽が奉納されています。
御朱印
御朱印は境内の社務所で頂くことが可能で、初穂料は500円となっています。
船橋大神宮で意富比神社の御朱印⛩
天気も良いし気分良き✨#御朱印 #船橋大神宮 pic.twitter.com/aDnDCo6jhw— のほほん日記 (@tNw69ESmwTlPs1v) August 8, 2022
おわりに
意富比神社の所要時間ですが、ゆっくり参拝した場合で約40分でした。意富比神社(船橋大神宮)の境内は広く参拝者が絶えることなく訪れる『延喜式』神名帳にも記載された古社です。摂社の常盤神社は本社と同じくらい大きく豪華絢爛で、豊受姫神社(外宮)は伊勢神宮の古材から造営されたものです。灯明台や船の形をした社殿の船玉神社、その他数多くの摂末社が鎮座しています。見どころいっぱいの意富比神社(船橋大神宮)に是非一度参拝してみてはいかがでしょうか。
意富比神社(船橋大神宮) | |
住所 | 千葉県船橋市宮本5丁目2-1 |
電話番号 | 047-424-2333 |
営業時間 | 終日可能 |
定休日 | 年中無休 |
拝観料 | 無料 |
アクセス | ■交通機関を利用 ・京成本線「大神宮下駅」下車、意富比神社まで180m、徒歩で約2分 ・JR総武本線「船橋駅」下車、意富比神社まで1.0km、徒歩で約12分 ■自動車を利用 ・カーナビに意富比神社の電話番号「047-424-2333」を入力、またはカーナビに意富比神社の住所「千葉県船橋市宮本5丁目2-1」を入力し検索 |
駐車場 | 普通自動車が約40台駐車可能な無料駐車場あり |