【和歌山県】女人高野と呼ばれ乳房型絵馬が有名な慈尊院!見どころや御朱印、アクセス・無料駐車場をご紹介

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2019年3月21日(木)に和歌山県伊都郡九度山町慈尊院にある女人高野と呼ばれ乳房型絵馬や安産祈願で有名慈尊院じそんいんに行ってきました。ご本尊で国宝の弥勒仏の別名が慈尊と呼ばれることから慈尊院と呼ばれるようになったと伝わります。

慈尊院に参拝してきましたので見どころや御朱印、ご利益やアクセス・駐車場をわかりやすくご紹介したいと思います。

慈尊院の概要

慈尊院は平安時代の弘仁7年(816年)、嵯峨天皇から高野山を下賜された弘法大師空海)が高野山金剛峰寺を開山する際、山麓で庶務を司る政所として丹生官省符神社と共に創建したと伝わります。
山号は万年山、宗派は高野山真言宗、ご本尊は弥勒仏になります。

高野山を開山後、空海の母である玉依御前たまよりごぜんが讃岐国多度郡(現在の香川県善通寺市)から息子が開いた高野山を見る為に訪れましたが、当時の高野山は女人禁制だった為、麓にある政所(慈尊院)に滞在し、ご本尊である弥勒仏を篤く信仰しました。

空海は母に会う為、高野山から約20km離れた慈尊院にひと月に9度訪れたと伝わり、その逸話から「九度山」という地名が名付けられました。
承和2年(835年)に母が亡くなると、空海は霊夢で母が弥勒菩薩になった姿を見た為、自作の弥勒仏と廟堂を建立して母の霊を祀ったと伝わります。
弥勒菩薩は別名「慈尊」と呼ぶことから「慈尊院」と呼ばれるようになりました。

また空海の母が弥勒仏を篤く信仰し、亡くなった後に弥勒菩薩になった逸話から、慈尊院は女人結縁の寺として有名になり、女人の高野山参りは慈尊院で行われるようになった為「女人高野」と呼ばれるようになりました。

慈尊院へのアクセス・駐車場

交通機関を利用

・南海高野線「九度山駅」下車、慈尊院まで約3.6km、タクシーで約8分
・南海高野線「九度山駅」下車、慈尊院まで約1.9km、徒歩で約25分
・JR線「高野口駅」下車、慈尊院まで約3.7km、タクシーで約9分
・JR線「高野口駅」下車、慈尊院まで約2.9km、徒歩で約39分

自動車を利用

・カーナビに慈尊院の住所「和歌山県伊都郡九度山町慈尊院」を入力し検索

駐車場

慈尊院には普通自動車が5台収容可能な無料駐車場があります。
駐車場が満車の場合は近くにある丹生官省符神社の無料駐車場が利用できます。

慈尊院の参拝と見どころ

下乗石建立跡の石碑

慈尊院の北門からまっすぐ紀ノ川の方へ向かうと「下乗石建立跡」の石碑があります。かつてこの場所には旧慈尊院南門があり、どんな高貴な方でも乗物から降りて歩かなければならないことを示す下乗石がありました。しかし天文9年(1540年)の紀の川の大洪水によって慈尊院が流された為、現在は慈尊院の北門の隣に移動しました。
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北門・下乗石

慈尊院の切妻造・本瓦葺の北門は16世紀頃に建立されたと考えられ、県指定文化財となっています。
北門前の石段を上ると、左側に卒塔婆型の下乗石の上部があります。平安時代の保延2年(1136年)に建立されたもので、和歌山県で最古の下乗石です。ブラタモリでも紹介されていましたね♪
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北門からは傾斜が急な石段と多宝塔が見えます。
石段は119段で、上った先には慈尊院と同時期に建立された丹生官省符神社があります。

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築地塀・五輪石塔

北門と周囲を囲む築地塀は天文9年(1540年)の紀の川洪水で旧慈尊院が流出した時には既に建立されていました。築地塀の高さは約3mで、砂味入りの粘土を5~7㎝程につき固め、幾重にも積み上げた上に屋根を葺く特殊な技法で造られています。県指定文化財になっています。
また北門側に立つ五輪石塔2基は町指定文化財となっています。
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慈尊院は平成16年(2004年)、ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録され、境内には世界遺産の石碑が設置されています。
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弘法大師堂

北門から境内に入り右手にある弘法大師堂ではご本尊に弘法大師を祀っています。
ご本尊の両脇には、四国八十八ヶ所霊場の御本尊が祀られており、お参りすれば四国八十八ヶ所霊場を全てお参りした事と同じご利益が得られるとされています。
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多宝塔

北門から丹生官省符神社へ続く石段を正面に左に祈願所、右に高さ約15mの多宝塔があります。
多宝塔は寛永元年(1624年)に建立された県指定文化財で、ご本尊は大日如来です。
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多宝塔横にある訶利帝母堂かりていぼどう(鬼子母神)は子育て、安産、子供安全のご利益があります。
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重要文化財・本堂(弥勒堂)

北門を入って左側(弘法大師堂前)にある本堂弥勒堂)は鎌倉時代後期に建立された重要文化財で、本堂横には約100体のお地蔵様がおられます。
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ご本尊の国宝・弥勒仏

本堂の中におられるご本尊の弥勒仏国宝に指定されています。
平安時代の代表的な彫刻の特徴を持つ弥勒仏は、平安時代の寛平4年(891年)に造られたと考えられています。ご本尊は21年に一度御開帳されそのお姿を拝見することができます。
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本堂前にある「みろく石」は、石を撫でて祈願するとご本尊の弥勒仏と縁結びができると言われています。
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乳房型絵馬

本堂の前に掛かっている乳房型絵馬は、いつから奉納が始まったか記録はありませんが、良縁、子宝、安産、育児、授乳、乳がん平癒等を願って古来から多くの女性が絵馬を奉納しています。
和歌山市出身の小説家・有吉佐和子さんが小説『紀ノ川』で描いたことでも有名です。
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御朱印

御朱印は境内の納経書で午前8時から午後5時の間でいただくことが可能です。
直書きで中央にご本尊の弥勒佛と大きく書かれています。

おわりに

慈尊院所要時間ですが、ゆっくり参拝した場合で約20分でした。
境内にある重要文化財の本堂(弥勒堂)や県指定文化財の多宝塔は見ごたえがありました。
小説でも描写された乳房型絵馬は本堂前に多く掛かっており、女性から篤い信仰を集めています。
天文9年(1540年)に発生した紀の川洪水前からあった、北門・築地塀・下乗石も見どころです。
近くには慈尊院が管理している勝運アップのパワースポット勝利寺もありますので一緒に参拝してみてはいかがでしょうか。

慈尊院
住所 和歌山県伊都郡九度山町慈尊院832
電話番号 0736-54-2214
営業時間 午前時8時~午後5時
定休日 年中無休
拝観料 無料
アクセス ■交通機関を利用
・南海高野線「九度山駅」下車、慈尊院まで約3.6km、タクシーで約8分
・南海高野線「九度山駅」下車、慈尊院まで約1.9km、徒歩で約25分
・JR線「高野口駅」下車、慈尊院まで約3.7km、タクシーで約9分
・JR線「高野口駅」下車、慈尊院まで約2.9km、徒歩で約39分
■自動車を利用
・カーナビに慈尊院の住所「和歌山県伊都郡九度山町慈尊院」を入力し検索
駐車場 普通自動車が5台駐車可能な無料駐車場あり