金沢城や兼六園と共に金沢旅行で必見!加賀藩藩主「前田利常(としつね)」作庭の立体的な池泉回遊式庭園「玉泉院丸庭園(ぎょくせんいん)」

玉泉院丸庭園1
2018年9月24
日(月)石川県金沢市丸の内にある「玉泉院丸庭園(ぎょくせんいんまるていえん)」に行ってきました。
玉泉院丸庭園は寛永11年(1634年)に加賀藩3代藩主「前田利常(としつね)」が2代藩主「前田利長」の正室であった玉泉院の屋敷跡に作庭した立体的な池泉回遊式庭園です。

近くにある兼六園に比べ、小規模な庭園で俯瞰して庭園がみれ、見学者も少なくてゆっくり見学でき、入園料が無料ですのでおすすめです。

庭園は廃藩時までありましたが、明治期には取り壊され平成27年(2015年)に再整備されるまで姿を消していました。
整備される際、遺構保存の為に約2mの盛土を行い、その上に現在の庭園が再現されています。

見どころ金沢状の石垣の形状や色彩を借景とした庭園や、池底から石垣の最上段まで約22mあった高低差のある立体的な景色が見どころです。
また毎週金・土曜日、及び祝日の前日に行われる夜間ライトアップもおすすめです。

玉泉院丸庭園をゆっくり見学した場合、所要時間は30分でした。

玉泉院丸庭園へのアクセス

交通機関を利用したアクセス

・JR金沢の兼六園口(東口)バスターミナル③⑥⑧⑨⑩番のバスに約10分乗車後、「香林坊」駅下車、徒歩約5分。

駐車場

玉泉院丸庭園には駐車場がありません。
周辺の駐車場(200円/時間~)に駐車するか、兼六園駐車場(350円/時間~)に駐車することになります。

玉泉院丸庭園の見どころ

玉泉院丸庭園の見どころ以下の通りになります。

・休憩所「玉泉庵」からの景色
・庭園の借景「三十間長屋」は国の重要文化財
・見せる石垣「色紙短冊積石垣」
・落差7mの4段の滝「段落ちの滝」
・玉泉院丸庭園へ続く「鼠多門」
・幻想的な夜間ライトアップも無料

玉泉院丸庭園見学開始

休憩所「玉泉庵」からの景色

玉泉院丸庭園の見学は無料です。
入口側にある玉泉庵と呼ばれる施設から庭を一望したところです。
池の周りを緑が囲み金沢城の石垣を借景とした立体的な庭園となっています。
玉泉院丸庭園1

庭園の借景「三十間長屋」は国の重要文化財

玉泉庵から右側に向かって進むと「唐傘(からかさ)」があります。
金沢城二の丸に置かれていた同様の唐傘の資料から復元されたものです。
唐傘の後方に見えるのは金沢城の「三十間長屋(さんじっけんながや)」で国の重要文化財にしていされています。
玉泉院丸庭園2

庭園には3つの島(一の島・二の島・三の島)があり5つの橋で結ばれています。
橋を渡って島に行くことはできませんが、庭園の外周より高低差や島の配置を楽しみながら散策を進めます。
玉泉院丸庭園3

手入れの行き届いたとても美しい庭園で見ごたえがあります。
江戸時代にタイムスリップした気持ちになりました♪
玉泉院丸庭園4

左に見えているのが入り口の玉泉庵で、1月4日~12月28日の間はお抹茶代720円を支払うと玉泉庵でお抹茶を頂きながら庭園を楽しむこともできます。
玉泉院丸庭園5

玉泉庵の対岸まで歩いてきたところです。
正面の島が二の島、二の島奥が一の島、二の島右が三の島になります。
玉泉院丸庭園6

見せる石垣「色紙短冊積石垣」

この辺りには「見せる石垣」があります。
様々な形状や色彩の石が組み合わされ庭園を散策する人々を楽しませてくれます。
玉泉院丸庭園7

色紙短冊積(しきしたんざくづみ)」石垣と呼ばれる金沢城内で最も意匠的な石垣です。
色紙(方型)や短冊(縦長方形)状の石やV字型の石樋が組み込まれています。
玉泉院丸庭園11

現在は石垣の下部を約2m埋め戻した為見ることはできませんが、V字型の石樋から約9m落水した滝つぼの石組があり、石垣の滝があったことが確認されています。
玉泉院丸庭園12

落差7mの4段の滝「段落ちの滝」

色紙短冊積石垣の側には庭園の斜面を落差約7mの4段で流れる「段落ちの滝」があります。
発掘調査により色紙短冊積石垣の滝壺から地中水路を通り、この滝へと続いていたと考えられています。
遺構と同様の石を置いて復元し再現された滝で、庭園をより立体的に見せています。
玉泉院丸庭園8

段落ちの滝辺りからの景色です。
庭園は古い資料を基に忠実に再現されており、庭園の池の島や橋、松が美しく配置されています。
玉泉院丸庭園10

玉泉院丸庭園へ続く「鼠多門」

玉泉院丸庭園側では現在の尾山神社から玉泉院丸庭園へ続く「鼠多門(ねずみたもん)」の復元整備が行われていました。
江戸時代から明治17年(1884年)までありましたが火災で焼失しました。
2014年から復元に向けて動き出し、2020年の完成を予定しています。
玉泉院丸庭園14

明治初年の鼠多門の古写真が残っているので、史実に沿って木造で復元されるとのことで今から完成がとても楽しみです。
玉泉院丸庭園15

幻想的な夜間ライトアップも無料

玉泉院丸庭園の夜間ライトアップにも行ってきました。
入園料は無料毎週金・土、及び祝日の前日に行われています。玉泉院丸庭園16

幻想的な音楽とイルミネーションで日中の江戸時代にタイムスリップした庭園とはまた違った美しさを感じることができます。
玉泉院丸庭園17

夕焼けから宵、夜更けの月見の庭へ移り変わる「三つの灯り」の演出や、尺八や筝など和楽器の演奏に合わせて変化する「四季折々の灯り」の演出があり、目や耳で楽しむことが出来ます。
クオリティが高く、無料で見学できるのが信じられないです!
玉泉院丸庭園18

おわりに

玉泉院丸庭園を見学してみて、金沢状の石垣の形状や色彩を借景とし、高低差のある立体的な庭園は見ごたえがありました。
見学者も少なくゆっくり見れる庭園で、入園料は日中も夜間も無料で金沢城や兼六園を訪れた際は是非立ち寄りたい場所のひとつです。
かつて玉泉院丸庭園に続いた鼠多門も復元工事が進められており、ますます見ごたえがあると思いますので是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。

玉泉院丸庭園(ぎょくせんいんまるていえん)
場所 石川県金沢市丸の内3
電話 076-234-3800
休日 無休
拝観料 無料
開園時間 3月1日~10月15日:午前7時~午後6時
10月16日~2月末日:午前8時~午後5時
交通 JR線「金沢駅」下車、バス10分、徒歩5分。