【続日本100名城 第172番】三原城を徹底解説|瀬戸内海を見渡す小早川隆景の海城

【続日本100名城 第172番】三原城を徹底解説|瀬戸内海を見渡す小早川隆景の海城

三原城全景、瀬戸内海を望む海城の景観

訪問日:2026年4月5日、広島県三原市にある三原城みはらじょうを訪れました。三原城は続日本100名城 第172番に選定されている城跡で、現在は市民公園として整備されています。

この城の最大の特徴は、瀬戸内海の海上交通を支配するために築かれた“浮城”と呼ばれる海城の構造です。石垣・土塁・堀・天守台などの遺構から、戦国時代における海上戦略や築城技術を体感できる貴重な史跡として知られています。観光地としてもアクセスが良く、散策しながら歴史を学べるスポットとして人気があります。

三原城とは|歴史と築城背景

三原城みはらじょうは、天正5年(1577年)に戦国大名・小早川隆景こばやかわ たかかげによって築かれました。隆景は毛利氏の有力家臣であり、瀬戸内海の水軍を率いる名将として知られています。

築城の目的は、三原湾を中心とした瀬戸内海の海上交通の要衝を確保することでした。当時の隆景は人工の島を築き、海水を堀として取り込む「浮城」の構想を採用しました。この設計は、戦国期の城郭建築において極めて斬新であり、毛利水軍の戦略的拠点として重要な役割を果たしました。

関ヶ原の戦い後は、福島正則や浅野氏などの藩主によって受け継がれ、江戸時代には三原藩の中心地として栄えました。城下町との連携や水運の利便性は、城の政治的・経済的な価値を高めました。

現在、三原城跡はJR三原駅と一体化しており、天守台が駅構内の背後にそびえる独特の景観を形成しています。石垣や堀の遺構が当時の壮大な規模を物語り、歴史的に価値の高い史跡として保存されています。

城内散策レポート|実際に歩いてみた

① 三原市歴史民俗資料館(無料駐車場)

三原市歴史民俗資料館の展示と無料駐車場

散策は資料館の無料駐車場から始めました。館内では三原城の築城に関する資料や、地元出土の古代・中世遺物が展示されており、城の歴史を理解する上で欠かせません。ここで「続日本100名城スタンプ」を押すこともできます。見学目安は約20〜30分です。

② 城跡へ徒歩移動(約10分)

三原城跡へ徒歩移動中の石垣と堀

資料館を出て三原市街地を歩いて数分で、城跡の堀や石垣が姿を現します。JR三原駅と一体化した天守台は独特の景観を生み出し、戦国末期から江戸初期にかけての異なる石垣技術を観察できます。古い部分の素朴な積み方と、近世城郭の算木積みが共存し、築城技術の変遷を感じられます。海に面した石垣や水堀の連携は「浮城」の構造を実感させ、防御のみならず港湾や交通の要としての価値も高い重要な遺構です。

③ 天守台を堀越しに眺める

堀越しに見る三原城天守台と桜の景観

三原城跡では、春になると堀や石垣沿いに植えられた桜が咲き誇り、石垣・堀・桜が織りなす、落ち着いた景観を楽しめます。水面に映る薄紅色の花や天守台周辺の遊歩道からの眺めは、写真映えも抜群でSNSでも人気です。夜はライトアップにより石垣の陰影と桜の淡い色が浮かび上がり、昼間とは異なる静寂で幻想的な雰囲気を味わえます。

④ 小早川隆景像

三原城天守台北側に立つ小早川隆景像

三原城天守台北側に立つ小早川隆景像は、城の築城者であり水軍の名将としての功績を伝えるシンボルです。隆景は戦略と人徳を兼ね備え、永禄期には三原城を海上交通の拠点として整備しました。天正期以降は居住地とし、天守台や石垣の改修にも力を注ぎました。穏やかな表情の像は、戦乱を智略で乗り越え、地域の安定と発展に尽くした彼の姿を今に伝えます。

⑤ 天守台跡への登城

天守台跡への登城専用通路と広場

JR三原駅の1階北側コンコースからアクセスできる天守台跡専用通路は、駅と城が一体化した独特の景観を体感できるルートです。

天守台跡の広場と芝生の整備された景観

案内板に沿って進むと、階段やスロープを経て芝生や植栽で整備された天守台跡の広場に到達します。入場料は不要で、午前6時30分~午後10時まで自由に散策可能です。通路を通るだけで城跡と鉄道の景観がつながるため、訪問者にとって全国的にも珍しい体験ができます。

⑥ 天守台からの眺望

三原城天守台跡からの瀬戸内海と街並みの眺望

三原城天守台跡からの眺めは、海城としての広がりと現代の街並みが交錯する独特の景観が魅力です。旧本丸の中心に立ち、南東にはかつての城下町や石垣の名残が見え、南西では新幹線や線路が城跡の上空を横切ります。北西には桜山や緑豊かな丘陵が広がり、春は桜が彩りを添えます。

アクセス・駐車場・基本情報

所在地 広島県三原市城町
最寄駅 JR三原駅 徒歩約5分
入場料 無料
開館時間 9:00〜17:00
休館日 月曜・年末年始
駐車場 あり(無料)

まとめ|三原城の魅力

三原城は、瀬戸内海の要衝を抑えるために小早川隆景が築いた海城で、戦国時代の築城技術や戦略の跡を色濃く感じられる史跡です。天守台跡や石垣、堀を巡る散策ルートは、JR三原駅と直結しており、アクセスが非常に便利です。

桜や広場の景観も楽しめ、資料館や続日本100名城スタンプで歴史を学ぶこともできます。戦国史に触れながら、現代の街並みと海城の景観を一度に楽しめる、おすすめスポットです。