【続日本100名城 第194番】佐伯城跡を徹底解説|中世山城と近世石垣の融合を体感

2025年11月15日、大分県佐伯市にある佐伯城跡を訪れました。
佐伯城跡は、続日本100名城 第194番に選ばれている城跡で、標高約146mの八幡山一帯に築かれた歴史ある山城です。
この城の最大の特徴は、中世山城の地形構造に、近世城郭の高度な石垣技術が融合している点です。現在は史跡公園として整備が進み、登山道を歩きながら往時の城郭構造を体感できる人気の歴史スポットです。本記事では、登城ルートに沿って見どころを詳しく紹介します。
佐伯城跡の歴史と築城背景|毛利高政が築いた山城
佐伯城は、慶長6年(1601年)に豊後国へ入封した毛利高政によって築かれました。高政は大坂城の普請に関わった経験を持つ武将で、その技術と知識を活かし、約4年の歳月をかけて八幡山に本格的な山城を築きました。
城は山頂の本丸を中心に、二の丸・三の丸を段状に配置した連郭式の縄張りです。山の地形を巧みに活かした中世的な構造を基盤にしつつ、要所には近世城郭らしい高石垣が築かれました。防御性と威厳を兼ね備えた城であったことがうかがえます。
基本は自然石を使った野面積みですが、角の部分などでは石が整然と積まれている箇所もあり、築城技術の高さがうかがえます。
3代藩主・毛利高尚の時代には、山麓の三の丸が拡張され、藩政の中心としての城下町整備も進められました。佐伯城はその後、毛利氏12代にわたり、佐伯藩の象徴として機能し続けました。
明治維新後の廃城令によって建物は失われましたが、近年は発掘調査や整備事業が進められています。令和5年(2023年)には国の史跡に指定され、歴史的価値が改めて評価されました。
佐伯城跡の見どころ散策|麓から本丸まで登城レポート
三の丸櫓門駐車場から登城スタート
今回は三の丸櫓門近くの無料駐車場を利用しました。登城口と佐伯市歴史資料館にも近く、登城の拠点としてとても便利な場所です。
佐伯市歴史資料館で事前学習

登城前に立ち寄りたいのが佐伯市歴史資料館です。館内には佐伯城の復元模型や出土品、藩政時代の資料などが展示されており、城の全体像を理解してから登ることができます。続日本100名城スタンプもここに設置されています。
現存する三の丸櫓門(黒門)

佐伯城跡で当時の姿をとどめる唯一の建物が、この三の丸櫓門です。落ち着いた色合いから「黒門」とも呼ばれています。現在の建物は天保3年(1832年)に再建されたもので、江戸時代後期の姿を今に伝える貴重な遺構です。

この門をくぐると山上の城跡へ向かう登城ルートに入ります。急坂を進む近道の「登城の道」と、なだらかな「独歩碑の道」があり、今回は距離の短い登城の道を選びました。
登城道に続く石垣と防御遺構

坂道を登っていくと、西出丸や二の丸の石垣が次第に姿を現します。
本丸を守る要所・廊下橋

廊下橋は本丸と二の丸を結ぶ重要な防御施設です。かつては屋根や壁を備えた建物のような構造だったと考えられ、有事には橋を落として遮断できたとも伝えられ、強固な防御機構の一端を担っていたと考えられています。本丸を守る最後の関門とされる場所で、現在は木橋として整備されています。
石垣が迎える二の丸虎口

二の丸虎口は通路を屈曲させ、敵がまっすぐ進めないよう工夫された出入口です。石垣と石畳が組み合わさり、防御の要所だったことがうかがえます。
眺望が開ける西出丸

西出丸は二の丸の南側に広がる曲輪で、斜面を利用した細長い構造になっています。ここからは佐伯市街や番匠川方面を一望でき、見晴らしの良さからも、重要な防御拠点だったことが想像できます。
山頂に広がる本丸跡と石垣

登り切ると山頂の本丸跡に到着します。ここから豊後水道や中江川方面まで見渡せる絶好の眺望が広がり、登った達成感とともに、城がこの場所に築かれた理由を実感できます。

本丸石垣の高さはおよそ6mにもなり、山城とは思えないほどの迫力があります。
天守台跡に残る往時の面影

本丸の一角には三重の天守が建っていたとされる天守台跡が残っています。築城当初の主要建築でしたが、元和3年(1617年)の火災で焼失したと伝えられています。
雛壇状石垣|斜面を支える独特の石積み

本丸手前の斜面には四段の階段状石垣が築かれています。斜面の崩落を防ぐ土留めの役割もあったと考えられており、城の防御だけでなく、地形維持の工夫もうかがえる貴重な遺構です。
佐伯城跡へのアクセス・駐車場・基本情報
観光で訪れる方のために、佐伯城跡へのアクセス方法や駐車場、スタンプ設置場所などの基本情報をまとめました。
| 所在地 | 大分県佐伯市城山 |
|---|---|
| 車でのアクセス | 東九州自動車道 佐伯ICから約10分 |
| 徒歩でのアクセス | JR佐伯駅から徒歩約20分 |
| 入場料 | 無料 |
| スタンプ設置場所 | 佐伯市歴史資料館(9:00〜17:00・月曜休館) |
| 駐車場 | 三の丸櫓門付近にあり(無料) |
まとめ|佐伯城跡はこんな人におすすめ
佐伯城跡は、中世山城の構造と近世石垣技術が同時に楽しめる、非常に個性的な城跡です。復元建築はありませんが、地形と石垣から城の機能を体感できる点が大きな魅力の城跡です。
歴史好きはもちろん、山歩きを楽しみたい方や絶景スポットを探している方にも特におすすめの城跡です。続日本100名城スタンプ設置城でもあり、城巡りをしている方にとっても、ぜひ訪れたい一城です。
佐伯市街地からのアクセスも良く、周辺観光とあわせて巡れば、大分県南部の歴史と文化をより深く味わえる旅になるはずです。佐伯城跡で歴史と絶景を体感してみてください。
