【続日本100名城 第188番】原城跡|島原・天草一揆の最終決戦地を散策

【続日本100名城 第188番】原城跡|島原・天草一揆の最終決戦地を散策

原城跡 全景 有明海を望む丘陵上の城跡

2025年3月8日、長崎県南島原市にある原城跡はらじょうあとを訪れました。
原城跡は続日本100名城 第188番に選ばれており、島原半島南部の丘陵上に築かれた中世の山城です。三方を海と断崖に囲まれた天然の要害で、現在は史跡公園として整備されています。有明海の景色を眺めながら、城跡の歴史をしみじみと感じられます。

この城が広く知られる理由は、寛永14年(1637年)に起きた島原・天草一揆(島原の乱)の最終決戦地となったことです。城郭遺構だけでなく、信仰や悲劇の歴史も重なる特別な場所で、平成30年(2018年)には世界文化遺産にも登録されました。

原城跡の歴史|築城と島原の乱の舞台

原城はらじょうは戦国時代に有馬氏によって築かれ、有明海に面した断崖や谷を巧みに利用した守りの堅い城です。島原半島南部の重要拠点として機能していました。

城内には本丸・二の丸・三の丸を中心に、曲輪が段状に配置されていました。空堀や土塁、石垣などの防御施設も整えられています。海に面した立地は外敵の侵入を防ぐだけでなく、海上交通の監視にも役立っていたようです。

1637年、重い年貢やキリシタン弾圧に苦しむ人々が立ち上がり、若き指導者・天草四郎時貞のもと原城に籠もりました。一揆勢は約3万7千人にのぼり、幕府軍も大軍を投入しました。戦いは約3か月間続き、ついに城は落城しました。この戦いで多くの命が失われたことが伝えられています。

戦後、原城は徹底的に破却されました。しかし発掘調査によって、瓦や生活用品、信仰の遺物、人骨などが見つかり、ここが激動の歴史の舞台であったことが分かっています。

原城跡散策|見どころとルート

駐車場と有馬キリシタン遺産記念館

原城跡 駐車場と入口付近の風景
国道251号沿いの原城跡駐車場に車を停めて散策を始めます。広くて利用しやすい無料駐車場で、近くには「有馬キリシタン遺産記念館」もあります。事前に見学すると、原城の歴史がより分かりやすくなります。

板倉重昌の碑

原城跡 板倉重昌の碑
城へ向かう途中には、幕府軍総大将の一人である板倉重昌いたくら しげまさの碑があります。この戦いで命を落としたことから、攻める側にも犠牲が大きかったことが伝わります。

二ノ丸跡と有明海の眺望

原城跡 二ノ丸跡から望む有明海
坂を上ると広い二ノ丸跡に到着します。現在は草地が広がる二ノ丸跡ですが、かつては本丸を守る防御エリアとして重要な役割を果たしていました。有明海を一望でき、土塁の跡から城の構造を感じられます。

空堀跡

原城跡 空堀跡の防御構造
二ノ丸周辺には深く掘られた空堀跡も残っています。自然の地形を活かした防御施設で、当時の築城技術の高さを感じられます。

総合案内所とスタンプ設置

原城跡総合案内所とスタンプ設置場所
本丸近くの原城総合案内所では、続日本100名城スタンプを押すことができます。展示もあるので、散策の前後に立ち寄るのがおすすめです。

本丸正門跡と枡形虎口

原城跡 本丸正門と枡形虎口
本丸へ入る手前には本丸正門跡枡形虎口の遺構があります。通路が折れ曲がる構造で、敵の侵入を防ぐ工夫が見られます。

本丸跡と天草四郎像

原城跡 本丸跡の広場
本丸跡は現在、広場として整備されています。かつて天守三重櫓があった可能性もあり、一揆勢の指導部が最後まで籠もった場所と伝えられています。

原城跡 天草四郎像
本丸周辺には祈りの象徴として天草四郎時貞あまくさ しろう ときさだがあります。天草四郎時貞像は、祈りの姿勢からこの地が信仰と深く結びついた場所であることを伝えてくれます。

三体のキリシタン像

原城跡 三体のキリシタン像
本丸奥には、島原・天草一揆で命を落としたキリシタンの方々を慰霊する象徴として三体のキリシタン像があります。有明海を望む静かな場所に立ち、訪れる人に祈りと鎮魂の気持ちを抱かせます。

池尻口門跡と骨カミ地蔵

原城跡 池尻口門跡の礎石と石垣
原城本丸の東側に位置する池尻口門いけじりぐちもんは、本丸への主要な出入口の一つとされる重要な虎口です。島原の乱後に破却され埋もれていましたが、発掘調査で礎石や石垣、階段跡が見つかり、門の構造が明らかになっています。

原城跡 骨カミ地蔵
さらに進むと骨カミ地蔵があります。島原・天草一揆終結後、破却された原城から出土した遺骨は、明和3年(1766年)に願心寺・法誉上人が集めて埋葬し、地蔵菩薩像を安置しました。「骨カミ」とは「骨を噛み締める」という意味で、乱の悲劇を伝え、霊を慰める象徴です。

アクセス・駐車場・見学情報

所在地 長崎県南島原市南有馬町
車でのアクセス 長崎自動車道 諫早ICから約1時間20分
公共交通でのアクセス 島原鉄道 島原駅からバス「原城前」下車 徒歩約15分
入場料 無料
スタンプ設置 原城総合案内所(9:30〜16:30)
駐車場 あり(無料・約50台)
所要時間 約1時間〜1時間半

まとめ|原城跡はこんな人におすすめです

原城跡は、戦国期の城郭と島原の乱という歴史が重なる貴重な史跡です。城跡だけでなく、宗教史や民衆の歴史を考えるうえでも価値があります。
広い敷地と有明海の景色を眺めながら歩くと、当時の人々の思いや悲劇の歴史が胸に迫ってきます。続日本100名城のスタンプ設置城でもあるので、城巡りが好きな方にもおすすめです。
島原半島を訪れた際には、少し時間をとって原城跡をゆっくり散策してみてください。歴史の重みと有明海の景色を感じながら歩くと、心に静かな余韻が残ります。